ホンダ技研の本田宗一郎最高顧問以降の歴代社長の中で一番優秀だったのは誰だと思いますか？ 私はライン工とした入社した昭和49年にお会いした河島喜好氏だと思います。

Question

柔和な表情の中にも鋭さを感じました。
またカリスマ性があったと思います。

#カリスマ

Answer 1

優秀な社長かどうかは
経営の手腕だと思います。
4代目の川本氏でしょう。

本田宗一郎から続いてきた、いわゆるホンダらしさが
良くも悪くも時代を読めなくなってしまった。

世の中は大きく変わり
スポーツタイプの車は売れなくなり
セダンやコンパクトカーも売れなくなり

世の中は車というモノの性能だけではなく、
車で何をしたいか、
車を使ってどんなコトを楽しみたいか、
モノからコトへ変化し、
アウトドアブーム、RVブームが始まってしまった。

三菱のパジェロ、
トヨタのハイラックスサーフ
日産のテラノ
こういう車が飛ぶように売れていたのに
ホンダには何もなかった。
売れなくなっていくアコードやシビックを眺めているしかなかった。

同じ頃、ホンダはイギリスのローバーと提携し
ランドローバーディスカバリーをホンダOEMで
クロスロードとして販売したのも川本氏の時代でした。
他にアメリカのクライスラーからも
チェロキーをホンダのエンブレムで販売してましたね。
ISUZUからもビックホーンというRVの供給を受けて
ホライズンという名前でホンダディーラーで正式に売ってましたね。
とにかく売れる車がないので
手当たり次第でした。
ホンダにはRVブームに応える車が１つもなかったのですから。
他社から供給を受けて世の中の変化を勉強していたと言われています。
これは本田宗一郎の人生にもありました。
戦後の間もないころに時代の変化が分からないので
当時ピストンリング製造の東海精機という会社の社長だった宗一郎は
株をすべて売って
一年間遊んで暮らしたといっています。
その結果、発明されたのが
自転車にエンジンを搭載し、
後のスーパーカブの原形となった、ホンダA型です。

本田宗一郎はF1レースの場面でも
負けるときは負け惜しみなど言わずに
負けを正面から受け止めて
何がいけないのか
なにが足りないのかを実直に分析するべきという考えでしたが
川本氏はまさに、それを行っていましたね。

足りないものを自覚し
負けを認め、
他社から供給を受けてまで
一から学んだのです。

その結果、発売されたのが
初代オデッセイ。
まさにRVブームに沿った車だっただけでなく、
RVブームを全部ひっくり返して
トップに立つまでの車でした。

その後、初代ステップワゴン、
そしてCR-Vと立て続けに大ヒットさせて

まさしく、ホンダを建て直したのが川本氏。
当時、業績を急激に落としていたホンダは
倒産するのではないかというほどで
メインバンクの三菱銀行からは
三菱との合併を促されたりしていたそうです。


しかし川本氏はV字回復で建て直した。
しかしこのときにホンダスピリッツが失われたと言う人もいますが個人的にはそうは思いません。

本田宗一郎氏は
ホンダはこうあるべきといったような遺言を
一言も残さずに去り、
オマエたちの好きにやれ、
と言っていたからです。

本田宗一郎が相談役になってから、
実際に相談にきた重役たちには
オマエたちがオレに相談したらオレが社長ってことじゃないか！
オマエたちが決めろ！といって帰したと言いますから

川本氏はまさしく
ホンダスピリッツで社長業を全うした、
歴代一の優秀な経営者だったと思います。



ちなみにですが、
チェロキーをホンダでも販売していたときに
アメ車ですから不具合が多く、
ホンダディーラーに数多くの改善点が寄せられたそうです。
それを分析してクライスラーへ進言した結果

本国アメリカで、
チェロキーの品質がものすごく向上して
クライスラーに大変、横ばれたという逸話があります。