BMW X3プラグインハイブリッド 「自宅に充電設備を設置できるのならば」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

自宅に充電設備を設置できるのならば

2023.9.13

年式

2020年4月〜モデル

総評

いうなれば「SUVの3シリーズ」。かつては異端児的なモデルでしたが、今ではすっかり定番になった感じですね。楽しく走れて、後席や荷室の広さも実用的。パワートレインのバリエーションの広さも魅力です。

満足している点

走りが楽しいところ。さすがBMWですね。「M40i」ともなれば、キレッキレの走りにスポーツカーを運転しているのかと勘違いするほどです。

不満な点

正直なところ、コストパフォーマンスが高いとは言い難いでしょう。とはいえ、それも含めてBMWということで。

デザイン

3

2022年モデル以降は顔つきこそ最近のBMWテイストにアップデートされていますが、ベースにあるのは内外装とも「ひと世代前のBMWのテイスト」。特にボディの造形は、新世代とは大きな違いを感じます。しかし、最新ではないからといって魅力がないかといえばそれはまったく別の話。むしろ、最新のデザイン言語よりもひと世代前のテイストのほうが落ち着くという人もいるのではないでしょうか。

走行性能

5

SUVでもやっぱりBMWですね。4WDながら後輪駆動ベースのメカニズムはSUVとは思えないほど気持ちよく曲がり、背の高さを感じさせずに峠道をスイスイ走れます。パワートレインのイチオシは「M40d」。希少な存在といえる6気筒ディーゼルのトルクフルで軽快なフィーリングは味わう価値ありです。いっぽうで、刺激が欲しければ運転していてスポーツカーかと勘違いしそうになる「M40i」の直6ガソリンターボは超魅力。ただし、一度その味を知ると普通のモデルには戻れない身体になってしまうので、試乗するには覚悟が必要かも。4気筒エンジンでも動力性能に不足はなく、特にディーゼルは燃費も含めてもっとも経済的な選択と考えられます。もしも自宅に充電設備を設置できるのならば、日常生活範囲はエンジンを止めてモーターだけで走れるプラグインハイブリッドの「30e」もいいですね。モーターの走りは、それはそれで癖になりそうなスッキリ感があります。

乗り心地

3

良好な範囲内ですが、サスペンションは気持ち硬め。特に「M Sport」系のモデルは路面の細かい凹凸を拾い気味で、路面からの入力が大きめだと感じる時があります。「M40」系はさらにハードな足回りとしているものの、電子制御サスペンションのおかげでコンフォートモードに入れれば想像以上に快適な乗り味なので参考までに。

積載性

4

荷室容量は550Lと十分。リヤシート可倒も左右と中央が分かれた40:20:40の3分割で、アレンジは幅が広いのがいいですね。願わくば……BMWのツーリングワゴンが採用しているリヤウインドウだけを開閉できる機能もあると嬉しいですが……とはいえライバルも採用しているわけではないので、そこまで求めるのはねだり過ぎでしょうね、きっと。でも、あればライバルに対するアドバンテージになる気がするんですけどね。

燃費

3

燃料コストを気にするなら4気筒ディーゼル、もしくは自宅で充電できる前提でプラグインハイブリッドモデルを選ぶのがいいでしょう。

価格

2

以前は600万円台中盤から買えた時期もありましたが、2023年夏の時点でもっとも手ごろなモデルは「xDrive 20d」で790万円から。国産の同じクラスであるマツダ「CX-60」あたりに比べるとお高めですが、それはドイツのプレミアムブランドということで……。