現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 家族のための車だけど走りは妥協しない! 優れた走行性能のファミリーカー3選

ここから本文です

家族のための車だけど走りは妥協しない! 優れた走行性能のファミリーカー3選

掲載 更新 20
家族のための車だけど走りは妥協しない! 優れた走行性能のファミリーカー3選

■走りを妥協していないファミリーカーを振り返る

 昭和の時代には、ファミリーカーといえばセダン、2ドアクーペ、3ドアハッチバックなど、4人以上乗れればどんなクルマでも成立していました。しかし、1990年代にミニバンの普及が始まると、ファミリーカーの主役はミニバンへと移行し、現在に至ります。

ミニバンなのにMT! 運転が楽しい激レアなMTミニバン3選

 近年はミニバンだけでなく、軽ハイトワゴン/トールワゴンやコンパクトカー、SUVもファミリーカーとして人気です。

 今もファミリーカーには明確な定義が存在しませんが、多くの人や荷物が乗せられ、使い勝手の良いサイズ感と低燃費で優れた経済性のクルマが適しているといえるでしょう。

 一方で、とくにミニバンでは走行性能や運動性能といったポイントはあまり重視されていません。これは室内空間の広さを優先したボディ形状や車体の構造から、ある意味仕方のないことです。

 ところが、ミニバンでありながら走りの性能を妥協していないモデルも存在。そこで、優れた走行性能のミニバンを、3車種ピックアップして紹介します。

●スバル「エクシーガ」

 現在、スバルは国内市場で3列シート車をラインナップしていませんが、2008年に、ステーションワゴンタイプの3列シートミニバン「エクシーガ」が誕生しました。

 エクシーガは「レガシィ ツーリングワゴン」で培った技術をフィードバックして開発され、7人がしっかり乗れる居住性と優れた走りを両立したミニバンです。

 外観デザインは、背が高めのステーションワゴンというスタイリングで、腰高な印象はあまりなく、シャープなフロントフェイスから見た目にも走りの良さをアピールしていました。

 内装は、3列目シートもしっかりと大人が座れるスペースを確保。さらに1列目、2列目、3列目と着座位置が徐々に高くなる「シアターシートレイアウト」を採用したことで、すべてのシートで視覚的に圧迫感を感じることのない設計となっていました。

 搭載されたエンジンは最高出力225馬力を誇るパワフルな2リッター水平対向4気筒ターボと、148馬力の自然吸気、さらに2009年には最高出力170馬力の2.5リッターの自然吸気エンジンが追加されました。

 駆動方式はFFとフルタイム4WDが設定され、トランスミッションはターボ車が5速AT、2リッターNA車が4速AT、2.5リッター車はCVTの「リニアトロニック」を設定。

 足まわりはフロントがストラット、リアがダブルウイッシュボーンで、優れた走行安定性と乗り心地を実現していました。

 その後2015年に、エクシーガはSUVテイストの内外装とした「エクシーガ クロスオーバー7」にバトンタッチしましたが、2018年に生産を終了し、スバルの3列シート車は国内市場から姿を消しました。

●ホンダ「ジェイド」

 ホンダは1994年に同社初のミニバン、初代「オデッセイ」を発売し、さらに1996年には5ナンバーサイズのミニバン、初代「ステップワゴン」が登場してどちらも大ヒットを記録。当時、経営状況が悪化していたホンダの救世主となりました。

 その後、ホンダはさらにミニバンラインナップを拡大し、2000年にスポーティかつスタイリッシュな初代「ストリーム」がデビュー。このストリームの実質的な後継車が、2015年に発売された「ジェイド」です。

 ジェイドはもともと中国市場向けに開発されたモデルで、日本では中国に2年ほど遅れてデビューしました。

 外観はスタイリッシュなクーペフォルムを採用したステーションワゴンタイプのミニバンで、当初は6人乗り3列シート車が展開されました。

 ボディサイズは全長4650mm×全幅1775mm×全高1530mmで、3列シート車ながら全高1530mmは異例の低さです。

 この低全高の効果は機械式立体駐車場に対応するだけでなく、低重心化も実現。フロントがストラット、リアがダブルウイッシュボーンのサスペンションと相まって、ハンドリングが高く評価されました。

 搭載されたパワーユニットは発売当初1.5リッター直列4気筒エンジン+モーターのハイブリッドのみでしたが、発売から3か月後には最高出力150馬力を誇る1.5リッター直列4気筒ターボを搭載する高性能な「RS」グレードを追加。

 さらにRSはボディ剛性の向上と専用セッティングのサスペンションを装備し、コーナリング中に前輪のブレーキを制御して車両の動きを滑らかにし、安定感のあるコーナリングを可能とする「アジャイルハンドリングアシスト」を搭載するなど、さらに旋回性能が向上されていました。

 2018年には市場のニーズを反映して2列シートの5人乗り仕様を投入しましたが、販売台数は低迷。2020年にはフルモデルチェンジすることなく生産を終了しました。

●三菱「デリカ D:5」

 最後に紹介するクルマは現行モデルで、優れた走りはオンロードではなくオフロードで発揮する三菱「デリカ D:5」です。

 三菱は「ジープ」や「パジェロ」といったクロカン車で培った4WD技術を応用して、1982年に1ボックスワゴンのクロスカントリー4WD車「デリカスターワゴン 4WD」を発売。

 デリカスターワゴンは高い悪路走破性能を誇る新ジャンルのクルマとして人気を博し、同様のコンセプトで代を重ね、正統な後継車として登場したのが2007年に発売されたデリカ D:5です。

 そして、2018年11月のマイナーチェンジではフロントフェイスを一新。三菱のデザインコンセプトである「ダイナミックシールド」が取り入れられました。

 また、標準仕様に加え、より都会的な印象の外観デザインを採用した「アーバンギア」が設定され、ユーザー層の拡大もおこなわれています。

 このマイナーチェンジでは、同時に内装の質感の向上と乗り心地やハンドリングも大きく改善され、安全運転支援システムを搭載するなどミニバンとしてのポテンシャルも飛躍的にアップしました。

 エンジンは当初2.4リッター直列4気筒ガソリンのみでしたが、後に2リッターガソリンと2.2リッターディーゼルが加わり、現在は最高出力145馬力の2.2リッター直列4気筒ディーゼルターボに一本化されています。

 トランスミッションは8速ATのみで、全グレードとも3つの走行モードが選択できる4WDシステムを搭載し、さまざまな路面状況に対応した走りが可能です。

 デリカ D:5のイメージチェンジはかなり衝撃的で、当初は賛否両論でした。しかし、基本的なコンセプトである悪路走破性の高さはキープしており、今もアウトドア派のファミリー層から高く支持されています。

 なお、デリカ D:5は生産工場の移転を予定しており、2021年11月現在、一部のグレードや仕様がオーダーできなくなっています。

※ ※ ※

 1990年代から2000年代初頭にかけてミニバンは急速に増え、各メーカーから「雨後のタケノコ」のように新型車が登場するなど、ミニバンブームが起こりました。

 その後、ミニバンがブームからファミリーカーの定番車種へと移行すると多くのモデルは淘汰され、スバルやマツダはミニバン市場から撤退しています。

 今まさにSUVがかつてのミニバンブームと同じ状況で、次々と新型SUVが登場していますが、果たして将来的にどれほどのSUVが生き残れるでしょうか。

文:くるまのニュース くるまのニュース編集部
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

ランド・ノリスが完勝。初タイトル獲得へ向けて視界良好……ピアストリと24ポイント差に。フェルスタッペンはピットから脅威の追い上げ3位|F1サンパウロGP決勝
ランド・ノリスが完勝。初タイトル獲得へ向けて視界良好……ピアストリと24ポイント差に。フェルスタッペンはピットから脅威の追い上げ3位|F1サンパウロGP決勝
motorsport.com 日本版
【ポイントランキング】2025年F1第21戦サンパウロGP終了時点
【ポイントランキング】2025年F1第21戦サンパウロGP終了時点
AUTOSPORT web
ノリス連勝。ピットスタートのフェルスタッペンが表彰台【F1サンパウロGP決勝レポート】
ノリス連勝。ピットスタートのフェルスタッペンが表彰台【F1サンパウロGP決勝レポート】
AUTOSPORT web
F1サンパウロGP決勝速報|ノリス完勝! フェルスタッペンはピットレーンから追い上げ3位。角田裕毅はペナルティに泣く
F1サンパウロGP決勝速報|ノリス完勝! フェルスタッペンはピットレーンから追い上げ3位。角田裕毅はペナルティに泣く
motorsport.com 日本版
Moto3ポルトガル決勝|古里太陽、11番手から3位表彰台獲得! キレスが逃げ切り勝利
Moto3ポルトガル決勝|古里太陽、11番手から3位表彰台獲得! キレスが逃げ切り勝利
motorsport.com 日本版
ベッツェッキ、独走逃げ切りのポール・トゥ・ウィン! 小椋藍が7位シングルフィニッシュ|MotoGPポルトガルGP決勝
ベッツェッキ、独走逃げ切りのポール・トゥ・ウィン! 小椋藍が7位シングルフィニッシュ|MotoGPポルトガルGP決勝
motorsport.com 日本版
ジャパンモビリティショー2025本日閉幕!! 入場者数101万人、参加522社(最多)でさよならまた2年後に!!
ジャパンモビリティショー2025本日閉幕!! 入場者数101万人、参加522社(最多)でさよならまた2年後に!!
ベストカーWeb
決勝はベゼッチが首位譲らず優勝。小椋藍トップ10入り、初MotoGPブレガもポイント獲得/第21戦ポルトガルGP
決勝はベゼッチが首位譲らず優勝。小椋藍トップ10入り、初MotoGPブレガもポイント獲得/第21戦ポルトガルGP
AUTOSPORT web
3800万円超え…!? 全長4.6mの「“FR”クーペ」がスゴい!  超高回転「V8エンジン」搭載した「高性能モデル」! めちゃ“スパルタン”仕様のBMW「M3 GTS」英国オークションに登場
3800万円超え…!? 全長4.6mの「“FR”クーペ」がスゴい! 超高回転「V8エンジン」搭載した「高性能モデル」! めちゃ“スパルタン”仕様のBMW「M3 GTS」英国オークションに登場
くるまのニュース
フェルスタッペン、セッティング変更&PU交換でサンパウロGPピットスタートヘ。角田裕毅はグリッドスタート
フェルスタッペン、セッティング変更&PU交換でサンパウロGPピットスタートヘ。角田裕毅はグリッドスタート
motorsport.com 日本版
「えっ!?」40年前のランクルに最先端の389馬力ツインターボを搭載? 米国トヨタ「ターボ・トレイル・クルーザー」世界初公開 SEMAショーで展示
「えっ!?」40年前のランクルに最先端の389馬力ツインターボを搭載? 米国トヨタ「ターボ・トレイル・クルーザー」世界初公開 SEMAショーで展示
VAGUE
ヒョンデ、オイット・タナックのフルタイムドライバー引退を発表。次戦サウジがラストランに
ヒョンデ、オイット・タナックのフルタイムドライバー引退を発表。次戦サウジがラストランに
AUTOSPORT web
Moto2ポルトガル決勝|モレイラ、ポール・トゥ・ウィンで王座争いの優位築く。日本人ライダーは苦戦しノーポイント
Moto2ポルトガル決勝|モレイラ、ポール・トゥ・ウィンで王座争いの優位築く。日本人ライダーは苦戦しノーポイント
motorsport.com 日本版
まるで漫画「DB」の世界!? ホイールの代わりにボールで走るバイクをDIYした動画に反響
まるで漫画「DB」の世界!? ホイールの代わりにボールで走るバイクをDIYした動画に反響
バイクのニュース
世界で量産初「観音開きスライドドア」採用! 斬新「ミニバン」がスゴイ! 全長4.6mボディに“めちゃ広ッ”車内空間を採用! “日本上陸”のジーカーが展開する「MIX」中国モデルって?
世界で量産初「観音開きスライドドア」採用! 斬新「ミニバン」がスゴイ! 全長4.6mボディに“めちゃ広ッ”車内空間を採用! “日本上陸”のジーカーが展開する「MIX」中国モデルって?
くるまのニュース
進化した人気の“プレミアムSUV”アウディ新型「Q5」は快適性がハイレベル! オススメは2Lの4気筒ディーゼル!! ひと目でそれと分かるデザインがカッコいい
進化した人気の“プレミアムSUV”アウディ新型「Q5」は快適性がハイレベル! オススメは2Lの4気筒ディーゼル!! ひと目でそれと分かるデザインがカッコいい
VAGUE
昔は手書きの時刻表を人力で差し替えていた! いまどきは超ハイテクなバス停の進化!!
昔は手書きの時刻表を人力で差し替えていた! いまどきは超ハイテクなバス停の進化!!
WEB CARTOP
日産 パルサーGTI-Rが「悲劇のWRCラリーマシン」と呼ばれた理由【愛すべき日本の珍車と珍技術】
日産 パルサーGTI-Rが「悲劇のWRCラリーマシン」と呼ばれた理由【愛すべき日本の珍車と珍技術】
ベストカーWeb

みんなのコメント

20件
  • ジェイドはストリームのマネしてバカ売れしたウイッシュ(確か2017年に生産終了)を横目に2020年まで販売を続けていたのか。ホンダの意地を感じるな。
  • D5以外生産終了とは…。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

289 . 9万円 308 . 9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

44 . 8万円 259 . 8万円

中古車を検索
ホンダ ジェイドハイブリッドの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

289 . 9万円 308 . 9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

44 . 8万円 259 . 8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村