2023年5月
■2023年5月
メルセデス・ベンツ日本は、ラグジュアリーSUV電気自動車(EV)の新型となる「EQS SUV」を2023年5月29日に発売した。
今回発売された「EQS SUV」は、すでに発売されている「EQS」と同様に、メルセデス・ベンツが長年培ってきたラグジュアリーと快適性の理想を実現したと謳うEVだ。新たにEV専用のプラットフォームを設計・開発しただけではなく、内外装に機能性とデザイン性を兼ね備えた装備をあしらっている。
エクステリアデザインは、「センシュアルピュリティ(官能的純粋)」をコンセプトに、ライトバンドでつながっている左右のヘッドライトと、ディープブラックのフロントグリルによって、EQシリーズならではのフロントフェイスを形成。デイタイムランニングライトは、EQSが 3つの光の点となっているのに対して、EQS SUVでは3つの小さな三角形となっているのが特徴。また、バックライト付きの光モジュールの表面構造も特徴だ。ブラックパネルユニットは外観上のデザインに加えて、裏側に備わる超音波センサーやカメラ、レーダーなど、運転支援システムのさまざまなセンサーのカバーとしての機能性も備えている。
インテリアデザインにもEQSと同様のモチーフでまとめられ、EQS450 4マチック SUVにオプション、EQS580 4マチック SUV スポーツに標準で設定されるMBUX ハイパースクリーンは、3枚の高精細パネル(コックピットディスプレイや有機ELメディアディスプレイ、有機EL フロントディスプレイ[助手席])とダッシュボード全体を1枚のガラスで覆うワイドスクリーンで構成。そのまわりを細いシルバーのフレームやエアアウトレットを組み込んだルーバー状のトリムなどが囲んでいる。エアアウトレットはジェットエンジンのタービンを模したデザインで、複雑な形状を持つタービンブレードは、エアコンの空気を効率よく配分する。センターコンソールの前部はダッシュボードにつながり、下側は宙に浮いたような構造となっている。なおMBUX ハイパースクリーン非装着時のEQS450 4マチック SUVのセンターコンソールはデザインが若干異なり、ウッドトリムが装着される。また、すべてのシートにヒーターを内蔵。2列目シートは電動スライド機能を標準装備していて、バックレストは40:20:40分割可倒式となっている。
サスペンションはフロントに4 リンク式、リアにマルチリンク式を採用。また、連続可変ダンピングシステム ADS+とエアサスペンションを組み合わせたAIRMATIC を標準装備している。
パワートレーンには「eATS」と名付けられた電気駆動システムを採用。電動パワートレーンは前後アクスルに搭載され、電気モーターにはともに永久磁石同期モーター(PSM)を採用した。EQS450 4マチック SUVの最高出力は360PS(265kW)、最大トルクは800Nmを発生して、WLTCモードでの一充電走行距離は593Km。もう一方のEQS580 4マチック SUV スポーツの最高出力は 544PS(400kW)、最大トルクは858Nmで、WLTCモードでの一充電走行距離は589Kmと公表されている。
安全装備・運転支援システムも充実しており、ステレオマルチパーパスカメラとレーダーセンサーの働きにより周囲の交通状況を的確に把握して乗員をサポートするアクティブディスタンスアシスト・ディストロニック (再発進機能付)やアクティブステアリングアシストなどを装備。さらに、渋滞時緊急ブレーキ機能やアクティブレーンチェンジングアシスト、アクティブエマージェンシーストップアシスト、アクティブブレーキアシスト(歩行者/飛び出し/右折時対向車検知機能付)、 ドライブアウェイアシスト、 メモリーパーキングアシストなどを標準で備えている。