レクサス LX 「大都会を航行する大型クルーザー。」のユーザーレビュー

ふぃおらの ふぃおらのさん

レクサス LX

グレード:LX600“エグゼクティブ”_4人乗り_AWD(AT_3.5) 2022年式

乗車形式:試乗

評価

4

走行性能
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乗り心地
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燃費
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デザイン
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積載性
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価格
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大都会を航行する大型クルーザー。

2022.3.8

総評
あれこれ好き勝手述べたが、既述した不満点はどれも些細なもので、これを補って余りある卓越した動力性能と走行性能を手にしたフルサイズSUV。それが新型LX600。

オンロードSUVに留まらず、オフロード性能でもクロスカントリー顔負けの超越した離れ業を涼しい顔でやってのけるバケモノ感は先代から強く、濃く受け継いでいる。

ハンドルを握る人も、後席で寛ぐ人も、終始笑顔で驚きを絶えず感じる満足度高く、懐深いラグジュアリーSUVに仕立てられている。


ご縁があり私がこのLXオーナーとなる日が来たとして、唯一気を揉むのは、高い盗難率と恐ろしく長い納期だろう。

週末のロングドライブや小旅行で、人生に潤いと彩りを与え、満ち足りたカーライフを送ることができると同時に、きっと心配性かつ小心者の私は、事故と盗難に恐れながらハンドルを握っていることだろう。

※あくまで個人のレビュー・感想です。購入をご検討の方は試乗にて確かめてみてください。
満足している点
不思議な一体感と異次元のパフォーマンス。それが新型LX600。

車検でまる1日お借りし、自由にドライブしてきた率直な感想は、「圧倒的な存在感を放つ佇まいと、細部に息づくレクサスのクラフトマンシップ」だ。

ダークトーンなメタリックグレー、マンガンラスター。
無機質な大都会に自然と溶け込みそうな、落ち着いたカラーリングではあるが、隠しきれないLXのサイズ感と王者にも似た孤高のオーラは、ビジネス街を行き交うクルマ好き諸兄の目を確実に奪っていた。
今、オーダーを入れても納期は4年を超えるといわれる新型LX。
街で走っている姿を見ることはない。できない。

そんな新型LX600の中でもこれは「エグゼクティブ」と呼ばれるショーファードリブンテイストを盛り込んだ贅沢な4人乗りモデル。

マッシブなサイドステップに足をかけ、車内Aピラーに備え付けられたハンドグリップを握り、着座する。乗り込むモーションはまるで大型トラクターのそれ。
身長175cmの私でも大きく太ももを上げサイドステップ、車内フロアへと続く連続ステップを踏まなければいけない。
この一連の流れを見ると、ものすごくハイトで大きなボディサイズを想像してしまうが、それは間違いない。

しかし、驚くのは着座してドアを閉めると、エンジンフード中央が削がれ先端までクリアにも通せるフロントビューとサイドからCピラーにかけてのサイドガラスの大きさ、広大な室内空間が生み出す見切りの良さに、一回り小さく感じるボディサイズ。

走らせるとより強く感じさせられるドライバーとLXとの不思議な一体感。

恐ろしく大柄な図体であるのは紛ごうことなき事実であるが、LXが体の一部に感じられるような、絶対的なコンパクト感が強烈な印象として残った。
路肩への幅寄せ停車や狭い駐車場(相対的にLXが大きいためどの駐車場でも余裕のある広さ。とは感じられないだろう)でも、応答性よくと解像度の高いアラウンドビューモニターが、すかさずアシストし安全で快適なクルージングを叶えてくれる。
運転が上手くない私でも、走り始めて10分で完璧にLXの車幅感覚を掴んだ。

小径ステアリングホイールと捕捉範囲の広いサイドミラー、高解像度のデジタルインナーミラー、斜め後方の見通しが良い開放感のあるサイドガラスが織りなす、LXとの不思議な一体感はどこまでも続く。
車線変更や停車・駐車が安心して行えるので、遠出が楽しくなる、ドライブが楽しくなる。

新型LXのドライバーフレンドリーな装いと設えは、まるで自分の運転スキルが上がったかのように錯覚させてくれる。


フルサイズSUVを自分の手足のように直感的かつ正確に操作できるもう一つの理由は、異次元の領域までに熟成したパワートレーンだろう。

先代のLX570に搭載された5.7L V8エンジンにはスーパーインテリジェント8速ATが組み合わされた。大トルク、大排気量であることはもはや説明不要であると思う。

一方で新型LXに搭載されるのは、3.5L V6 ツンターボエンジン。
この数的スペックだけを読み込むと、最近のトレンドである環境負荷や低燃費、コストパフォーマンス寄りのダウンサイジングエンジンに感じると思う。私もそうであった。

が、Dから発ち、幹線道路へと合流するやいなや私の頭は混乱した。

「これ本当にV6エンジン?」

運転しているのは重量級フルサイズSUVのはずなのに、リニアで立ち上がり鋭い加速感はまるでスポーツカー。というよりその辺の名ばかりのスポーツカーとは比ではない卓越した加速性能。

デビュー当時に乗せていただいたLS500 Fスポーツのジェントルな加速感とも一線を画しているように感じた。
外部からの音を一切排除した遮音性の高さとシルキー&マイルドなエンジンサウンドのおかげで、速度感を感じさせない猛々しく無機質な加速感を覚える。

エンジンスペックの外見的な数字だけを見て、先入観と経験則で判断してしまったが、ブレずに数字だけに焦点を当てて比べると、新型LXは旧型に比べ+38PS、+116Nmのトルクを手に入れているのだから、異次元のパフォーマンスには合点がいく。

途中、渋滞に巻き込まれ、30km/h程度でのストップ&ゴーを繰り返すシーンが1時間ほどあったが、低回転時のアイドリングサウンドの静けさと、低回転時から溢れ出るような太いトルクのおかげでストレスは一切なかった。

市街地の渋滞を抜けて、盆地を形成する緩やかな山間を縫うように走るワインディングへ。

ドライブモードは一貫して「コンフォート」であったが、足先でアクセルペダルを1/3~1/2程度倒すと、一瞬にしてハイパフォーマンスエンジンが目を覚ます。
ターボラグを感じる間もなく、すかさず回転数が上がり怒涛の加速を見せる。
それまでの穏やかなエコカーのような大人しいエンジンサウンドから一変、遠く長い鼻先で籠るような膨らみのあるドルルルルゥ…というアメリカンV8サウンドにも近い迫力のある咆哮が楽しめる。
回転数は一定以上回ることはなく、必要なときに必要なだけのトルクと加速力を十分に提供してくれる。

しかしそこには、ただ速いだけの電気自動車のような軽薄な加速感は一切ない。
LXの重量級ボディとその車重が、しっとりとした高級感のある雅な走りぶりを実現している。これに合わさって10速の多段ATが、シルキーかつ息継ぎのない加速感をアシストしている。

おおよそ22インチアルミホイールを履いているとは思えない、ロードからの不快な入力と雑味を排除した豊かな乗り後心地も特筆すべき点だ。

総括し、例えるならば、これはまさに大都会を優雅にクルージングする高級ヨット。
不満な点
垢抜けない旧態依然としたインテリアデザイン。

正常進化した大胆なエクステリアデザインと、より洗練され、大切に作り込まれたドライビングフィールとは対照的に、目立ったのは保守的で旧態依然なインテリアデザイン。

LSのような贅の極みを尽くしたかのような設えがあるわけでもなく、LCのような革新的かつセンセーショナルなマテリアルが搭載されているわけでもない。

物理スイッチが雑然と並び、どこを触れば期待する機能がアクティブになるのかと、まるでレストランのバイキングのように、左手の人差し指がセンターコンソールパネルの上を行ったり来たり彷徨う。
ナビ画面と車両情報画面の幅が異なる2つのモニターが縦に並び、どこに何が集約されているのか直感的には伝わってこない。これは慣れかもしれないが。

ドライバーが運転中に安全かつ的確に必要な情報を得るためには「ダイレクト感」が重要だと考えている。

しかし、新型LXのコンソールパネルには、おそらく毎日はいじらないであろう機能の物理スイッチが所狭しと並び、どこに目をやればよいか迷うWモニターが意識を逸らせる要因になっていると感じる。
毎日使う空調やステアリング・シートヒーター、オーディオ関係、ドライブモードセレクターを大きくコンパクトに。また走行中操作しないであろうその他機能はタッチモニター内へ移行し、ナビ画面と車両情報を1つのモニターに分割表示できると「ダイレクト感」はより増すと思う。

インテリアのアクセントとしてあしらわれているサテンアルミ調の加飾はプラスチック感が強く正直安っぽく感じる。センター上部ナビ画面周辺及びドアガラス開閉スイッチ周囲のピアノブラックパネルは質素で味気ない。

せっかくラグジュアリーの「L」を冠する車名が与えられているのだから、LSやLCのような特別かつ孤高の世界観を見せてほしかった。
デザイン

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走行性能

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乗り心地

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積載性

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燃費

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価格

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故障経験

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