シトロエン クサラピカソ 「必要にして充分な、コンパクトな万能車」のユーザーレビュー

必要にして充分な、コンパクトな万能車

2019.12.19

総評

不要なギミックやディテールに頼ること無く、「より理想的な使い勝手を追求した結果、他とはちょっと変わった車に仕上がった」と言う、実にCITROËNの本質を具現化した車です。

“変わっていることを自己目的化”したり“過去のディテールを孫引き”したような車とは一線を画した、不世出の車です。

残念ながら販売台数が少なく、また状態の良い中古車の流通も少ないことから、お薦め度の☆をひとつ削ります。

満足している点

全長4.3mのコンパクトな車体ですが、優れたパッケージングレイアウトの賜物でスペースユーティリティーは特筆ものです。

窓が広く、開放感に優れます。フロアを若干高く設計していることで、側面衝突によるリスクを減らすことが出来ています。

センターコンソールが無く、またアームレストも簡単に取り外せるため、250クラスのオートバイレーサーを運ぶ事が出来ます。（リヤハッチの傾斜が強いので、シートカウルは外す必要があります）
フロントシート間に前輪を滑り込ませれば、ベルトで固定するまでの間自立させることも可能です。
アップハンドルのママチャリも、そのまま楽に乗せられます。

チャイルドシートは後席に３脚列べる事も可能で、一人っ子なら左右に祖父母を、また二人なら真ん中に親を乗せ左右にチャイルドシートでお世話が可能です。前後シート間でウォークスルーも可能なので、状況に応じて任意の席に座る事が出来ます。

シートはバックレストをたたんだり、ダブルホールディングするほかに、簡単に社外に取り出すこと（これとても大事です）が可能です。それによって広大なスペースが生まれます。

車体サイズに対してロングホイールベースなので、ピッチングの少ない快適な乗り心地です。足下のスペースも充分で、左右のウォークスルーも可能です。

パワステのアシスト量が適切で、街乗りから高速まで安心してステアリング操作ができます。ロードホールディングも充分で、速いペースでワインディングを駆け抜けることも可能です。

後席三座が平等で、積極的に真ん中に座りたくなるのはムルティプラとおんなじです。　(^0^)

センターメーターは、必要な情報以外をブラックアウトでき、夜間の長距離運転で目の疲労を軽減できます。

リヤウインドウ用ワイパーの払拭面積が広く、充分に実用になります。
フロントワイパーも、運転席側が遅閉じで拭き跡を残さない、手抜きの無いRH仕様で好感が持てます。

不満な点

ATトランスミッションのセッティングが今ひとつで、停止直前にシフトダウンするのでブレーキコントロールをしてもショックが伝わります。

革巻きのステアリングの素材と断面形状が悪く、経年劣化でベトつきが生じます。真円に近い断面は手の大きさや握り方によっては不自然な印象です。

リヤのパーセルシェルフとハッチを繋ぐゴムベルトの素材が悪く、あっという間に伸びきって使い勝手が悪くなります。

テールランプへのアクセスが悪く、夜間出先でのバルブ交換は絶望的です。

クルコンは緻密な制御が出来ません。ちょっとスピードが出すぎてあわてて車速を落としたり、速度が落ちすぎてあわてて加速するなどのギクシャク感が恒について回ります。

リヤシートのヒップポイントとフロアの距離が不足気味です。足の長い人では、ちょっと体育座り的な印象を持ちそうです。

デザイン

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走行性能

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必要にして充分なパワーと運動性能を備えています。

乗り心地

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非、ハイドロ車ながら、ゆったりとしたピッチングとロール特性で、バネシトらしい優れた乗り心地です。

積載性

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スリードアの冷蔵庫からママチャリ、250ccのレーサーまで積めます。
一人で運搬可能な物なら何でも積めてしまうんじゃないかと言うくらい、積載能力に優れています。

燃費

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トータル燃費は10km/ℓ程度。
最高で15km/ℓ。

価格

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故障経験

お約束のATトラブル。