シボレー コルベット コンバーチブル 「往年のV型8気筒ミッドシップレイアウト」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
5
走行性能
4
乗り心地
4
積載性
3
燃費
3
価格
3

往年のV型8気筒ミッドシップレイアウト

2022.1.17

年式
2020年8月〜モデル
総評
憧れのV8搭載コルベット。電動化の波を考えると新車で手に入るのはここ数年だろう。自動車税の支払いは駐車環境が許すのであれば1秒も迷うことなく購入へとコマを進めてほしい。後方の視界は悪いが前方の見切りはよく視界は天地方向にも広いので運転しやすい。
満足している点
クルマ好きの多くが知っていて、そしてアメ車好きなら一度は憧れるコルベット。それが右ハンドルで味わえるのだからいうことない。さらに驚いたのは社内HMIの数々で、運転席を囲い込むようにレイアウトされたインテリアデザインは見た目だけでなく使い勝手が最高に良い。
不満な点
数少ない不満点は駐車環境を選ぶことだ。バックビューカメラは備えるが左後方の視界はほぼ望めない。なので、よっぽど駐車時には気をつけないと低い位置にある障害物にヒットさせてしまう可能性もある。
デザイン

5

ミッドシップレイアウトならではの低いフードと大きく安定したリヤデザイン。まさしくスポーツカーのデザインでありながら、コルベットが大切してきたデザインアイコンも随所に取り入れている点が新しい。低重心化を想像させる面構成もそのひとつだ。
走行性能

4

V型8気筒6.2気筒OHVは往年の味が薄いと評されるものの、改めて乗ってみるとその咆哮は麻薬のよう。サーキットではその蹴飛ばされるような加速をしっかり受け止める足周りが光る。ルーフ脱着可能なクーペとコンバーチブルは基本的に同じ走行特性だ。
乗り心地

4

ドライビングモードの変更により電子制御ダンパーの減衰特性も自動的に変更される。マグネティックセレクティブライドコントロールと称されるそれは、市街地では角のない上質な乗り心地を、サーキットでは伸び/縮みとも一気に引き締められる。
積載性

3

ミッドエンジンレイアウトのスポーツカーなので積載性には期待がもてなさそうだが、フロントには国内線持ち込み可能なスーツケース1個相当、リヤにはゴルフバック1個+アルファのラゲッジルームをエンジン後方に備える。
燃費

3

気筒休止機構が備わる同エンジン。4速40㎞/hあたりを超えると気筒休止が働いてV4エンジンになる。それゆえ、日本の公道でゆっくり走らせているとV型4気筒3.1lエンジン相当に。高速道路でも低負荷なるとV4モードになり、100㎞/h巡行では12.0㎞/l以上を記録する。
価格

3

1250万円と高価ではあるが、このパフォーマンスから考えればむしろリーズナブルに思えてくる。ただ、所有するとなると車両価格だけでなく11万円の自動車税に車幅1940㎜を許容する駐車環境が必要にある。その意味で、ユーザーを選ぶクルマであることは確かだ。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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