かなりトンがった異色作
スポーツカーとSUVが融合したというCX-7ですが、その言に偽りなし、ですね。
その走行性能と流麗なエクステリアデザインはまさ
2008.1.11
- 総評
- かなりトンがった異色作
スポーツカーとSUVが融合したというCX-7ですが、その言に偽りなし、ですね。
その走行性能と流麗なエクステリアデザインはまさにスポーツカー譲りのものであると言い切って差し支えありません。競合車種としてハリアー、ムラーノがありますがこれらと比べるべきではないモデルであると言えます。
走行フィールも変わっており既にSUVのものではありません。直感ですが欧州Cセグハッチに近い乗り味です。運転してまさに1分あれば「頑丈な箱のような感覚」を味わえるはずです。
ただ欧州Cセグハッチに近いということは、車格に対して全く落ち着いていない軽い乗り味であるとも言えますので、間違いなくユーザーを選ぶモデルでしょう。解りやすく言えば300万円からのプライスタグの付いたSUVの乗り味ではない、わけです。まぁ運転はすごく楽しいんですが。
内装や居住性についてはスポーツカー的なものを求めるなら「○」、そうでないなら「×」です。
スポーツカーほど不便ではありませんが、世間一般のSUVほど便利でもありません。後部座席は決して狭くはなく十分な広さがありますが、どちらかというと軽視された作りです。乗り味も固い上にどういう訳か後部座席は座面が柔らかくなっているので同乗者にとってはあまりありがたくはないでしょう。反面、ラゲッジは広く便利なので二人+荷物ならなかなか便利なクルマです。
総評すると、ユーザーをかなり選ぶクルマであると言えます。
- 満足している点
- ●スタイルバツグン!
ボディスタイルはバツグンです(好みの問題もありますが)
ただ既に完成しきってるスタイルともいえるので後からイジる楽しみはほとんど無いですね。経済的で良いんですが。
●ガッシリとしたボディ!
えてして足回りを締め上げすぎるとボディが軋むことがあったり、その逆にボディを固めすぎると足周りが腰砕けになることがあるんですが、CX-7は足回りとボディが一体になっているかのような素晴らしいセッティングです。そのせいか乗り味はまるで欧州車ですね。頑丈な箱に乗っているような感覚があります。これは国産他社SUVではまず感じられない感覚ですね。
尚、これもボディスタイルと同じでほとんど後からイジる気がしません。経済的です。
●運動性もバツグン!
大型SUVになるとその巨体故にもっさり感が付き物ですし、エンジンにしてもパワーはあるものの重さを感じることが多いんですが、CX-7にはそれが全くありません。前述のボディの良さに加えてエンジン軽さ、セッティングも手伝って一回りも二回りも小さいクルマを運転している感覚があります。また、エンジンそのもののパワーも素晴らしく、かなり贔屓目に見てもNAの3000CC以上のパワーを実感できます。余談ながら、毎年の自動車税も安いので経済的ですね。
- 不満な点
- ●快適性は×
これはCX-7というクルマの性質を考えた場合に欠点になりうるかどうかは解らないんですが、他社の大型SUVに比べて快適性では大きく劣ります。
まず静粛性。これは意図的にそうセッティングされたようですが、とにかく室内がうるさいですね。エンジン音に加えてロードノイズ、外部からの音も相当な大きさで侵入してきます。これについて言えば格下のRAV4やアウトランダーよりも確実に劣っています。エンジン音も6気筒の重みのあるサウンドならともかく4気筒の軽くノイジーな音ですからね・・・。
●スポーティな内装=大雑把?
内装についてはスポーツ感の強いデザインとなっており、ほとんどが樹脂パネルの組み合わせではあるものの質感も悪くはありません。これはハリアーやムラーノとは全く異なる趣であり好みが分かれるところですね。
ただ、その一方で「随分と大雑把なデザインだな」と思う部分も少なくありません。スポーツ感溢れるデザインと大雑把なデザインは必ずしもイコールではなく、CX-7の内装には緻密さが不足していると思われます。メーター周りやセンターパネルなどはまだまだ作り込みが甘いですね。
●パッケージングはメチャクチャ
基本的に標準装備が充実しているCX-7ですが、各種装備及び収納などのパッケージングに強い疑問点を感じざるを得ません。例えば足踏み式パーキングブレーキですが、スポーツを標榜するなら手引きタイプのサイドブレーキが相応しいでしょうね。またステアリングの前後方向の調整が不可能なのは運転を楽しむという点でいかがなものでしょうか?
小物の収納も少なくセンター部分にドカンと大きすぎて使いにくい収納があるだけ。せめてオーバーヘッドコンソールぐらい用意して欲しいものです。シートバックのマガジンラックも助手席側だけで運転席側には用意されていません。何故なんでしょう?グローブボックスに至っては今時コンパクトカーでも採用しないような奥深ノンセパレートの旧式タイプですから。さすがにこれには閉口しました。スポーツを標榜するのはともかく300万円のクルマのやることじゃないでしょ、と。
快適装備についてもこれまたチグハグで、シートヒーターはあるくせに助手席パワーシートはありません。エアコンも一体型、そのくせクルコンは付いて来る、と。何がやりたいのかさっぱりわかりません。
- デザイン
-
-
- 走行性能
-
-
- 乗り心地
-
-
- 積載性
-
-
- 燃費
-
-
- 価格
-
-
- 故障経験