ホンダ ジェイドハイブリッド 「典型的な「生まれた時代を間違えた」名車」のユーザーレビュー

SUNMECA SUNMECAさん

ホンダ ジェイドハイブリッド

グレード:ハイブリッド X(DCT_1.5) 2015年式

乗車形式:仕事用

評価

3

走行性能
3
乗り心地
4
燃費
2
デザイン
4
積載性
3
価格
2

典型的な「生まれた時代を間違えた」名車

2020.12.31

総評
オリジナルの中華市場ではこの車格にも関わらず同社製の小型車フィットに少々プラスすれば手が届く上位互換の中型車の車格とお値打ち価格が魅力として都心部の若者層に売れたらしいものの、それをワゴン車もロールーフミニバンもとっくにブームが去っただけでなく、若者の車離れが顕著な日本市場へ持ってきた上に準高級車並みの値段をつけても売れる要素が薄いですよねー。
ただ車自体はユーザーのニーズに合致さえすれば素晴らしい一台。

時々レビューで3列目が狭すぎて使えないだの3列目を出すとカーゴスペースが消滅するといった悪評を見かけるものの、それはロードスターを買っておいて後から屋根が無いとか2人しか乗れないと文句を言っているのと同じで明らかにユーザーの問題。
また某メディアの悪意を感じる画像により三列目の頭部が丸出しになって危険というイメージが強いものの実際にはリアゲートヒンジが三列目の頭頂部付近に位置し、リアゲートとルーフ後端が一体でガバっと大きく開くだけの話し。

今では絶版の為に中古しか入手できなくなりましたが普段は3列目を畳んでステーションワゴンとして使い、どうしても必要な際に3列目を補助席として使う方やミニバンに近いユーティリティが必要でもミニバンなんて嫌という人にはおすすめ。

そしてデビュー直後から絶版となった現在まで一貫して超不人気車の為、極上車が捨て値で買えるものの裏をかえせばリセールバリューは絶望的なので購入の場合は乗り潰すつもりで迎えてあげて欲しい一台。
 
満足している点
使い勝手/積載量は平均的ツーリングワゴン、走行性能/静寂性は中〜準高級セダン。
普段は仕事で1~2名+貨物、たまに家族4人と年老いた両親の計6人(大人4名+小学生2名)で乗車する機会のある自分には最適なパッケージ。
 
不満な点
ホイールベースはミニバン並みにも関わらずステアリング切れ角が案外無いのでビックリするほど小回りが効かない。
車内を広く錯覚させる為か一般的な3ナンバー車に比べてシートが気が付かないレベルで微妙に小さい。
スポーツハイブリッドi-DCDはホンダ製の第二世代マイルドハイブリッドで、燃費は同モデルのRS(純ガソリンターボ車)よりは多少良いね程度。
しかもハイブリッド機構と快適装備の追加で最上級グレードのハイブリッドXのみ車重が1,510kgと、僅か10kg超過で重量税が割高に…。
ツインクラッチ7速ミッションはその名の通り2組の乾式クラッチを繊細に制御してエンジン/モーター/7速有段ギアを絶妙に嚙合わせてくれる一方でドライバーの感覚とは絶望的に噛み合わない。
踏み間違い防止機能の副作用か停止状態からのスタートダッシュでは「おいっ!」と声が出てしまう程アクセルへの反応?エンジンのツキ?が悪い。
Sモード(スポーツモード?)なら停止状態からの最初の一歩はかなりマシになるものの、峠族かスポーツ走行かというレベルの高回転維持になるので手動でこまめにON/OFF操作すればまぁ何とかという感じ。
これらの不満点はホンダ製の次世代e-HEV(i-MMD)でほぼ全て解消されているのでホンダさんでもi-DCDの欠点として把握していたと思われる。
なお購入後二年連続で夏にエアコン故障で修理しており、他のユーザーからもエアコントラブルは持病という噂も聞くところを見ると、昭和の自家用車でもあるまいしエアコンがウィークポイントらしい。
 
デザイン

4

ワイド&ローでリアフェンダー周辺のボリュームなどのデザインは概ね優秀。 しかし平成世代までのホンダ車によく見られた妙に丸く低いフロント周りからほとんど角度を変えずに続くウインドシールドや、ヘッドライトの青いアクセントなどが今となってはさすがに時代を感じます。

内装については空きスペースを全てウッドパネル(もどき)で埋めるという斬新?安易?な試みで大きくはハズしてはいないものの、しかし英国高級車のような優雅な雰囲気は感じない微妙な出来。
また前期モデルのドアスイッチ周り化粧パネルやシフトレバーは昭和の軽自動車かと思う程プラモデル感たっぷりのヒドイ質感。
 
走行性能

3

乾式クラッチの消耗低減の為か通常のDレンジだと停止状態からの最初の走り出しを発電/駆動兼用の小型モーター(約30ps)駆動のみに頼っており、例えば交差点で対向車の切れ目を狙ってキビキビと右折ダッシュしようとする場合や脇道から一時停止でバイパスや大通りに合流する場合など、停止状態からのスタートダッシュでアクセルをパコっと踏んだ場合のエンジンのツキが絶望的。
ちゃんとした加速体制に入るまではそんな感じでヒドイものの、モーター駆動にワンテンポ遅れて始動するエンジンの駆動が加勢して一度加速体勢に入ってしまえば車重&排気量の割に案外トルクフル。
また峠などで少々ハイペースな走り方をするとDレンジでもシフトダウンで勝手にブリッピングするのでちょっと気分上がります。

ただし渋滞等で延々と徐行するような状況ではEVモードとエンジン始動の切り替え境目に当たる為、何度も頻繁にエンジン始動&停止を繰り返す上にギクシャク違和感が凄い。
これほど頻繁に不要なエンジン停止&始動を繰り返していると逆に大気汚染&燃費悪化を招いているような気がする。
なお駆動モーターは発電兼用で小型とは言え立体駐車場のスロープも超徐行であればモーターの駆動だけで登れるトルクがあるようなのでトヨタのようにEV優先モードを設けるか、または急発進でもない限りは例え駆動用バッテリーを一気に消費してでも40km/h位までEVモードで頑張る設定にして欲しかった。

運転感覚やEVモードでカバーする速度域でのマイナス点はモーター駆動が主体となった後のi-MMD(e-HEV)で劇的に改善しているだけに残念。
 
乗り心地

4

乗り心地と車内の静寂性は車格ひとつ上のレベル。
なぜけして高級車ではないワゴン車にこれほど見栄えするデザインや高級車なみの乗り心地&静寂性を与えたのか不思議になるものの、もしかしたらコレが中国市場で好まれるパッケージなのかも。
 
積載性

3

3列目を収納した状態であればごく平均的なステーションワゴンと同レベルの荷室容量が確保される。
しかし一旦3列目を出すと積載性は絶望的、多分3列目の背後よりも2列目の足元の方が多く荷物が積めます。
 
燃費

2

ハイブリッドと言いつつ街中のチョイ乗りだとかなり酷い極悪燃費。
一方で中〜長距離、特に高速道路などは法定速度に関わらず18〜20km/Lと、やっと第一世代ハイブリッドに相応しい燃費が出る。
とはいえこの頃のホンダ製マイルドハイブリッドは車格の垣根を超える桁違いの低燃費を叩き出す本家トヨタ製HVとは異なりおおむね純ガソリン小型車と同レベルの燃費。
なので「さすがハイブリッド」ではなく「へー、高速道路だと車体の割に意外と走るね」程度。

なおSモードは異常なほど高回転維持の設定なので明らかに峠を攻める場合にしか使い道が無い。
またMCで消滅した事からもわかる通りリアクティブフォースペダルは明らかに失敗機能。
工場出荷状態のデフォルトでは有効になっており、このままだとガスペダルが引っかかるような反発抵抗が課される為に十分踏み込む事が出来ず原付スクーターレベルの加速に抑えられてしまう。
こうなるとあまりの出足の悪さにイラッとして力任せに床まで蹴りつけてしまい逆に不要な急加速と燃費の悪化をまねく。
なので納車日の夜、1人運転席に座りスイッチ類や各種設定を一通り弄るありがちな時間にでもこの設定をオフにする事をおすすめします。
 
価格

2

最上位ハイブリッドXはホンダセンシング+ハイブリッドとはいえ1.5Lワゴン車で乗り出し約350万円と価格設定が高すぎる上にドライバーの感覚と動作が全くシンクロしないi-DCD、さらにメディア向け試乗会でホンダ広報が記者達に喧嘩でも売ったのではと勘繰ってしまうほど各メディアが軒並み悪意を感じる酷評インプレを広めた結果、ホンダでも一位二位を争うような超絶不人気車に。
今では新車販売終了もあって中古市場では値が付かない底値推移なので極上車が格安で入手可能。
 
故障経験
購入当初からインターナビのリンクアップフリー通信用ドングルの故障で通信できないトラブル。
購入後1ヶ月後の真夏にコンデンサーのピンホールでエアコンガス漏れ、翌年はエアコンコンプレッサー内部破損でエアコンシステム全交換、いずれも保証対応で解決。
エンジンフード後端のワイパーカウル?樹脂製カバー内部に水が溜まる定番トラブルは対策手段が無い設計上の欠陥だからか保証で直して欲しい(=交換)と言ってもディーラーは対応を渋りウヤムヤに。
FOP(MOP)ナビの画面には常に未読メール有りのアイコンが表示されており、その未読メールの正体は過去にメーカーやディーラーが配信した広告宣伝メールの類、しかし本文は消去済みなのにタイトルだけが残っているエラーの為に中身が開けない=既読メール表示を消す事ができないバグ有り。
地図更新データに対策パッチが含まれているとの事で地図データのアップデートで解決。
 

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