2013年3月
■2013年3月
マクラーレン・オートモーティブは3月上旬に開催されたジュネーブショーで、新型車マクラーレンP1の市販モデルのデザインを公表するとともに、パフォーマンスデータを公表した。
マクラーレンP1の外観デザインはすでに公表されていたデザインスタディのモデルとほとんと変わっておらず、MP4 12Cに比べ格段にスパルタンなイメージのスポーツカーに仕上げられている。このデザインは単にスポーツカーを表現しただけではなく、ロードカートとして最高レベルのダウンフォースを発生する機能的な形状とされている。
このダウンフォースは、車高をアクティブに自動調整する電子制御機構や可変式の大型リヤウイングなどによって実現されたものだ。
パワートレーンはミッドシップに搭載されたV型8気筒3.8リッターのツインターボ仕様エンジンに、高効率な電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを採用する。動力性能は916psのパワーと900N・mの最大トルクという圧倒的なパフォーマンスを実現していて、全回転域において自然吸気エンジンのような俊敏なスロットル・レスポンスが得られるという。
ハイブリッドシステムはF1技術のKERSに由来するIPASと呼ぶもので、やはりF1技術に由来するDRSと合わせて直線での加速の伸びに貢献しており、最高速はリミッターが作動する時速350kmに達する。0-100km/hはわずか3秒未満で、また0-300km/h加速はマクラーレンF1と比べても5秒以上も速い17秒未満とされている。
同時に排出ガスはC02の発生量が200g/km以下(欧州複合サイクル)に抑えられていて、フル電動走行をするEモードではゼロエミッション走行が可能となる。ちなみにEモードでは市街地を平均速度30mph(約48km/h)で走るなら、最大20kmまで走行できるという。
マクラーレンP1はオーナーが日常的に使用できるパフォーマンスカーとして開発されていて、オンロードおよびサーキットでの走行が可能な装備が標準となる。同時にユーザーからの特別なオーダーに応えるマクラーレン・スペシャル・オペレーションズによって、個性的なマクラーレンP1に仕上げるオプションも設定されている。
タイヤは専用に開発されたPゼロ・コルサで、ピレリの開発チームはマクラーレンP1の開発プログラム全般に関わってきた。
エンジンとモーターから発生されるパワーをコントロールするため、マクラーレンP1はGT3マシンやレーシング・カーに近いブレーキング・パフォーマンスが得られるように設計された。ブレーキは曙ブレーキが開発した新型のカーボン・セラミック・ディスク・ブレーキで、マクラーレンのロードカーでは初の採用だ。
マクラーレンP1の生産台数は限定375台という稀少性の高いクルマであり、英国本国での車両本体価格は866,000ポンドに設定されている。
※カタログ車両本体価格は1ポンド=143.20円で計算。