初心に帰れ!!
トヨタブランドから満を持してレクサスブランドに鞍替えし発売となったLS。
報道での扱いも大きく、気合の入りようが違うなと感じました。
2007.8.31
- 総評
- 初心に帰れ!!
トヨタブランドから満を持してレクサスブランドに鞍替えし発売となったLS。
報道での扱いも大きく、気合の入りようが違うなと感じました。
ディーラーも本命到来という感じがありありで、発売後初めての週末はかなり賑わってました。
しかし、肝心の車そのものはというと…?
初代セルシオ(LS400)では、カタログに「源流主義」「Yetの思想」という言葉を掲げ、
徹底的な基礎部分の磨き上げによって他を圧倒するということを誇らしげに謳っていましたね。
初代セルシオは私も運転したことがありますが、当時の車としては考えられないほど静かでスムーズ。
確かにその意気込みは嘘ではないと大いに驚きました。
これでは欧州メーカーが大慌てしたのも無理はないと感心したものです。
だが今のLSは、電子制御のリファインを繰り返した産物に過ぎず、自らの魅力が何なのかを忘れてしまっているのではないかと。
LSより下のクラスの車の基本的な性能がどんどん上がってきている以上、これでは相対的なありがたみが薄れてしまいかねないですね。
「確かにすごいけど、普通に走るならカムリでも十分だよ」と言われてしまったら、立つ瀬がないと思うのですが。
- 満足している点
- ・全長5mになんなんとする巨体ながら威圧感を誇示するのではなく、むしろ一種の清涼感すら感じるエクステリアデザインが愁眉。レクサスは他のモデルでもサイドビューのラインの書き方がなかなか美しい。
・面構えは「カムリみたいだ」とか言われてもいるが、ようやく独自の顔を持ったという印象がある。
・相変わらずの静粛ぶり。エンジンもよほど引っ張らないと音が室内に入ってこない。巡航速度時は新幹線に乗っているような雰囲気。
・車重2tの車を操っているとは思えないほど、各操作系統から得られる動作感覚が軽い。動力、制動性能に限って言えば車がふた回りくらい小さく感じられる。ただ、これをストレスのない動作感覚とみるか、重厚さがなく物足りないと見るかはかなり意見が分かれると思う(私自身としてはこの感覚はダメ)。
・セミアニリンレザーシートは革の風合いがとても心地良い。座った時に独特の柔らかさがある。
・8速ATはいつ変速しているのか全然気づかない。ただし、加速時に限っての話。
・同クラスの高級車と比べて燃費が良い。
- 不満な点
- ・さすがにLSは違うだろう!…と期待していたにもかかわらず、レクサス共通である「フロアからの微振動を御せない」乗り心地がそのままだった。これではブランドを代表する最高級車として失格。
・ステアリングインフォメーション、全然なし。タイヤにどういう負荷がかかっているのかが伝わってこない。なまじ動力性能が高いだけに恐怖すら感じる。「高速コーナリングでもエアサスのコントロールを瞬時に行いますので非常に安定していますよ」とセールスは言っていたが、この感覚ではそういうことをする気が起こらない。
・減速時のシフトショックが思いのほか大きい。特にキックダウン時、2段ぐらい落ちて加速したが、フロアからトントンと叩かれるような振動がいちいち伝わってきた。多段化の影響か?
・リア周り(特にデッキ部分)のデザイン処理が、高級車のデザインとしてはちょっと落ち着きがない印象。デザインそのものは決して悪くなく独自性も感じるのだが、スポーティ過ぎると思う。追い越された時この後姿を見せられても、「高級車に抜かれた」という印象を受けるかどうか。
・運転席の天井方向が狭い。適切な運転姿勢をとると、パワーシートを目いっぱい下まで下げてもAピラーがかなり近くに迫っていて、圧迫してくるような印象がある。ちなみに私の身長は170cmほど。
・センターコンソールのデザインは今時の高級車の潮流から考えるとちょっと時代遅れ。ボタンがいっぱい並んでいるのはスマートさに欠ける。シフトレバーも旧態依然な仕組みとデザイン。
・何度調整してもしっくり来ないシート調整機能。元のシート形状自体が悪いのか?だとしたら、長距離走行を体験していないがその結果は想像できる。
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験