アバルト 695 （ハッチバック） 「いまではもう消えかけつつある、シンプルなMT車。」のユーザーレビュー

いまではもう消えかけつつある、シンプルなMT車。

2023.10.8

総評

介入の少ない、シンプルなMT車に乗りたい、と思っているのならこれが最後でしょう。
大人４人のフル乗車は厳しくとも、大人２人＋後席子供なら余裕のファミリーカーですネ。

満足している点

小さな見た目に大きなエンジンを詰め込んだじゃじゃ馬。
ABSとVSA、エアバッグ程度の必要最小限な安全装置に、左ハンドルMT。
純内燃機関で動かす、最低限の介入の『操れる』車は、良くも悪くももうこれが最後では？

不満な点

積載性も、乗り心地も、「まあこんなもんでしょうね」の許容範囲内。買う前にリサーチしてるでしょう？と。
むしろ想定よりもずっといいです。

想定外だったのはマフラー音。お店で聞いたときよりも住宅街ではずっと響く……。
坂道や半クラでのオートブリッピングも要らないなあ。
勝手に戻ってくるドアも地味なストレス……開閉特性調査やっとるんか？
それと、うん……皆さんおっしゃる小回り。


あとはお値段……流石に高すぎです。唯一無二だから仕方ないけど。値段は変えずにダマテンで装備簡略化、仕様変更する売り方は正直不信感すら。

デザイン

5

愛らしい外見にエアロで武装したベビーギャング。
695エッセエッセは可変リアスポイラーに、言われないと気が付かない人もおられるであろうツインバルジのアルミボンネット。差し色の白のセンスに思わずにっこり。
決して高いマテリアルを使った高級車ではないのに、センスの良さがカバーしてると思います。

走行性能

4

小さなボディは当然軽量。そこに180馬力もあるもんだからビュン！です。
一方で、その短いホイールベースは荒れた路面にぴょこぴょこ跳ねちゃって大変です。

しっとりの真逆の元気のいい乗り味で、良くも悪くも楽しくって、疲れる、かわいい車ですね。
3000回転越えたあたりで過給圧が立ち上がってくると、途端に音も勇ましく、スーパーカーみたいな排気音でやる気をそそられます。（バルブ開放機能つけておいた場合、ですが）

乗り心地

3

ある程度の入力は「どすん！」「ずしん！」ですが……許容範囲内。決して良くはないけれど、我慢できるレベル。
そのキャパを超えた入力があるとちょっと辛いです。運転手でそうなので、恐らくパッセンジャーは……。

幸いに、後ろのシートの住人はすやすや寝てますが。

積載性

2

期待した以上には乗りますが、大物は後ろ倒さないと無理ですね。お買い物はこまめに、大物はネットスーパーで。
アマゾンとか、楽天とか、ヨドバシカメラとか、上手に使いましょう。

燃費

3

街乗りリッター10キロ程度。ガソリン代高騰中のいまは決してエコではないですが……とはいえ、スポーツカー？ですし、まあそんなもんでしょう。トホホ。

価格

1

はっきり言って高すぎ。
品質に対しての価格で考えると今の価格はコスパがいいとは言えませぬ。（コンペ300万代時代ならまだしも）
唯一無二の価値を人質に容赦ない値上げと、ダマテンでの仕様変更（下方修正）は足元見すぎです。

とはいえ、次世代アバルトEVは600万オーバーですし、そもそも円安のせいなどもあるのでしょうがないかな、とも思うわけです。

故障経験

納車直前にに「高圧スチームでランプベースの接着剤が剥がれちゃいました」なんてお茶目もありましたが
ある意味イタ車ですしそんなもんでしょう。深刻な故障はこれからでしょうし、まあのんびり構えておきます。