メルセデス・ベンツ GLCクラス 「CクラスのSUVは荷室に注意」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

工藤 貴宏
工藤 貴宏(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

3

デザイン
3
走行性能
3
乗り心地
4
積載性
4
燃費
3
価格
2

CクラスのSUVは荷室に注意

2022.6.21

年式
2016年2月〜モデル
総評
CクラスのファミリーとなるSUV。ベンツという安心感の中で、いかにもSUVらしいスタイルをもとめる人にとっては魅力的な存在だが、CクラスのファミリーにはステーションワゴンをベースにクロスオーバーSUV化した「オールテレイン」も存在するので、荷室重視の人はそちらもチェックして比較することをおすすめする。
満足している点
安定感あるスタイリングと嫌いを裏切らない乗り味、そしてラインニングコストに優れるディーゼルエンジンからガソリン、プラグインハイブリッド、そして高出力のガソリンとパワートレインが好みに応じて選べること。全長4670mm×全幅1890mmと車体サイズもかろうじて日本の道路事情で苦労しない範囲といえる。
不満な点
あくまで同じCクラスファミリー内での気になるポイントとなるが、ステーションワゴンに比べると荷室の奥行が短いことだろう。日常生活において気にする必要はないが、キャンプやウインタースポーツなど、アクティブにクルマを使う人にとっては使い勝手を大きく左右する見逃せないポイントだ。特にステーションワゴンから乗り換える人は気にしたいポイントだ。
デザイン

3

一般的なSUVスタイルの「GLC」と、リヤウインドウを大きく傾斜させて軽快なシルエットとした「GLC クーペ」の2タイプが存在する。定番を求めるなら前者だが、スタイリッシュに乗りこなしたいなら後者がおすすめだ。Bピラー(真ん中のピラー)からルーフが下降していくGLC クーペでも、意外なことに後席居住性(頭上クリアランス)はネガティブに感じるほど狭くないし、荷室容量も背もたれより高く荷物を積み上げるような使い方をしないのであれば、違いはほとんどない。
走行性能

3

現時点で用意されているパワートレーンは、直列4気筒ディーゼル、直列4気筒ガソリン、そして直列4気筒ガソリン+モーターとなるプラグインハイブリッド、さらに高性能仕様の「メルセデスAMG」専用の390psを発生するV6ガソリンターボの4種類。イチオシはディーゼル。低回転域から豊かなトルクを出すので、1.8トンオーバーあるボディでも発進加速などの力強さは十分だ。ガソリンも悪くはないが、低回転重視の味付けとしたダウンサイジングターボなので、もし官能性を求めるならV6ターボが欲しくなる。
乗り心地

4

さすがメルセデス・ベンツのFR系モデルだけあり、車体がしっかり作りこまれている。そのおかげで乗り心地も優れるが、意外なのはハイパフォーマンスモデル「メルセデスAMG GLC43 4MATIC」の乗り心地が優しいこと。走行モードを「コンフォート」に切り替えれば、電子制御で硬さを変更するダンパーのおかげで同乗する家族にも優しい快適な乗り味になる。
積載性

4

それなりのサイズを持つSUVなので積載能力は高いが、注意すべきポイントが1点。それはファミリーであるCクラスのステーションワゴンに比べると床の奥行が短いことだ。VDA式計測による後席使用時の容量はCクラスワゴンは490L、GLCは550Lと容量自体は大きいのだが、これは床の奥行で積載量を稼ぐワゴンに対してSUVのGLCは床の奥行ではなく高さで容量を稼ぐパッケージングの違いであり、実際に荷物を積む際には床面積の広いCクラスワゴンのほうが容量の数値に反して使いやすかったりする。
燃費

3

燃料代を気にするのであればディーゼルエンジン搭載の「GLC 220d 4MATIC」一択だ。4気筒ガソリンターボの「GLC 300 4MATIC」やハイブリッドの「GLC 350e 4MATIC」のWLTCモード燃費はそれぞれ10.8km/L、12.4km/Lであり、これがディーゼルの220dだと15.1km/Lまで伸びる。単に燃費がいいだけでなく、ディーゼルエンジンの燃料は高価なハイオクガソリンに比べて2割ほど単価の安い軽油なので、同じ量を給油しても支払額が少なく済む。これは大きなメリットだ。ハイパフォーマンスモデルの「メルセデスAMG GLC43 4MATIC」は燃費を気にして乗るクルマではないが、WLTCモード燃費は9.6km/Lと意外に健闘。出力あたりの燃料消費量は少ない。
価格

2

もっともベーシックなグレードでディーゼルエンジンを積む「GLC 220d 4MATIC」でも768万円と、ドイツのプレミアムブランドだけあって国産車とは比較にならないプライスを掲げている。ガソリンエンジン搭載車は863万円からで、コストパフォーマンスを考えるとディーゼル車がいい。参考までに、同じセグメントとなるBMW X3は ベーシックなディーゼルエンジン搭載車が733万円から、ガソリン車は713万円から、プラグインハイブリッドが860万円となっている。それに比べるとGLCのプライスタグは高めだ。
工藤 貴宏
工藤 貴宏
自動車ジャーナリスト
1976年生まれ。クルマ好きが高じ、大学在学中に自動車雑誌の編集部でアルバイトしたことをきっかけに、そのまま就職。そして編集プロダクションを経てフリーランスの自動車ライターに。日々新車を試乗し、日夜レポートを書く日々も気がつけば10年以上。そろそろ、家族に内緒でスポーツカーを買う癖はなんとかしないと。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
メルセデス・ベンツ GLCクラス 新型・現行モデル

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