2015年11月
■2015年11月
BMWはミニの新型車であるクラブマンを2015年11月7日に発売した。
新型クラブマンは従来のミニとは一線を画すモデルで、従来のモデルがスモールクラスに位置するのに対し、ひと回り大きなコンパクトクラスに位置するクルマである。ボディサイズは4270mm×1800mm×1470mmで、ホイールベースも2670mmと、いずれもミニの3ドアや5ドアに比べてひと回り大きい。従来のモデルとの比較でも全長が290mm、全幅が115mm大きくなっている。
外観デザインはミニのアイコンともいえる丸型のヘッドライトや六角形のフロントグリルを採用してミニらしさを表現した。同時に、横型のテールランプなど、全幅が拡大したことによるゆとりを表現したデザインが採用され、随所にクロームメッキを配することで質感を高めている。
ボディタイプは従来のクラブマンが左右に1:2ドアを配置した非対称のボディとしていたが、今回のモデルでは左右に2枚ずつのドアを配置した上で、従来のモデルと同様に後部に観音開きのドアを設けている。
インテリアは円をモチーフにしたミニらしいデザインを採用するとともに、メッキリングなどによって質感を高めている。ボディやホイールベースの拡大で、後席には余裕の空間が確保されている。
搭載エンジンは2機種。クーパーに搭載されるのは直列3気筒1.5リッターのDOHCターボ仕様で、100kW(136ps)/220N・mを発生し、電子制御6速ATと組み合わされる。クーパーSには直列4気筒2.0リッターのDOHCターボ仕様が搭載され、141kW(192ps)/280N・mを発生して電子制御8速ATと組み合わされる。ミニとしては初の8速ATだ。
全車にスタート・ストップ機能が採用されて低燃費を実現し、両モデルともエコカー減税の適用が受けられる。
快適装備はカーナビやETC車載器付き自動防眩ルームミラー、2ゾーンフルオートエアコン、17インチアロイホイールなど、充実した仕様が用意される。両手がふさがっているときに軽く足を差し出すだけでリヤのスプリットドアがひとつずつ開く、イージーオープナー機能も備えている。
安全装備に関しても、先進の安全装備の前車接近警告機能、衝突回避・被害軽減ブレーキ、ヘッドアップ・ディスプレイ、パーキング・アシストなどが採用されている。
■2016年4月
BMWはMINIクラブマンのエントリーモデルとなるMINI ONEクラブマンを設定、さらにMINIクラブマン初の4輪駆動モデルとなるMINIクーパーSクラブマンALL4を設定して2016年4月18日に発売した。
追加されるMINI ONE クラブマンは1.5リッター3気筒ツインパワーターボエンジンを搭載するMINI ONEクラブマンのエントリーモデル。シリーズではもっともリーズナブルなモデルとなるが、8エアバッグ、4輪ディスクブレーキなどの安全装備に加え、オートライト、レインセンサー、ヒーテッドドアミラー、USBオーディオインターフェースなどの快適装備も標準となる。高効率の3気筒ターボエンジンと電子制御6速ATの組み合わせによりJC08モード燃費は17.2㎞/Lを実現し、エコカー減税対象モデルとなっている。
MINIクーパーSクラブマンALL4は既存のMINIクーパーSクラブマンをベースとした4輪駆動モデル。フルタイム式で制御が行われる「MINI ALL4」はファイナルドライブに直接取り付けられた電子制御油圧式ディファレンシャルにより、前後アクスル間の駆動力配分を前100:後0から、前0:後100の状態まで無段階に配分することができる。
搭載される2.0リッター4気筒ツインパワーターボに電子制御8速ATの組み合わせはクーパーSクラブマンと変わらず。14.9㎞/LのJC08モード燃費により、こちらもエコカー減税の対象モデルとなっている。
2016年4月19日にはクリーンディーゼルエンジン搭載モデルを設定して販売を開始した。
MINIクラブマンは個性あふれるデザインと高い機能性を融合させたシューティングブレーク。リヤのスプリットドアを継承しつつ、2015年にBMW製として2代目に進化した。高い機能性と十分なスペースが与えられ、ファッション性にもすぐれるモデル。これまではガソリン車のみだったが、今回はクラブマン以外にMINI3ドア、MINI5ドアにもクリーンディーゼルが搭載された。
搭載されるエンジンは2タイプの2.0リッターのクリーンディーゼル。両ユニットともコモンレールダイレクトインジェクション、可変ジオメトリーターボの採用は共通で、すぐれたレスポンス、低回転域から力強いトルクを発揮する。クーパーDクラブマンは最高出力110kW(150ps)、最大トルク330Nmの性能を確保し、電子制御8速ATとの組み合わせによりJC08モード燃費で22.0km/Lの経済性を確保。DPF、Nox吸蔵還元触媒などにより、ポスト新長期規制をクリアする。
クーパーSDクラブマンには最高出力140kW(190ps)、最大トルク400Nmのツインパワーターボディーゼルが搭載される。電子制御8速ATとの組み合わせによりJC08モード燃費は22.7km/Lの経済性を実現。DPF(粒子状物質除去フィルター)、Nox吸蔵還元触媒などを採用することで、ポスト新長期規制に対応している。
両ユニットはすぐれた環境性能により取得税および重量税は免税となり、自動車税についても75%減税が適用される。
■2017年1月
BMWは、ワゴンボディの「ミニクラブマン」に、「ジョン・クーパー・ワークス・クラブマン」を追加して、2017年1月25日より販売を開始した。
「ミニジョンクーパーワークスクラブマン」は、ミニシリーズのハイパフォーマンスモデル。搭載される2.0リッター4気筒エンジンは、バルブトロニック、高精度ダイレクトインジェクション、ツインパワーターボテクノロジーなどにより、最高出力170kW(231ps)、最大トルク350Nmを発生し、8速ATと専用にチューニングされたサスペンション、さらにコーナリング時のトラクションとハンドリングを向上させるエレクトロニックディファレンシャルロックコントロール(EDLC)、ダイナミックスタビリティコントロール(DSC)を標準装備。ミニ独自の4輪駆動システム「ALL4(オールフォー)」が組み合わされている。
エクステリアは専用デザインのエアロダイナミックキットを標準装備し、ブレンボ社製の赤く塗装された4ピストンブレーキキャリパーとジョンクーパーワークスのロゴが刻印されたサイドスカットル、専用デザインの2トーンの19インチアルミホイールを装着。
インテリアは赤のステッチと表面のクロスデザインが印象的なダイナミカレザーコンビレーションスポーツシート、パドルシフト付きスポーツステアリングを標準装備。さらに専用のドアシル、ステンレス仕上げの各ペダルとドライバー用フットレスト、アンスラサイトのルーフライニングが標準で採用されている。
またジョン・クーパー・ワークスモデルでありながら、18インチアロイホイールやMINI Yoursレザーラウンジシートなどを装備して、シックで大人なイメージに仕上げた「ジョン・クーパー・ワークス・クラブマン・エクスクルーシブスタイル」も設定した。
同年4月1日には価格改定を行った。
同年10月1日には、ジョン・クーパー・ワークスの価格改定を行った。
■2017年10月
BMWは、ワゴンボディの「ミニクラブマン」に特別仕様車「クラブマン バッキンガム」を設定して、2017年10月5日に発売した。
「クラブマン バッキンガム」はONEをベースに、MINIナビゲーションシステムやMINIコネクテッド、LEDヘッドライトなど、安全・快適性を向上させる機能などを多数搭載。ボディカラーはライト・ホワイト・ソリッド、ミッドナイト・ブラック・メタリック、チリ・レッド・ソリッド、メルティング・シルバー・メタリック)の4色をラインアップした。
■2018年8月
BMWは、ワゴンボディの「ミニクラブマン」に特別仕様車「クラブマン モルトンエディション」を設定して、2018年8月22日に120台限定で発売した。
「クラブマン モルトンエディション」は「クーパーD クラブマン」をベースに、限定色であるホワイトシルバーをベースに、ルーフやインテリアをブラックでまとめ、クールかつカジュアルな印象に仕上げている。
またミニ・クラブマンのグローバルパートナーであるイタリアのファッションブランド「SLOWEAR社」とコラボレーションし、オリジナルパーツのデザインを共同開発。ボンネットとリアに装備されたオリジナルストライプは、SLOWEAR社のオリジナルパターンをベースにデザインされ、微妙なグラデーションを持たせたグレートーンに赤いラインのアクセントが施され、ボディカラーを引き立たせている。リアのストライプには、SLOWEAR社のシンボルである亀を模したタートルマークがさりげなく施され、高いデザイン性と大人のカジュアルスタイルを実現した。
Cピラーには、「MINI Clubman MOLTON Edition」のネームバッジがあしらわれれ、限定車らしい装いになっている。バッジは、上品な質感をもたらすサンドブラッシュ加工を施したブラックのプレートに、ブラックメタリックの文字が輝くスタイリッシュなデザインとなっている。
安全性では、アクティブクルーズコントロールや前車接近警告機能、衝突回避・被害軽減ブレーキを標準装備。またナビゲーションシステムは、タッチパネル機能と共に手元でも操作可能なMINIコントローラーを装備した。さらにリアビュ・カメラやパークディスタンスコントロール(リア)、LEDデイライトリング、LEDヘッドライト、LEDフロントフォグランプなどを特別装備して、安全装備を充実させた。
なお車名の「モルトン」は、ロンドンのメイフェア地区に位置するサウスモルトンストリートに由来。サウスモルトンストリートは18世紀ごろに建設され、クラシックな建築と上質なファッションブティック、ギャラリーなどが軒を連ねるオシャレで個性的なショッピングストリート。今回のコラボレーション企業であるSLOWEAR社がロンドン1号店を出店した場所がサウスモルトンストリートであることが、名前の由来となっている。
■2019年5月
BMWは、ワゴンボディの「ミニクラブマン」に特別仕様車「ブルーノートトーキョーエディション」を設定して、2019年5月22日に発売した。
「ブルーノートトーキョーエディション」は「クーパーD クラブマン」をベースに、日本のジャズの聖地「Blue Note Tokyo(ブルーノートトーキョー)」とコラボレーションして、「ジャズ」をテーマに細部にまでこだわった限定車。エクステリアは、人気の「ミッドナイト・ブラック・メタリック」と限定色「ホワイト・シルバー・メタリック」をボディカラーにラインナップして、それぞれジャズを代表する楽器をコンセプトに開発された。また専用サイド・スカットルは「MINI Blue Note Tokyo」のロゴを入れたオリジナルデザインを採用し、Cピラーにもロゴ入りのブルーの専用エンブレムを装備した。
インテリアは、ブルーノートトーキョーの空間をイメージして、全体をブラックで統一。シートはレザレット・シート カーボン・ブラック、ヘッドライニング(ルーフの内張)は専用のアンスラサイトを採用した。またインテリア・サーフェスには初採用となる「MINI Yoursインテリア・スタイル ピアノ・ブラック・イルミネーテッド」を装備。LEDのイルミネーションがドア・トリムの曲線を浮かび上がらせるアクセントとなっている。
装備面は、アクティブ・クルーズ・コントロールや前車接近警告機能、衝突回避・被害軽減ブレーキを標準装備。またナビゲーション・システムは、タッチ・パネル機能と共に、手元でも操作可能なMINIコントローラーを装備し、リアビュー・カメラ、パーク・ディスタンス・コントロール(リア)、LEDデイライト・リング、LEDヘッドライト、LEDフロント・フォグ・ランプなどを特別装備した。