アウディ A3（セダン） 「走りを楽しむなら4WDがいい」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

走りを楽しむなら4WDがいい

2023.1.11

年式

2021年5月〜モデル

総評

上質で（比較的）小さめのセダンを探している人にとっては、いい選択肢となるでしょう。スポーティ感のある走りもいい感じですね。クルマ好きや運転好きならエンジン出力に余裕があるAWDモデルを選んだほうが満足できると思います。

満足している点

なんとか“手ごろなサイズ”といえる欧州のセダンだってこと。プレミアムブランドらしくインテリアの仕立てから乗り心地や静粛性まで、クルマの作りが洗練されている（コストがかかっている）のは好感が持てます。あと、フェンダーの張り出し感が強調されたデザインは見逃せません。

不満な点

価格がそれなりに高価なこと。まあ、プレミアムブランドっていうのはそういうものですが。あと、1.0Lモデルは日常領域での動力性能に不満はないものの、巡行状態からグッとアクセルを踏んだ時などに反応が鈍いのが気になります。

デザイン

4

A3セダンで注目すべき……というか個人的なお気に入りポイントは、なんといってもフェンダーの張り出し感。バリッと張り出した立体感は、まるで鍛えた筋肉のようであり、スポーツカーのようにハイレベルな走りを連想させます。文句なしにカッコよく美しい。そして光が差したときに生まれる陰影も芸術的。

走行性能

4

FFモデルは1.0Lの3気筒ターボエンジン、「クワトロ」と呼ぶ4WDモデルは2.0Lの4気筒エンジンを搭載。前者でも3気筒のチープな感覚はあまりなく必要にして十分な動力性能（期待以上によく走る）は備えていますが、アクセルを踏んだ時の反応が鈍く感じられる状況があり、ゆとりを持って乗るなら後者の2.0Lが欲しくなりますね。具体的に言えば、高速道路の合流とか追い越し加速でパワーが余裕に直結するので運転も楽になります。

乗り心地

4

全体的に悪くはありませんが、より上質な乗り心地を求めるのであれば2.0Lエンジンを積む「40 TFSI」系がオススメ。リヤサスペンションがマルチリンクになる効果なのか、路面から伝わるコツコツ感が減って明らかにしっとりとした乗り心地を得られます。プレミアムブランドに期待するなら、ぜひこっちを味わってほしいですね。

積載性

4

積載性を期待するなら、ハッチバック（スポーツバック）よりもセダンです。ハッチバックに比べると荷室の前後長が15cmほど長く、そのぶん日常の実用性が向上。それにしても、ボディは全長4.5mに全幅1.8m超えとは、ひと昔前のA4のようなサイズで立派ですね。

燃費

3

小排気量3気筒エンジンを積む「30 TFSI」系のWLTCモード燃費は17.9L/kmと驚異的。マイルドハイブリッドとはいえ、その貢献度は最大でも1割ほどでしょうから、エンジン自体の燃費の良さと考えていいでしょう。実燃費でもかなり伸びる印象です。4気筒の「40 TFSI」だとそれよりは落ちますが、WLTCモード13.5km/Lで郊外や高速巡行だとそれよりもいい数字が出ることも多いので実力はなかなかです。

価格

2

素の「30 TFSI」だと300万円台中盤で「おやっ？」と思わせるようなプライスですが、エアコンがマニュアル式だったりとプレミアムブランドとしてはちょっと微妙な気がしなくもありません。そう考えると「Advanced」以上を狙いたいところ。ところで、「S3」にならないとカーナビはオプションですが、プレミアムブランドとして考えるとそれはどうなんでしょうね。Apple CarPlayやAndroid Autoを活用すれば問題ない!?