ホンダ N-BOXカスタム 「フロントまわりのデザインが一新され高級感＆存在感がアップ」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

フロントまわりのデザインが一新され高級感＆存在感がアップ

2023.5.22

年式

2017年9月〜モデル

総評

2017年のフルモデルチェンジで2代目となり、登録車を含む四輪車で何度もベストセラーに輝くN-BOX。スクエアで背の高いボディは室内空間にゆとりをもたらし、大人4人乗車でも狭さをまるで感じさせない。インテリアの仕立ても乗用車的でコンパクトクラスよりも上質だ。いまやスーパーハイトワゴンのライバルは豊富にそろうが、現在（2023年5月）でも好調な売れ行きを見せている。モデル末期となってもN-BOXに死角はない？

満足している点

N-BOXの室内は上質で大人っぽいカラーコーディネートがライバルとは異なる。室内空間も広々としていて、後席は左右別々にスライド＆リクライニングが可能。荷物を積み込んで前方にスライドさせても足元にはまだ余裕がある。ここまではライバルでも可能だが、座面を跳ね上げて高さのある荷物を収納するチップアップ機構もある。ソフトな乗り心地もN-BOXの美点。ライバルに対して隙を見せない。

不満な点

乗り心地に優れる反面、ペースを上げるにつれて気になってくるのがコーナーでのロールの大きさ。高速では横風の影響も無視できない。WLTCモード燃費は20.2〜21.2km/Lだが、経済性ではコンパクトクラスのハイブリッドモデルに太刀打ちできない。

デザイン

4

もはや見慣れたスタイリング。標準仕様もカスタムもN-BOXであることがすぐにわかるほど。2020年12月のマイナーチェンジで内外装のリニューアルを実施し、標準仕様とカスタム系の違いをさらに明確化してカスタム系のフロントまわりデザインを一新。高級感、存在感を高めている。ナンバープレートも中央に配置した。

走行性能

4

日常の足として乗るならNAエンジンでも不満はなく、スムーズな吹き上がりが確かめられる。ターボは実用域でのトルクが充実し、エンジンを回さなくても力強い加速が得られる。乗り心地のよさを優先させた足まわりはワインディングに入るとロールが大きく、ペースを上げて走らせるのをためらってしまうほど。もちろん、普通に走らせる分にはそこまで問題とはならないが……。

乗り心地

5

N-BOXのサスペンションは路面に対する追従性に優れ、路面のギャップをうまくいなしてしなやかな乗り心地が得られる。この穏やかな乗り味がN-BOX最大の持ち味でもあり、日常のアシとして受け入れられているように思う。

積載性

5

後席下に燃料タンクのないN-BOXは荷室のフロアがもっとも低く、後席を収納すると約1.5ｍの奥行きが得られる。かさばる荷物の積み込みもしやすく、27インチの自転車だって楽に乗せることができる。後席座面のチップアップ機構を使えば背の高い観葉植物などをスライドドアから積み込める。

燃費

4

WLTCモード燃費はターボが20.2km/L、NAが21.2km/L。とくに驚くような数値ではないが、スーパーハイトワゴンの中では優れているほう。実際に高速7割、一般道3割で合計180km区間を計測した燃費は18.5km/Lとまずまず。コンパクトクラスのハイブリッドには及ばないが、実燃費でこれだけ走れば納得!?

価格

4

価格は146.85万円から222.53万円まで。同じスーパーハイトワゴンの中でも高価な印象を受けるが、すべてのグレードに先進安全装備「ホンダセンシング」、フルLEDヘッドライト（カスタムは9灯式フルLEDヘッドライト）、フルオートエアコンを標準装備する。左右のパワースライドドアもベーシックグレードを除いた多くのモデルに標準装備。安全＆快適装備が充実しているのもN-BOXの魅力と言えよう。