購入注意! 病弱なバリトン
ここのレビューは良いレビューばかりですので、レビュー者は良い個体に当たったのだと私は思います。最近中古車が値ごろになって来
2012.5.21
- 総評
- 購入注意! 病弱なバリトン
ここのレビューは良いレビューばかりですので、レビュー者は良い個体に当たったのだと私は思います。最近中古車が値ごろになって来たということもあり、購入を検討されている方もいると思いますので、買って失敗したという私の経験をアップします。
結論を先に書きますが、タイトルに書いたように「購入注意」です。故障が全く気にならない複数台持ち、お金持ち、私がこれから書くことも全く気にならないという性格の方以外は、慎重に買うべきでしょう。また買う店も気をつけたほうが良いです。大きなものがなくても、小さいトラブルの出現は頻発しうるので、ショップがきちんとしていないと泣きを見ます。自社できちんとトラブルを対処できる店で買うべきです。
私は1万8千キロの中古車を購入し、3万キロで手放しました。所有期間は1年半でした。
しかし最後の半年は修理入庫を繰り返すなど、原因不明の故障に悩まされました。
もちろん定期的なメンテナンスは受けるなどしていましたが、故障が出た後はもうどうにもなりませんでした。原因不明、調査中です、これでまた乗ってみては、また故障、原因不明・・。車なのに動かない、という事態に耐えられずにとうとう手放しました。何より怖かったのは「いつ止まるかわからない」というトラブルに悩まされたことです。突然特定の警告灯が点いて車が動かなくなってしまいます。そうするとギアが入らなくなります。これが基幹道路の走行中でも何回も起きました。周囲の車もいい迷惑です。警察さんやJAFさんのお世話にもなりました。基幹道路の交差点最右車線で、他の車がビュンビュンスピードを出す中で突然停止した時には目の前が真っ暗になりました。そして原因がずっとわかりませんでした。レッカー移動、入庫、原因の調査、大丈夫と言われて修理点検から戻り、・・しばらく走ると、突然の警告灯、そして停止・・我ながら半年もよく頑張ったと思います。
最近値落ちが激しいですが、それは「理由がある」と思ったほうが良いと思います。
フェラーリエンジンなので音は確かにとても良いです。デザインも悪くありません。最近のマセラティはややアグリーなデザインなので、クラシカルなエレガントさはこのクーペまでだと思います。シックで良いです。内装も昔のマセラティほどではありませんが、十分以上に色気があって魅力的です。
- 満足している点
- ・エンジンの官能性・・・フェラーリ謹製のエンジン。音はとても魅力的。但し高音の成分は全くなく、低音でブモワーンと盛り上がる。フェラーリほどの官能性はありませんが、乗っていると次第にこれはこれで魅力的と感じてきます。いい音ではあります。テノールではなく、バリトンです。この車の一番の魅力はここでしょう。
・内装の豪華さ・・・内装はさすが高級車。高級車なのに内装はさすがと思えない車もある中で、新車価格に見合う高級さを有している。革の匂いも濃厚で、素晴らしい。
・中古価格の安さ・・・曲がりなりにもフェラーリ製のクーペに乗れて、しかもフェラーリのエンジン(さらにはこれのパワーアップ版がF430にも搭載。つまり同エンジン)を味わえて、300~400万円で良いというこの中古価格。・・しかしこれが落とし穴でもあったわけです(笑)
・外観のバランス・・・色によりますが、地味な色だとまったく目立たないので、目立つのが嫌な方にはピッタリです。
・それなり以上の走行性能・・・もちろん速いほうです。◯00キロも簡単に出ます。その速度でも概ね落ち着いた感じです。けれども音の迫力の割には、力が路面に完全に伝わっていないかのような微妙な不全感があります。速度感もありますが、それはもしかすると動力性能が高いというよりボディの剛性からのもの(心配感)からなのかもしれません。
- 不満な点
- ・機械としての信頼性・・・最近の車としてはあり得ないような事態に見舞われること。これが私が耐えられなくなった最大原因です。ちなみに最終的に原因はわかったのですが、それに対して提示された修理価格もものすごい価格でした。簡単に数十万円が飛ぶというのは本当です。中古価格が安くても、失敗するとすぐに高くつきます。最初から数百万円高くても信頼性が高い車を買ったほうが安くつくかも知れません。
・カンビオコルサの応答性・・・対策品があるようですが、カンビオコルサの反応はダルです。特に半クラッチはひどいです。信号が変わるワンテンポ前から踏み始めないとスタートで出遅れてひんしゅくを買います。おかげさまで、(カンビオではない車に乗っている今は)スタートダッシュが早くなりました(笑)この点は所有すると必ずストレスになりますので、試乗の際に十分確かめ、必要ならば20万円程度のクラッチつなぎが早くなる対策品に変えたほうが良いです。
・クラッチの耐久性・・・カンビオは雑に扱うと消耗が激しいようです。またノーマルモードで乗るとクラッチの消耗が激しくなるので、私はほとんどスポーツモード(消耗が遅くなるそう)で乗っていました。なおこれも交換は30万円程度します。早いと数千~1万キロ台で逝くこともあるそうです。またクラッチつなぎが早くなる対策品にするとクラッチのもちは良くなるそうです。
・スポーツモードの乗り心地・・・スポーツモードをそういうわけでよく使わざるを得ないのですが、そうすると街乗りの足が随分と硬くなります。スポーツモードで足回りと動力の出方が「一緒に」変わるので、別々に調整できないのが不満ではありました。足回りは普通で、動力だけスポーツにしたいものです。
・ザル穴の燃費・・・凄まじく悪いです(笑)伊達に燃料タンクが大きいわけではありません。大食らいです。本当にガソリンタンクに穴があるのではないかというくらいにどんどん減っていきます。まあこの手の車にはしかたのないことではありますが。
・庶民の不安を癒せない・・・私のような庶民には荷が重く、いつ止まるわからない、人様に(道路で止まって)迷惑をかけたくないという不安を解消させることがとうとうできませんでした。
車の性格も微妙に中途半端です。「どうしても買いたい」という方にのみ、おすすめしたいと私は思います。
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