2017年5月
■2017年5月
アウディジャパンは、6年ぶりに「アウディTT RSロードスター」をフルモデルチェンジして、2017年3月17日に受注を開始し、同年5月中旬に発売した。
「TT RSロードスター」は、アウディのハイエンドスポーツモデルを手掛ける「アウディスポーツGmbH」が開発した「TT」ベースの高性能モデル。パワーユニットは新開発のオールアルミ製2.5リッター5気筒TFSIガソリン直噴ターボを搭載。先代に対して最高出力は60ps向上した400ps(294kW)、最大トルクは30Nmアップの480Nmを発生する。リッターあたりの出力は161.3psとなり、1700~5800回転の幅広い領域で最大トルクを発揮するおかげで0-100㎞/h加速は3.9秒(欧州仕様値)を実現。最高速についてはリミッターにより250㎞/hに制限されている。
トランスミッションは7速Sトロニックを設定。駆動方式のクワトロフルタイム4WDシステムはコンパクトかつ軽量な電子油圧制御式の多板クラッチをプロペラシャフトの後部に配置することで前後重量配分に配慮している。これをTT RSとしては初めて「アウディドライブセレクト(コンフォート・オート・ダイナミック・インディビジュアル)」の4つの走行モードと協調制御することで、先代モデルよりも緻密な制御が行われる。コーナリング時には狙ったラインをトレースできるようにトルク配分が調節され、ドリフト状態になった場合でもESCが内輪のブレーキを調整する。ボタン操作でESCの作動を完全にキャンセルすることも可能だ。また、環境性能についてはJC08モード燃費11.4㎞/Lを達成している。
エクステリアは、ハニカムメッシュのシングルフレーム、専用フロントバンパー、固定式リヤスポイラーなどを装備。アウディの量産モデルとしては初となるOLED(有機発光ダイオード)を採用したテールライトがオプション設定された。オープンボディは補強によってクーペよりも70kg重くなっているが、敏捷性に影響を与えるソフトトップの重量はわずか39kgに押さえられている。ソフトトップは電動開閉式となり、約10秒で開閉することができる。50㎞/h以下であれば走行中でも開閉が出来、電動ウインドディフレクターも標準で装備されている。
インテリアは、インストルメントパネルに12.3インチのTFTディスプレイを採用。スピードメーターやタコメーターだけではなく、ナビゲーションシステムをはじめとするさまざまな情報を表示できるアウディバーチャルコクピットが標準装備となる。RS専用のスポーツシートには、オプションでエアスカーフの装着が可能だ。
シャシーは4リンク式リヤサスペンションを採用。「TT」に対してスプリングとダンパーはより硬めに設定され、車高も10mmローダウン化された。電子制御の可変ダンパーを用いた「アウディマグネティックライド」が採用されており、ドライブセレクトを介して減衰特性を変化させることが可能だ。ステアリングは舵角が大きくなるほどレシオが速くなるプログレッシブタイプで、RS専用のスポーティなチューニングが施された。ブレーキは前輪が370mm径のベンチレーテッドディスク、後輪は310mm径のソリッドディスクを採用。前輪のブレーキディスクについては、オプションでカーボンファイバーセラミック製を選択することが可能だ。