日産 キックス e-POWER 「第2世代e-POWERを使い倒す！」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

第2世代e-POWERを使い倒す！

2022.11.21

年式

2020年6月〜モデル

総評

「上質で高級な都市型クロスオーバーSUV」みたいな存在を求めている人にはあまり向かない車だが、「SUVとしてとにかくガンガン使い倒したい」と考えるのであれば、2WD車の積載性と価格の安さ、そしてe-POWERのパワフルさは向いている。4WD車の荷室の狭さはちょっと考えものだが、「後席は常に倒しておく」というような使い方をするなら、まぁなんとかなるだろう。

満足している点

第2世代e-POWERならではの力感あふれる走りはこのSUVの大きな魅力。また2WD車は積載性能も十分なため、実用的なSUVとしてガンガン使い倒すことができる。さらには「プロパイロット標準装備」というのも、長距離を走ることも多いはずのSUVユーザーとしてはありがたい。

不満な点

新たに追加された4WD車はさすがに荷室が狭い。また旧世代の新興国向けプラットフォームを使っているため、新世代プラットフォームを使っているその他の最近の日産車と比べると、乗り心地などには正直粗さを感じる部分もある。

デザイン

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2022年7月にマイナーチェンジを実施。外観デザインに変更はないが、センターコンソールとシフトレバーのデザインを変更し、従来型よりも“今どきっぽい内装”にプチ変身。またツートーンインテリアエディションは、従来のやや派手なオレンジタンに加えて、落ち着いたベージュを追加している。新設定されたグレード「スタイルエディション」は、リアコンビランプ一体型フィニッシャーやダーククローム調のグリルフィニッシャーを取り入れたうえで、内装には落ち着きのある深いブラウン基調を採用している。

走行性能

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今回のマイナーチェンジでe-POWER第2世代のものに変更。発電用の1.2L直3エンジンは82psに、駆動用モーターの出力は136psにそれぞれ強化された。低速走行時のエンジン始動頻度低減により、静粛性も以前の世代と比べれば向上している。また今回のマイナーチェンジで追加された待望の4WDモデルは、リアにも最高出力68psのモーターを搭載する。先代世代にあたるプラットフォームを採用しているため、総じて剛性感にはやや欠けるが、直進安定性は悪くなく、e-POWERならではのパワフルさも好印象ではある。

乗り心地

3

前述した先代世代にあたる「Vプラットフォーム」を採用している関係で、キックスの乗り心地は決して「極上！」というニュアンスではなく、今回追加された4WDモデルは突き上げ感もやや強い印象。とはいえ「ものすごく乗り心地が悪い」というわけでは決してないため、気にならない人は、さほど気にならないはず。

積載性

3

従来からある2WDのキックスは積載性良好なクロスオーバーSUVだが、4WDのそれは荷室が狭い。というか荷室床面がずいぶん高くなってしまったため、荷室容量は2WD車より147Lも少ない276Lになっている。

燃費

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第2世代e-POWERの採用により、2WD車のWLTCモード燃費は約6.4％向上して23.0km/Lに。一方の4WD車のWLTCモード燃費は19.2km/L。これは競合となるホンダ ヴェゼルe:HEV 4WDの22.0km/Lよりもいくぶん劣る数値だ。

価格

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価格は、2WDの「X ツートーンインテリアエディション」が290万8400円で、4WDの「X FOURツートーンインテリアエディション」が317万1300円。日産自慢の「プロパイロット」はオプションではなく全車標準装備なので、このプライスは「なかなかリーズナブル」と言えるだろう。