大変よく出来ました(その2)
先日冷やかし半分でディラーを覘いたインサイトであったが、結構出来が良かったし、前回は順番待ちで満足な試乗が出来なかったの
2009.2.23
- 総評
- 大変よく出来ました(その2)
先日冷やかし半分でディラーを覘いたインサイトであったが、結構出来が良かったし、前回は順番待ちで満足な試乗が出来なかったので、少し時間をとってもらって2度目の試乗をした。
試乗したのはベースグレードのG。走行したのは地方都市郊外の主に国道を走るコース。アップダウンも少なく、渋滞もなかった。信号の数もそう多くはないので、燃費的には有利にでると思われる。最初は徹底的にエコランをして実燃費がどこまで出るのかを見ようとも思ったが、動力性能を確かめたくて気の向くまま思い切りアクセルを踏み込んだりしながらドライブをした。
まずは、思い切りアクセルを踏み込んで加速。1.3Lとは思えない加速感が味わえる。最初はエコカーと思い少々バカにしていたが、そんなことはない。失礼しました。
乗り心地はかなり硬め。路面の凹凸を結構拾う。個人の好みの問題ではあるが、ファミリーカーとしてみれば減点の対象。運転中、後方視界の悪さは若干気になった。
さて、試乗の結果気になる燃費は、燃費計の数値を信用すれば22.8km/L(平均速度は38km/h)。速度メーターの表示が、燃費の悪い走行を示すブルーが多かった割には思ったより良い数値が出た。翌日わが愛車エクシーガで、同じコースを同じように走ったら9.2km/L。(半分以下かよ!ちょっと悲しくなった。)
なお、前回少しあわてて書いたので、後で自分のレビューを見返してみたらバッテリーに関して誤解を招く表現があった。インサイトもプリウスもバッテリーはニッケル-水素電池。(供給もパナソニックだからたぶん性能はそれほど変わらないはず)電池の性能としてはリチウムイオン電池が良いのだが、こいつはまだ高くて使えないと書きたかった。ここで訂正。(ちなみに三菱の「i MiEV」はリチウムだが電池だけで200万円以上するらしい。)まずは、低価格で市場を拡大し、量産体制を整えたところでより性能の優れる電池に移行しようとするのはわかる。
先行するプリウスは、2010年頃にはリチウム電池にしてよりEV(電気自動車)としての性能を強化し、家庭でも充電のできるプラグイン型ハイブリッドを狙っているが、電池の信頼性とコストを含めると、次のFMCには間に合わない?
いずれにしても、プリウスの「逆襲」が楽しみである。
- 満足している点
- ①コストパフォーマンス:
ベースグレードの車体価格は189万円だが、ホンダ車の常として、ベースグレードにはオーディオもついていないので、オプションを加えると結構な値段になる。実際に使いそうな、リアカメラ・ETC付のナビとスマートキーを入れて見積もりを頼んだ。結果は諸経費込245万円。基本的には値引きなしだそうだ。これには見積もりの時点で、傷つき・汚染防止のEXコート(約6万)も含まれていたので必要なければカットできるとのこと。
「バッテリーを交換したらいくらになりますか?」との質問には、「試験では15年、24万kmの耐久性があり交換は不要。5年10万kmの保障もあります。エンジンと同じと思ってください」とのこと。余計な出費の心配はしなくて済みそうである。
ちなみに、今回の見積もりで重量税と取得税(合わせて約12万円)はカットしてあった。まだ可決されていないが、4月以降に環境配慮カーは税金が免除されるらしい。(これはプリウスもおなじ)フィットとの価格差50万円は大きいが、税金免除なら考えてしまうなあ。
②動力性能:
乗る前は所詮エコカーとバカにしていたが、1.3L(88ps)というカタログ値以上の感覚が味わえた。モーターは低回転領域からトルクが出るので、そのおかげかも知れない。
③燃費:
ハイブリッドだから当たり前とは言え、意外に良かった。今回は条件が良かったので実際の通勤ではどうか気になるが、営業マン氏が自分で隣の市から通勤(約15km)に試乗したところ19-20km/Lだったとのこと。実力としてはこのあたりか。空力性能を上げるため車体下に樹脂製のカバーをするなど見えないところに涙ぐましい努力をしている。
④ディスプレイの操作性
インフォメーションディスプレーの表示の切り替えなどがハンドル手元で操作できるのはGOOD。
- 不満な点
- 基本的にはよくがんばって作ったと思うが、実際買おうとすると気になる点を挙げた。
①後部座席への乗り込み:
身長180cmの私が頭をぶつけないように乗り込むにはかなり腰を屈める必要あり。2+2と割り切れば良いが、後部座席に大人が乗り込む機会が多いユーザーは考える必要あり。ドライバーである自分が後ろに乗る機会は少ないが、実際買うなら個人的にはここが最大のネック。内外装のデザインをみてもファミリーよりは男性、パーソナルユース向けの印象。後部座席は補助で「2+2」と考えたい。
余談ではあるが、プリウスはタクシーとしても使われているが、タクシーとして使うには法律で開口部に規定以上の高さが必要なのだそうだ。プリウスはぎりぎりこの基準をクリアしているが、インサイトでは無理のようだ。インサイトのタクシーはお目にかかれそうにない。この点ではプリウスの圧勝!
②後方視界の悪さ:
初代CR-Xを思い出した。(年齢がわかりますね。)ルーフの形状からは仕方ないかも知れない。後方視界を確保するためのエクストラウィンドを備えてはいるが、死角になる部分は多い。(これはプリウスも同レベルかな)
③乗り心地の硬さ
これは好みがあるかも知れない。フィットもそうだけど、ファミリーユースとしては結構硬い。路面の凹凸を拾っているので、シートの薄い後部座席で長距離は結構つらいかも。
④内装、特にインパネ周りの質感
価格を考えるとしょうがないが、動力と空力性能を上げるために金を使ってしまい内装にまわす余裕がなくなった感じ。硬質プラスチック丸出しのインパネ周りは、価格的にはクラス下のフィットと同レベル。同じ価格帯のカローラあたりと比べると質感の差は明らか。
あと気になったのが、営業マンのセールストーク
車について質問すると、二言目には「プリウスは××ですが・・・」となる。ライバル視する気持ちは良くわかるが、バッテリーとモーターはあくまで補助とし、出来るだけ低コストで高燃費を狙うインサイトと、バッテリーとモーターをきちんと動力として考え、よりEV(電気自動車)に近づけようとしているプリウスでは、同じハイブリッドであっても、求めるものが違うので単純に比較するのは間違っていると思う。
- デザイン
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