三菱 デリカD:5 「これはやっぱり「フルモデルチェンジ」している!」のユーザーレビュー

TAN TANさん

三菱 デリカD:5

グレード:Gパワーパッケージ_8人乗り_4WD(AT_2.3) 2020年式

乗車形式:レンタカー

評価

5

走行性能
5
乗り心地
4
燃費
5
デザイン
4
積載性
5
価格
4

これはやっぱり「フルモデルチェンジ」している!

2022.3.21

総評
 新型が出た時は、カタログ上のスペックもほとんど変わらず、それでいて見た目は押し出しの強い流行りのミニバン顔になってしまったことから、「今乗っている旧顔デリカD:5を大事に乗ろう」と思ったのですが、いざ新型を試乗してみると、その中身の進化は劇的で、自分のデリカが一世代どころか二世代・三世代前ぐらいの古臭いモデルに感じられてしまうほどでした。
 あれほど嫌だったエクステリアデザインも、見慣れてくると「これはこれでアリ」というふうに思うようになり、新型へ乗り換えたいと思う気持ちが強くなってきました。
満足している点
 エンジン・ミッションの進化がすさまじく、まったく別のクルマに乗っているように感じられるほど。新型デリカは見た目の変化以上に、中身の変化(進化)が著しいように思います。特にアイシン製8ATは非常に良い仕事をしてくれます。

 装備で特に良いなと思ったのが、レーダークルーズコントロール、ホールド機能付き電動パーキングブレーキ、全席オートのパワーウィンドウ、車速連動式ドアロック、ステアリングヒーター、オートハイビームなど。
不満な点
 メカ的な部分やデザイン面では大きな不満はありません。しいてあげるなら、

●LEDヘッドライトがやや暗く感じるうえ、雪道走行で雪が付着しやすい。
●オフ位置のないヘッドライト
●雨滴感知式オートワイパー
●自動ブレーキの誤作動
●アプローチアングルが減少したフロントオーバーハング
●スペアタイヤの廃止

などぐらいでしょうか。
デザイン

4

 外観については、この形が出てきた時は酷評されまくっていて、私自身も「これはないワ」と思っていましたが、見慣れてくると「これもカッコイイかも」と思えるようになりました。

 ただ、機能の面ではちょっと問題もあるように感じられました。
 新型デリカD:5の最も大きなアイコンのひとつとなっているのが、タテ目のLEDヘッドライトです。見た目には大きくてギラギラしており、さぞや明るく夜道を照らしてくれるのだろうと期待していたのですが、実際の明るさはそれほどでもありませんでした。旧型のHIDヘッドライトと同程度か、あるいはそれ以下ぐらいのように感じました。
 LEDの特徴でもありますが、光の境目がクッキリとしており、光が当たっている場所とそうでない場所の明暗差が大きくなっています。そのため、暗い部分がより一層暗く感じられてしまいます。

 また、LEDフォグライトも配光がいまひとつで、車両の直前部分しか照らしてくれません。左右への広がりはそれなりにありますが、前後方向はかなり手前側となっています。そのため、運転席から見るとフォグランプの照らしている範囲はボンネットに隠れた死角部分だけになっていて、あまり意味がないように思いました。
 確かにフォグランプはそういう配光のものだということは知っていますが、それにしてもこの設定はちょっと極端過ぎるのではないでしょうか? 

 そして、ライト関連の残念ポイントとして、旧型には標準装備されていたコーナリングランプがなくなってしまったことも、大きなマイナス点であると言えます。

 また、降雪時にライト周りに着雪しやすいのも問題ありと考えます。
 LEDヘッドライトはライト表面への発熱がほとんどなく、そのため、雪が付き放題となってしまいます。実際に雪の降る中を走りましたが、湿り気のある雪が付着し、そのまま放置して走り続けると外気温の低さと走行風で冷やされ、ガチガチに凍ってしまいました。凍り付いた雪を取り除くのは大変で、かなりこまめに雪を取り除いてやらなければならないとなりません。また、フォグランプとフロントウインカーも少しくぼんで奥まった位置にあるため、ここも雪が溜まりやすくなっています。
 コストの面から、LEDヘッドライト装着車がかなり増えてきましたが、そろそろ、寒冷地仕様車などには降雪時におけるライト周りへの着雪防止装置を導入していただきたいものです。

 また、新型D:5ではフロント回りのボリュームが大きく増しました。旧型ではバンパー下のオーバーハング部分が大きく切り上げられて、オフロード走行時にボディをヒットしにくくするようなデザインとなっていましたが、新型では歩行者衝突時の車両下部への巻き込み防止のため、これがだいぶ下げられてしまいました。
 安全性は高まったのかもしれませんが、オフロードや雪道走行では、旧型と比較すると、簡単にバンパーをぶつけてしまいそうな気がします。これがどうしても気になるようなら、リフトアップをしてバンパーと地面の距離を開けてやる必要がありそうです。


 一方、インテリアのデザインですが、こちらはかなり質感がアップしていると思いました。
 旧型の絶壁インパネは、とにかく質感の低さが顕著でした。デザイン自体は良いとしても、プラスチック感丸出し、継ぎ目のチリも全く合っていない、ダイヤル式の空調スイッチ類の安っぽさなど、およそ400万円もするクルマとは思えないものでした。
 それが新型ではようやく価格相応のクオリティを得ました。デリカのキャラクターとはちょっと路線が違うような気もしますが、高級感・質感の高さはあります。ピアノブラックに木目調パネル、ソフトパッド、合皮、カーボン風パネルなど、あれもこれもと盛り込んでいるのは、ちょっと統一感がないようにも思いますが。

 見た目自体は新しいデザインとなって高級感の高まったインパネ周りですが、シフトレバー周囲の左右方向への張り出しが大きく、解放感は旧型よりも低下してしまったように感じられました。窮屈とまではいいませんが、旧型のインパネと比べるとやはり太ももまわりの圧迫感は多少増えていることは否めません。
 個人的には、かつての愛車でもあるスペースギアのインパネのように足元部分は大きく開いているようなデザインのほうが、解放感があって良いと思っています。また、このタイプでしたらサイドウォークスルーも可能になるので、実用性の面でも有利になります。
 シフトレバーや4WD切り替えダイヤル、電動パーキングブレーキのスイッチの大きさや配置を工夫すれば、こんなに大きなインパネにしなくても済むでしょう。おそらく、見た目の高級感を演出して大型のインパネを採用したのだと思いますが、オフロードミニバンというデリカのキャラクターには、もっとシンプルで実用性の高いデザインのほうがマッチすると思いますし、むしろその魅力が一層引き立てられると思うのですが、いかがでしょうか。
走行性能

5

 とにかく「音静か、振動少ない、回転スムーズ」と、その進歩は一足飛びに2世代3世代ぐらい進化したような印象。新型が乗用車だとすると、私の乗る旧型はもはやトラックです。ただし、マツダやヨーロッパ製のディーゼルと比べると、まだディーゼルらしさは残っていると言えます。旧型デリカがうるさ過ぎたと言えるのかもしれません。

 新型はパワステが電動化されて、狭い場所での取り回しも非常に軽くステアリング操作できるようになりました。しかも、ただ軽いだけで手ごたえが全くないようなフィールではなく、適度な反力があるので上質さも感じられるものになっています。
 走行中は路面のギャップやわだちにステアリングを取られることがなく、キックバックが非常に少なくなっています。これにより、荒れた路面のコーナーでも、ステアリングを一定に保持しやすくなっていて、安定感も高くなっているように感じました。
 ただその一方で、キックバックの少なさゆえか、路面からのインフォメーションがやや希薄であるようにも感じられました。ステアリングを切っていった時の出力側の感触は良いのですが、路面から入力される情報量は、油圧制御をしていた旧型のほうがむしろ豊富だったように思います。
 このあたりはある程度、相反する部分なのかもしれませんが、作りようによっては、どっしりとした安定感を持たせつつも濃厚なステアリングインフォメーションを持つクルマというのはいくらでもありますので(例えば以前の奥さんの愛車だったVWポロなど)、デリカももう少し頑張ってくれると満点をあげられるように思います。 


 さらに、個人的に新型で最も羨ましいなと感じたのが、アイシン製の8速ATです。
 シフトショックが非常に小さく、変速がスムーズであることはもちろん、ロックアップ領域も大幅に広がり、新型エンジンのトルクを余すことなく路面に伝えてくれます。
 旧型のジャトコ製6ATはなかなかロックアップせず、常にATがスリップしているようなフィールでした。せっかくロックアップしたあとでも、ちょっと加速したいと思ってアクセルを軽く踏むとすぐにロックアップを外して回転を高めようとします。
 この特性だと、「ロックアップで巡行→多少速度を上げようとしてアクセルを少し踏む→ロックアップが外れてエンジン回転が上昇→エンジン回転が上昇するだけで速度は上がらない→やむなくさらにアクセルを踏み足す」というプロセスに陥りがちでした。
 もともとトルクはたっぷりとあるディーゼルエンジンですから、ロックアップしたままの低回転からでも十分に加速してくれます。それなのにわざわざロックアップを外してしまうものだから、アクセルを踏んで増量した燃料を、エンジン回転を上げるために使ってしまい、加速は一向にしないという、なんだか本末転倒な状況に陥りがちでした。

 それが新型の8ATは、今時のトルコンATらしく、なるべくロックアップを維持しようとするセッティングになっています。ロックアップ領域の拡大は主に燃費向上が目的と言われていますが、エンジンの力をダイレクトに路面に伝えてくれるので、ドライバビリティの面でもかなり有利になると思います。
 というように、アイシンのATはとにかくデキが良いのですが、ひとつだけ気になるところがあります。それが、シフトアップのタイミングが若干遅いところです。
 普通に走っていても、シフトアップのポイントはだいたい2000回転を少し越えたぐらいのところになるのですが、これがもう少し低くても良いのではないかなと感じました
乗り心地

4

 新型では足回りも見直されています。
 新旧で基本的なサスペンション形式に大きな違いはないようですが、リヤのダンパーを大径化したり、フロント周りのボディ剛性を強化するなどして、乗り心地はかなり上質で重厚さが増しています。
 具体的には、旧型では大きなギャップなどを越えた際に、ドタバタと暴れるような挙動を示すことがありますが、新型では同様の場面でもしっとりといなして、ボディの上下動を最小限にとどめてくれます。
 また、左右のロールも、旧型のようにグラッと大きく傾くことが少なくなっています。もちろん、絶対的な車高はあるので、セダンやSUVとくらべてロールが出やすいのは否めません。しかし、旧型よりもロールスピードが抑えられていて、安定感が大きく向上しているように感じられました(旧型のロールしやすい特性を逆手にとって、大胆に荷重移動を使いながらコーナーを抜けていく走り方も楽しいのですが)。
積載性

5

 積載性は以前のデリカと全く同じです。ただ、自分のデリカはサードシートを外してベッドキットを乗せているので、それと比べるとやはり狭く感じてしまいます。

 細かい点ですが、ちょっと気になったのが、テールゲートを閉める際のボタン操作です。
 旧型の電動テールゲートは、ゲート下に付いているボタンをワンタッチするだけで閉めることができました。ところが新型では、このスイッチを軽く押しただけではウンともスンともいいません。ちょっと長めに押し続けて、ようやく閉まり始めます。
 新しいデリカでは、テールゲートのスイッチを二度押しすると、ゲートが閉まると同時に施錠もできるという機能が搭載されています。もしかするとその都合で、やや長押しを要するような設定に変わったのかもしれません。
 些細な部分ではありますが、旧型オーナーからするとちょっと違和感を覚える部分でもあります。正直なところ、施錠機能などいらないから、ワンタッチで閉まってくれるほうが便利でした。
カタログでは「閉まるのを待たずに車を離れることができます」と書いてありますが、いやいや、何かのはずみでちゃんと閉まらない(荷物に当たって反転する)こともあり得るのだから、普通は閉じ切るまでしっかり見届けるでしょう。ちゃんと閉まったかどうか分からないままクルマを離れるなんて、とても私にはできません。
燃費

5

 カタログ上は旧型が13.0km/lであるのに対し、新型は13.6km/l(いずれもJC08モード燃費)。数字上は旧型に対して4%増しと、「少し燃費が良くなっているものの、そんなに違いはないのかな」という印象を受けます。
 ところが、実際に走ってみるとカタログから受ける印象とは全く違うことに気付きます。

 とにかく、「めちゃめちゃ燃費がイイ!」のです。

 旧型ディーゼルはざっくりいうと「市街地9km/l、遠乗り12km/l、高速14km/l」という感じなのですが、新型はこれよりも3~4km/l程度良い燃費を叩き出してくれます(旧型に対して30%程度増し)。高速でエコドライブをすれば20km/lを超えることも可能です(実際、20.8km/l出ました)。
 また、走行可能距離の表示ですが、旧型では1000キロを超えることはまずありません。頑張って800~900キロがせいぜいでしょうか。ところが新型では、わりと簡単にこの表示が1000キロを超えてきます。

 というように、旧型と比べると3割ほども実燃費が良くなっているので、誰でも明らかに体感できるレベルで燃費向上しています。
価格

4

今年の一月に車検を迎えた我がデリカ。当然乗り換えも視野にディーラーで見積もりをもらっていました。
グレードはGパワーパッケージで、11インチナビ、フロアマット、バイザー、電動サイドステップレスOP、延長保証、メンテナンスパック等を付けて、値引き含め485万円でした。

買っても良かったかな・・・。
故障経験
レンタカーのため特になし

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