BMW M2 クーペ 「 M一族のやんちゃな末娘」のユーザーレビュー

M一族のやんちゃな末娘

2019.8.7

総評

少し遠出をしてM2という車をじっくりと確かめてみました。

ひと言で言うなら、M一族のやんちゃな末娘。
兄貴分のM4を分別を身に着けた（指導者の道を見据えた）大人の
アスリートと例えるなら、末娘であるM2はまだまだ現役ばりばりのアスリート。
ただ今だけを見て、ストイックに競技を楽しんでいる、という感じでしょうか。

意外なことですが、現在のMシリーズの中ではもっともスパルタン
に感じました。M4が洗練された高級クーペ然としているのに比べると、
Ｍ2は無骨。可変サスペンションをあえて採用しない、ごつごつとした乗り味。
軽くアクセルを踏むだけで飛び出す爆音など。終始やる気に満ちあふれて
います。

小柄なボディに大きなエンジンを積み、強力なブレーキを装備する。
古典的なスポーツカーそのものの成り立ち通り、昨今の乗りやすいスポーツカー
のような繊細さや洗練はあまり感じられません。

この辺はあえて粗野さを演出しているのかな、と。

この終始やる気に満ちあふれている感覚。
アラフォーが付き合うには厳しいです。気力で負けてしまい、乗るのが億劫
になるような感覚に幾度も襲われました。精神力と体力に満ちあふれている
三十代前半であれば、この荒さも楽しめるかもしれません。

（あくまで非コンペティションの感想です）

満足している点

・ほどよい大きさ
全長4475mm×全幅1855mm×全高1410mm
日本ではこれくらいのコンパクトさが運転していて楽ですね。

・自由自在な加速
どの速度域からでも、仮に坂道でも思うがままの加速が出来ます。
そのストレスフリーな加速感は癖になります。

・強力なブレーキ
どんな状態でも安全に速度を落としていく。
その信頼感は絶大。反面で制動力が立ち上がるのがやや
急で、どうやってもカックンブレーキになってしまいました。

・セダンペースのクーペ
あくまでセダン/ハッチバックがベース。全高も高く、全体のプロ
ポーションにやや歪さを感じる部分があります。テール部分の寸足らず
さなど。反面で乗り降りの楽さや室内空間、トランクの広さなどはセダン
準拠の使いやすさ。このプロポーションが実に使いやすい。
3泊程度の旅行なら、二人分の荷物を積んでもまだまだ余裕がありそうでした。

・想像以上に燃費が良い
市街地や山間部を700キロ程度走ってメーター内の表示によると
リッター辺り11.7kmの高燃費。直6 3000cc/370psというパワーを考える
と素晴らしい。（JC08モード燃費は12.3km/Lです）

不満な点

・DCTの癖
停止時からゆるゆると動き出した時、アクセル開度と自分の感覚に
ズレがありました。やや引っ張っているような感じ。スポーツモードに
すれば良いのでしょうが、それではやや過激すぎる。コンフォートモードで
ゆったり乗りたい時にこの感覚はストレスでした。

・ハンドリング
路面からのフィードバックがほとんど感じられず。
路面のざらざらまで感じられるような車がある中で、
ここは残念でした。

・内装が素っ気ない
M4に比べてみると、やはり全体的に一昔前の仕立て。
（スパルタンな性格に合わせているのでしょうか）

・脚が硬い
普通の路面ではやや硬めかな？という程度なのですが・・・。
路面が荒れていると途端に硬さが顔を出します。まるでジェット
コースターのように頭がグワングワンと揺すられる。跳ねる。
これは少ししんどいものがあります。

・冷感時のエンジン音
エンジンが温まるまでは爆音です。これでは早朝にエンジンを
かけるのに気が引けます。周囲の人からクレームが入りそう。

・車内が暑い
小柄なボディに大柄なエンジンを積んでいるせいか、
やたらと手元と足下が暑くなります。

・ACCが欲しい
このご時世ですから、MといえどもACCが欲しいと思いました。

デザイン

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走行性能

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乗り心地

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積載性

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燃費

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価格

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故障経験