250万円。割り切った作りです。
新車でスペックRの最終型Vパッケージを買って5年・4万キロになります。
欠点も多いですが、総じて良い車です。
しかし
2007.12.30
- 総評
- 250万円。割り切った作りです。
新車でスペックRの最終型Vパッケージを買って5年・4万キロになります。
欠点も多いですが、総じて良い車です。
しかし、一部の方が買って不幸になる元は、その「割り切り」の作りゆえでしょう。
語弊を恐れず言えば、この車は最後の「5ナンバー軽量FRターボ」を求める人が
買う車であり、スポーツカーが欲しいとか速い車が欲しいとか漠然とした気持ちで買うと
おそらく失敗します。
要するに、コンパクトであること・軽いこと・FRであること、
に特化して作っているので、他はどうでもいい(?)というくらい割り切った作りです。
ただ、特筆すべきはこの「最後の5ナンバー軽量FRターボ」が新車価格でも250万円程度でした。
カタログ馬力は250psなので1ps/1万円で、安価な割にパワーも必要十分です。
安全性向上のため、市場から日本製のライトウェイトスポーツがほとんど根絶してしまいました。
実馬力は225psしか出ていないものの、峠では抜群に速いのは、その軽さゆえ
だと痛感します。峠では小さく軽いためもてあまさず振り回せ、高速道路は
峠ほど得意ではありませんが、素直にスピードが伸びます。
助手席の淑女に喜んでもらう車ではないので、エンジンからもタイヤからも
奥様・彼女果ては外野からも(笑)ゴーゴーとうるさい音がなりますが、
それが嫌なら高級車に乗ればよろしい。
僕はこの割り切った、男の職場が好きですよ。
中古では安くなって来ましたので、試しに買って乗るのも良いと思います。
世界の車が忘れた、「小ささと軽さ」の妙味が、またそれによって導かれる
抜群の運動性能と操作の気持ちよさが味わえると思います。
ドライブを楽しむために割り切って乗るならば、性能の割にとても安い車です。
そして安楽に目的地にたどり着くことが一番大事なら、これほど忌避すべき車もありません(笑)
- 満足している点
- ・スタイリング……個人的にはサイドにもう少し丸みがあればとも思うが、5ナンバーきっちり
に収めるためだったと考えられる。機能美を追求したとも言えるだろう。
・動力性能 ……前述の通り250psは出ておらず、素直なターボフィーリングと相まって
高性能な印象は薄い。しかし、中回転を多用すれば周囲の車を簡単に引き離す事も可能。
ステージを選ばずに速いのが美点だが、高速はややナーバスで、逆に性格上峠ではめっぽう強い。
・ハンドリング……FRとしては前後重量配分は必ずしも良くないが、軽いこともあり、フロント
は速すぎず遅すぎず狙ったとおりにスッと入っていく。思ったとおりに頭が入ることもあり、
心地よい。
・小ささ ……とにかくコンパクトなので扱いやすい。最小回転半径も小さいので、狭い道
でももてあまさず、都市部の路地あるいは山間部の隘路も余裕でこなす。
・軽い ……運転していて、今の車と比較して明らかな軽さを感じる。操縦性能や運転の
楽しさに軽さが直結することを痛感させてくれる。
・安い ……今となっては関係ないが、その割り切った作りゆえに新車でも安かった。
若者が背伸びすれば何とか持てるスポーツカーであった。
- 不満な点
- いろいろあると思います(笑)主なものに留めます、きりがないので。
・イメージの悪さ ……反則的なまでに下品なエアロをつけている車が多いせいで、悪い意味の
「走り屋」だと思われる。まあ、一般的にスポーツカー乗りに対する逆風は年々強く、シルビア
に乗っていることはあまり良くは思われない。
・乗り心地の極悪さ ……助手席や後席から異音が出ても(?)仕方がない極悪の乗り心地。もち
ろん車の性格は違うが、最新型のロードスターなどと乗り比べると圧倒的にしなやかさが足りず
これこそ20世紀型の足回りであったと痛感する。
・エンジンのがさつさ……音が、ねえ。SR20DETエンジンは、SD(振動)20だとか
掃除機だとか揶揄される始末。回してもエモーショナルな感じは皆無。シルビアは「声が悪い
美人」と称されるのも、そのエンジンゆえ。
・低回転のトルクの薄さ……欠点とまでは言えないが、街中ではややストレスに。
・後輪タイヤの減り ……運転にもよりますが、後輪タイヤの減りは早いです。
・内装 ……プラスチッキーな安そうな内装。傷が簡単に付いて残る。ドリンク
ホルダーの位置が悪く、ペットボトルを置くとシフトチェンジ時に邪魔になる。
・年中バトリング(?)……同じスポーツカーはもとより、ミニバン系も含めやんちゃな方々の
ハートを刺激するようで……。ドライビング能力と冷静さ(忍耐力?)の両方が運転手に要求される。
注意すべきはシルビアは以前「事故死率ナンバー1」という不名誉な称号を受けたことが
あること。今のFRは大概横滑り防止機構が付いていますが、それが付いていないため、
FRに全く乗ったことがない方が例えば雨の高速を飛ばしたりするのは危険です。
高性能タイヤを履いていても雨の高速では後輪がズリズリいいます。タイヤの減りも早いので、
溝が浅くなっていたらなお危険です。FFに慣れたドライバーがオーナーとなったら、
そこは十分気をつけるべきところでしょう。
- デザイン
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- 走行性能
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