性能に不満があろうはずがないが…
仕事で運転する機会のある車です。(当然私はオーナーではありません(笑)
短所の欄にいろいろと書きましたが、何と言っ
2009.9.22
- 総評
- 性能に不満があろうはずがないが…
仕事で運転する機会のある車です。(当然私はオーナーではありません(笑)
短所の欄にいろいろと書きましたが、何と言っても日産の最高級車なので、別に車を使用する上での致命的な欠点ではなく、いわば粗探しです。
それにこの車は一般人がオーナーとして乗る車ではないので、多少の長所・短所があっても大勢に影響はないでしょう。
この車の問題はハード面でなく、ソフト面にあります。
日産のショーファードリブンといえば、天皇陛下の御料車だった日産プリンスロイヤルが思い浮かびますが、日産は老朽化を理由としてプリンスロイヤルのメンテナンスの継続を断り、後継モデルの開発も行いませんでした。
結局新御料車はトヨタがセンチュリーをベースで開発した「センチュリーロイヤル」となりましたが、このことは日産にとって有形無形のきわめて大きな損失です。
おそらく開発コスト的に採算が取れないので断ったのでしょうが、それなら新御料車をベースとしてプレジデントを開発し、それを世界的に販売すれば多少なりとも開発費を回収でき、なおかつプレジデントが御料車直系の車であるという、他の車が絶対に追随できないブランド性を得ることができたのにと思うと大変残念です。
御料車を開発するというのはどのメーカーでも出来ることではありません。日産はプリンスロイヤル納車以降40年近い御料車に対する歴史とノウハウを持っていたのに、それをあっさり捨ててしまいました。
こういった点にルノーの子会社になってしまった日産の悲哀を感じます。フランスのような革命で王制を打倒した国の人間には、皇室・王室を戴くことの重みは理解できないのでしょう。
日産が日本の会社だったらこんな不敬な、こんなもったいないことは絶対にしなかったはずです。
自動車メーカーには採算を度外視してもやらなければいけないことがあるはずです。GT-Rも大事ですが、御料車はそれ以上に大事です。
取り返しのつかないことをしてしまった日産には、怒りというか深い落胆を感じます。今後二度と日産が御料車を開発することはないでしょう。
またプレジデントも次期型があるかどうかわかりませんし、あったとしても今度はフーガ辺りをベースとした貫禄のない車になりそうな予感がしてなりません。
日産が御料車を開発していればこんなことにもならないのに…と思うと大変悔やまれます。
- 満足している点
- ・希少価値がある
この車の販売台数は年間数百台と、下手な輸入車よりも希少です。人と違った車に乗りたいという方には最適でしょう。
・大柄なわりに取り回しが良い
全長5,060mm・全幅1,845mmと大柄なボディサイズですが、車両感覚が掴みやすく狭い道でも比較的安心して入っていく事が出来ますし、最小回転半径は5.3mとサイズの割には非常に小回りが利くので、思いのほか取り回しがいいです。
(ちなみに私のスイフトの最小回転半径は5.2m(笑)
全幅が広過ぎないので、一般的な駐車スペースにもきちんと収める事ができます。
また、この車のヘッドライトは「アクティブAFS」というハンドルを切った方向に連動するライトが装備されていますが、照射範囲が広くて明るいので狭い夜道や交差点でも安心です。ウインカーが点灯している時に同時点灯するコーナーリングランプよりも圧倒的に有効です。
・滑らかでありながらみなぎるようなエンジンパワー
この車のエンジンはシーマと同じV型8気筒のVK45DE型で、パワーは現代の水準としてはごく普通の280PSですが、1.9トン近い車重をものともしないパワフルな走りです。アクセルをひと踏みすれば高い静粛性を保ったまま強烈な加速を体感できます。
ちなみにエンジン形式こそシーマと同一ですが、乗り比べてみるとエンジンフィールはプレジデントの方が滑らかなように感じられますし、車内騒音についてはプレジデントの方が明らかに静かです。
(遮音材の量はプレジデントの方が多いそうです。)
- 不満な点
- ・高級車としてのオーラのなさ
初代プレジデントは当時のセドリックなどオーナーカーとは一線画すボディサイズ・排気量・価格など、いかにも政治家や企業経営者向けの特別な車という印象でした。
しかし時代の流れや日産の経営危機等の影響で、先代はインフィニティQ45がベース、現行型はシーマがベースとだんだんとランクダウンしていきました。
ライバルのトヨタセンチュリーはレクサスやクラウンとは一線を画す「雲の上カー」ですが、現行プレジデントはあくまでも一般の人が乗る車の延長線上の車という印象です。
パッと見のシルエットはシーマと変わらず、センチュリーのような特別感がありません。
・ブレーキが効かない
上記の通り加速性能は申し分ないのですが、ブレーキの効きは不満です。調子に乗って加速を楽しんでいていざブレーキとなると、重い車重とあいまってなかなか止まらず怖い思いをします。
更に踏み込んでいけばよいのかもしれませんが、現代の車としては異例にサスペンションセッティングが柔らかい(というよりフワフワと言う方が近い)ため、強いGがかかるブレーキでの姿勢変化(ノーズダイブ)が大きく、踏むのが躊躇われます。
ショーファードリブンは脚が柔らかくないといけないというのは、ひと昔前の常識だと思うのですが…
・どこか雑なエンジンフィール
絶対的なエンジンフィールは滑らかなのですが、センチュリー、クラウン、レクサスなどトヨタ各車に比べるとどこかラフです。日産の最高級車というにはちょっとレベルが低いです。 ついでに言うと、シーマはもっとラフで、静かで滑らかなトヨタ各車に比べるとちょっとがっかりします。
・そもそも、今この車の需要があるのか?
昔のプレジデントといえば、トヨタセンチュリーと並んでショーファードリブンの双璧として、政治家や企業経営者のための車でしたが、日産グループの系列解体や、政治家や行政機関がハイブリッドカーやミニバンを使用するようになり、現行型はきわめてマイナーな存在になってしまったように思います。
センチュリーは依然として一定の需要がありますが、プレジデントはもうあまり需要もないのに惰性だけで販売されているようなら、もういっそのこと生産中止にしてしまっては?と思ってしまいますね。
- デザイン
-
-
- 走行性能
-
-
- 乗り心地
-
-
- 積載性
-
-
- 燃費
-
-
- 価格
-
-
- 故障経験