DSオートモビル DS7 クロスバック 「旧来のハイドロをクロスオーバーで表現するには...」のユーザーレビュー

小三寺 有和郎 小三寺 有和郎さん

DSオートモビル DS7 クロスバック

グレード:グランシック ブルーHDi_RHD(EAT_2.0) 2019年式

乗車形式:マイカー

評価

3

走行性能
2
乗り心地
3
燃費
4
デザイン
5
積載性
4
価格
1

旧来のハイドロをクロスオーバーで表現するには...

2022.5.11

総評
とにかく、見た目!
ディーゼルは凄くうるさいし、
乗り味も期待以下。
燃費も特別優れるという訳でもない。

ただ、同セグメントのコンペティターに対し圧倒的有利な「オサレ感」。
そして、この車で無ければ見れない景色、運転支援のレベルの高さなど、十分に愛車として選択するに値する車で有ることに間違いない。
新たなフレンチSUVでもラテンな印象は健在、少々クセがスゴいが許せてしまうのは贔屓目か...

好きなら購入を!!
おすすめの車か?いいえ。
CX-5やティグアンの方が色々出来高良くてコスパ的にもおすすめです。

でも、DS7を好きで買って損しません。
満足している点
何と言っても、内外装のデザイン。
外面はいい意味で仏車らしい部分と、独車を勉強したんだろうかと言うような全体の纏まり感。
カビゴンスタイルでずんぐりしそうなものだが、上手くスタイリッシュに仕上がっていて大変満足。
というかむしろデザインしか見てない❗笑
内装は仏流の美学爆発といった具合に細かい部分まで質感が高い。
格好命という感じで使いづらいスイッチなどもあるが、カッコいいからいいでしょ?と言わんばかり。
それに対しコチラも「うん...😊」となってしまうくらい、デザインがいい。
不満な点
ズバリ乗り味。
DS(シトロエン)としてあまり良くない。
後述しますが、正直アクティブスキャンサスペンションがいい仕事するのはよほど条件の整った路面だけで、期待するほどのものではなかったと言うのが素直な印象。
ただ、メカサスでも演出したかったのであろう「ハイドロ感」「浮遊感」に敬意を表し、また、旋回でリアを使おうとする動きにも嬉しさを覚えたので不満はあれど、購入に至った。
デザイン

5

エクステリアデザインで注目は、テールランプ。
ルーブル美術館のピラミッドをモチーフにしたというその実にキラキラしたひし形のテールの発光に目が奪われる。
しかも、ランプユニットの上側に配置されるウィンカーがシーケンシャルで、下側にいるルーブルテールにイチイチ反射してそれがまた堪らない。

ヘッドライトのクルクル🌀演出も素晴らしくきらびやか。
これにはちゃんと機能もあり、実はアダプティブヘッドライトとして実にきめ細やかな操舵感応である。
ローでもハイでもチコチコとランプが動いて先を照らしてくれて中々に頼もしい。
走行性能

2

私のMY2020だけなのだろうか。
スロットルの反応がとにかく悪い。
ターボラグなどではなく、明らかスロットルが「遅開き」。
まるでDCTのクラッチ保護動作に近い。しかも、それは発進だけでないのである。
無論、スポーツモードに入れればこれでもかばかりにトルクが「グァー」っと立ち上がる。少々気分屋で使いづらい印象だが慣れの問題か。

ブレーキは実に良く効く。ともすれば、スポーツカーもかくやの効き味である。
踏力感はよい。
どうよいか、ストロークではなく、しっかりその時与えた踏力に応じて内圧が掛かる効き方だ。
しかも、結構高機能。速度感応らしく、速度高めの時は踏力感が固めでしっかりした足応えで効き味がいい。
逆もしかりで、速度がそれほどでもない場合は踏力感が柔らかめ。
とはいえスポンジーではないが。
全体的にコントローラブルでファンタスティック(笑)なブレーキだが、最後の0/1~3キロ辺りの抜きが難しい。
アイストの関係か、希望の抜き点ではエンジンが再始動してしまいがち。
逆にそのままにしておくと、ノーズが徐々に持ち上がりつつも最後の最後にクンっと引っ掛かりが急に取れたような乱暴な持ち上がり方を見せる。
まぁ段々車と対話が取れてきてだいぶマシにはなったが...
慣れに時間を要したのは事実。
乗り心地

3

不満な点で挙げたここ。
いくつかの要因はあるので、私なりの感覚でお伝えしたい。
ーハンドルー
小径でカッコいいのだが、それがネック。ギア比的にはクイックレシオでないはず。しかしながら、思った通りにハンドルを切っていると意外に操舵角が深いらしい。運転中はいいのだが、後ろにいるともっと穏やかな操舵をお願いしたくなるものだ。

ーサスペンションー
・スプリング
SUV系のものは結構ガチガチにする傾向にあろう。ロールを嫌って、ハンドリングにセダン並みにetc...
とあり、速度が高くなるとフラット感が出るものの、事突き上げに関しては硬い、ザラつく、ガタピシする。
てな感じでいわゆるハーシュネスが結構強いものが多く、個人的にはSUVがニガテ。

しかしDS7はやっこくしてある。
ここが恐らくダンピングよりミソで、金属バネでも往年のハイドロのフワフワと浮遊感を演出する上で大切な味付け、ロールは「しない・少ない」が間違いで、ゆっくりとしたロールスピードにして、たっぷりロールすればいいんだよ‼️と言わんばかり。
カチカチより好みだが...
これのハイドロ風味がちょっと無理あるんじゃない?と。
表題の通り...(後程)

・ダンピング
フワフワのスプリングと合わさって減衰も柔め。
この車はモード切り替えがあり、そのうちコンフォートモードなるものを選択すると、ご自慢のアクティブスキャンサスペンションが作動する。
しかしこのコンフォート、よほど路面の整地性が良くないと恩恵が受けられないばかりかむしろ揺れがでかくて乗り心地が悪い。
ノーマルとエコは恐らく同じダンピング閾値。可もなく不可もない柔らかいタッチの減衰。
全体的に緩い減衰と柔いスプリングとが相まって、速度高めでもフラット感があまり出ない。路面の綺麗な新東名や湾岸線くらいしか気分いい場所があまり無い。
スポーツモードだけは異質。
明らかにダンピングが上がり、ホイールトラベルに対してキツめに動きを抑制する。
しかし、スプリングが柔らかいのは当たり前ながら変わらないので、コシも増して、ロールもしっかりしつつ向きが変わる特性は独特で面白いし、芦ノ湖スカイラインでも気持ち良く走らせる事が出来る。

・ブッシュ系
これ、全体的に柔め。
ノーマルの20インチではバネ下が重すぎて車の前後方向に揺さぶられやすかった。
逆もしかり。
このブッシュ特性、ダンピング、レート全てが「擬似ハイドロ」に繋がっているんだろうとも感じられ、これブッシュを締め上げられちゃうと結果として、浮遊感が生み出しにくくなってしまう。
新生DSとして目指した方向がしっかりしてたからこそ購入したものの、車の仕上がりとしては難あり。

ー総じてー
この方向性、特性的に無理があると言うのは、タイヤ外径が大きくなSUVで20インチ級の極大ホイルではバネ下が重すぎてバタツキ過ぎるし、これをSUVでやるのならマクロン仕様と同じ100mmストレッチにすべきだ。
ホイールベースは全長に対して長めだが、そもそも全長が短すぎる。
よって収まりが悪く、路面がよほど良くないと擬似ハイドロは享受できず、やたら揺れるカボチャの馬車にしかならない。

常に路面を捉えている割りにキャビンに伝えない点だけは秀逸だと思うし、条件揃った時のハイドロ風味にはいつもニヤつかされるが、大きいギャップでブルンブルン震えるし、極低速で舗装の荒れた細い住宅地などではゴツつくし、はっきり言って実用域では良さが全く分かりにくいのだ。

小さすぎるハンドルでキャン×キャン向きが変わろうとする割りに妙に直安高いし、足とボデーの動きに乖離があるからひょこひょこ修正当てたくなって乗り味が落ちるのだ。

これらの問題、この味を出来るだけコンサバで大柄なセダンでやれば問題なくかつての栄光に近づけるだろう。

無理に売れる形狙ってSUVに「流行った」結果こうなってしまっているのが明白で、私個人の感覚に言わせれば、無理があったように思うと言うわけなのだ...
積載性

4

Cセグメントで比較的コンパクトなので前車のパサートに比べれば困るほど狭いが、2列目倒せばギリギリ車中泊プラス荷物3日分はどうにかなる。
燃費

4

サンルーフに喜んで全開なのにエアコンまで全開だし、DPFクリーン狙ってマニュアルモードで引っ張って熱量上げながら使うことが多いので12~14程度。
最高でも21。これは高速を500km近く走った後の数値なので参考程度。
価格

1

故障経験
まだないが気になる点。
1,ヘッドライト
→くるくる演出と、なんCHARAアシスト等機能満載でLEDなのにassyの熱量が半端なく、シール類の劣化が早そうな印象。

2,センターモニター
→めちゃめちゃ熱もつ。
Dで確認したところ、他のシトロエンプジョー系でも結構熱いらしく異常ではないとのこと。
しかしここも、新しい内はいいけど、古くなってくると問題が起きてきそうだ。

身から出た錆系の故障が多そうな印象。
適度に使ってうまくケアする必要がありそう。

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