レクサス RX 「素のグレードでも十分おいしい。」のユーザーレビュー

素のグレードでも十分おいしい。

2023.1.15

総評

NX450hに試乗した際にあまりいい印象がなかったので、今回の素のRX350の試乗はあまり期待していませんでした。

ところが、新しいRXはNXとは別モノというくらいよくできていました。

IS500やGSF、LXといった特殊な車を除けば、RXが今までのレクサス車の中で一番良かった車かもしれません。

リセールも期待できるので、無理して買おうと考えたのですが、もはや買えるお金があっても買えません。。。

納期の点を考慮して、☆を一つ減らしました。

満足している点

・素のグレードでも味わえるボディと脚の良さ

走りに関しては何も飛び道具のない、350でしかもFFだったのですが、公道レベルではアンダーを感じないハンドリングとほぼ不満のない乗り心地に驚きました。

首都高の大橋JCTから山手トンネルに入る下りのきついコーナーに速い速度で突っ込んでしまい、少し焦ったのですが、思った通りのラインをトレースして何事もなかったのようにクリアしてくれました。

500hのようにDRSがないグレードでこの走りは驚きました。

乗り心地もパッシブダンパーなので、あまり多くは期待していませんでしたが、基本的にはフラットで21インチのタイヤを考えれば上出来です。

・ドライブモードにカスタムが追加された

従来のレクサスはFスポにのみカスタムが用意されていたのですが、RXはVer.Lでもカスタムが選べるようになりました。

個人的にレクサス車は、ノーマルだとステアリングが軽すぎ、スポーツだとスロットルレスポンスが過敏すぎで疲れるということが多かったので、ステアリングをスポーツ、パワートレーンをECOに設定できるカスタムが追加されたのはとても良いことです。

実際、今回の試乗中は街乗りから流れの速い首都高まで含めて全てカスタムモードで何の不満もありませんでした。

RXが高評価になったのは、カスタムの設定が自分にジャストフィットだった、ということが大きいかもしれません。

・2.4Lターボエンジンと静粛性

従来のV6の代わりという位置付けの直4ターボですが、しっかり振動を抑え込み、静粛性も高く性能にはまったく不満がありませんでした。

下からトルクが出ているため、ECOモードでも発進加速になんの不満もなく、高速の追い越し時もECOモードのままで踏めばすぐ応えてくれます。

まぁ、音だけはV6に分があると思いますが、鼻が軽くなるので走り関してはプラスになっていると思います。

・サポート性の高い本革シートと低い着座位置

試乗が終わるまで意識していなかったのですが、セミアニリン本革シートの割に、滑る感じがありませんでした。

Fスポのシートはサイドサポートがかなり強調されていて、若干窮屈だったのでVer.Lのシートは良いと思います。

着座位置がかなり低いところまで設定できるのも素敵です。

その他、質感が高いとか大きな画面を備えていて装備が素晴らしいという、このクラスに望まれるポイントは全て網羅されています。

不満な点

基本、いい車なのでどれも重箱の隅をつつくようなことばかりですが…

・納期と販売方法

これは車が悪いわけではないですが、触れないわけにはいきません。

車の出来がよいだけに、せめてICEである350だけは抽選じゃなくてもよかったのに、と思わずにはいられません。

また、転売防止策としてローンでしか購入できないというのは理解できますし、賛成ですが、そうであれば金利は0.1%にするとか、設定残価をより高くするとか、ローンでしか買えないことに対するベネフィットを考えるべきであったと思います。

一括で払える人でも、RXが欲しいなら金利を払えというのは暴挙ですし、無駄にトヨタファイナンスが潤うという、殿様商売のような気がしてなりません。

・狭すぎるグレード展開

これも納期から来ているのだと思いますが、グレードとパワートレーンの設定が少ない感じがあります。

RXの走りをもっと気軽に味わえるように、ファブリックシートの素のRX350や2.5LハイブリッドのRX350hなどがあれば選びやすいですよね。

・後部座席の着座位置

運転席はかなり低い位置の設定ができますが、後部座席はやや地面まで遠いような気がしました。

・タイヤサイズ

全車21インチというのはやややり過ぎな印象を持ちました。

見た目はカッコ良いですが、時折ドスッと入力があったり、最小回転半径5.9mと小回りが効かなかったりといった弊害もあります。

Ver.Lは19インチくらいでも良かったような気がします。

それなら、走りと小回りに効くDRSはオプションでいいので全車に設定して欲しいところです。

デザイン

4

個人的にはスマートで洗練されたデザインだと思いますが、存在感や威圧感という意味では先代の方が好きという方もいるかもしれません。

写真や遠くから見ると、車格の割に小さく見えるかも？

走行性能

5

FFでDRSがないにも関わらず、安定した姿勢できつい横Gにも耐える脚やボディは、ハブボルトやダブルボンネットキャッチの採用といった、目に見えない部分にコストをかけた成果が出ていると思います。

エンジンも出来の良い8ATと相まって、パワーに不満はなく、街乗りから高速まで扱いやすいです。

RXがようやく欧州車に肩を並べたような気がします。

乗り心地

4

時折のドスッとした入力が来る以外はフラットで、21インチを考えれば上出来です。

ドスッとした入力もたまになので、走りを考えれば許容範囲です。

積載性

4

ボディサイズを考えればこんなもんという感じで、びっくりするほど広くはありません。

燃費

3

電気仕掛けのない2.4Lターボはこの点は辛いところです。

都心部の移動ではどうやっても2桁は難しいと思います。

トヨタはアイドリングストップをやめたと思ったのですが、この車には設定されているのが不思議です。

価格

4

リセールまで考えれば、コスパは高いと思います。

もちろんプレミア価格がついていなければ、の話です。

故障経験