日産 ティアナ 「センスの良さが感じられたビッグセダン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

5

デザイン
4
走行性能
4
乗り心地
4
積載性
4
燃費
2
価格
5

センスの良さが感じられたビッグセダン

2022.1.17

年式
2003年2月〜モデル
総評
セダンボディにそれなりの需要があった時代だからこそ誕生したモデル。V型6気筒エンジンの滑らかさを知ったユーザーも多いと思う。また、凝ったインテリアデザインからブランドを確立したこともティアナの特徴だ。3代目の販売終了でティアナは幕を閉じたが、シンプルでも上質という図式が成り立つことを自動車史に残した貢献度は大きい。
満足している点
これまでの高級車は絢爛豪華であることが主体だった。日産はこれをモダンリビング、和といったキーワードで作り替えた。このティアナ以降、日産車のすべてが垢抜けたと思う。また、大排気量FF用エクストロニックCVTを実用化したり、サスペンションに凝ったりと、技術の日産が感じられる一台だ。
不満な点
大きな課題とされていなかったとはいえ、燃費性能が悪かった。また、ボディの衝突吸収能力は低かった。ゾーンボディという思想をもって運転席・助手席サイドエアバッグシステム、前席アクティブヘッドレストを全車に標準採用したものの、満足のいく先進安全技術の搭載は2013年以降の3代目にして最終型のティアナからだ。
デザイン

4

2003年に登場したFFセダン。FF用Lサイズプラットフォームを使った大きなボディだが、AピラーからCピラーにかけてなだらかな弧を描く美しいシルエットだった。インテリアではモダンリビングと称された和テイストをふんだんに採り入れ、センターコンソールなどには柾目調木目をあしらった。
走行性能

4

V型6気筒2.3lを4速ATと組み合わせ、V型6気筒3.5lには世界初の大排気量FF用エクストロニックCVTを用いた。当時、テストコースで走行テストを担当したのだが、231PSの3.5lとCVTの走りは1500kg台と車両重量が軽かったため、ジェット機が離陸するように豪快だった。4WDには4気筒2.5l+4速ATが搭載されていた。
乗り心地

4

モダンリビングというだけあって乗り心地も洗練されていた。かといって、ふわふわする昭和時代の高級車ではなく、欧州車のように腰のあるサスペンション特性。後席も快適だ。足元が広く、シートサイズもゆったりしていた。個人向けに開発されたティアナだが、乗り心地の良さから個人タクシーにも多数採用されていた。
積載性

4

Lサイズプラットフォームによりトランクルームも大きい。当時のFR方式である競合車よりも70〜80l大きく500l台に乗せていた。後席中央のセンターアームレストを開けば長尺物も積載も可能で、長い車内長(2115㎜)を存分に活かすことができた。
燃費

2

走りは良かったが燃費は伸び悩んだ。3.5lは10・15モード値で9.8㎞/lとWLTC値に換算すれば7㎞/l台前半。2.3lも同11.2㎞/lだから8㎞/l台中盤。4WDの2.5lは4気筒だったが同10.8㎞/lなので、8㎞/l台前半だ。
価格

5

こだわりのデザインとキャビンでありながら、225万円から用意されていた。3.5lでも284万円だ。日産は早くから他モデルとの部品共有化を進めてきており、3.5lエンジンもフェアレディZの縦置き6速MTから横置きCVTへとすんなり変換。いわゆるモデルベース開発の先駆けともいえる開発手法をとってきたことで、低価格と多様性を両立させていた。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
日産 ティアナ 新型・現行モデル

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