初代の成功を着実に伸ばす改良
英国ではキア2番目の売れ筋モデル、ニロが2代目へモデルチェンジする。EV6ほど革新的なモデルではないが、同社としての重要度はそれに並ぶといっていい。
【画像】2代目へモデルチェンジ キア・ニロ 欧州でライバルとなるクロスオーバーと比較 全105枚
初代ニロは、コンパクト・クロスオーバー市場で、多くのライバルに打ち勝ってきた。手頃な価格だけでなく、ハイブリッドから純EVまでラインナップし、電動化技術でも多くのユーザーを惹きつけてきた。
一般的に、内燃エンジン車と電気自動車を同じプラットフォームで作ろうとすると、パッケージングなどで妥協せざるを得ない。大きなエンジンとバッテリーは、特性も形状もまったく異なる。それでもニロは、訴求力のあるモデルだった。
だが、競争は日に日に激しくなっている。トヨタC-HRやホンダHR-V(ヴェゼル)、ルノー・アルカナなど、このカテゴリーには実力派のハイブリッド・ライバルが少なくない。純EV版のニロは、もう少し平穏かもしれないが。
2代目へ一新するニロは、初代の成功を着実に伸ばすことを目指している。プラットフォームは、第2世代のK3と呼ばれるものを採用するが、基本レシピに大きな違いはないようだ。
2種類あるハイブリッド版は、軽く改良を受けた1.6L 4気筒ガソリンと駆動用モーター、6速デュアルクラッチATという組み合わせ。駆動用バッテリーは、フル・ハイブリッドで1.32kWh、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)で11.1kWhの容量を持つ。
駆動用モーターは、フル・ハイブリッドが43ps。PHEVでは84psのものが組まれる。
スタイリングはアグレッシブに一新
ニロEVを名乗る純EV版は、初代と同じ64.8kWhの駆動用バッテリーを搭載。航続距離は最長466kmと不足ない。先代ではニロ全体の販売台数の約半数を、純EV版が占めていたという。
今回試乗したニロは、1番ベーシックなフル・ハイブリッド版。ただし、まだ完成前のプロトタイプではあったけれど。初代の場合、英国ではニロ全体で約4割の支持を集めた、2番人気のパワートレインだ。
ハイブリッド・システムは概ね先代のキャリーオーバーながら、スタイリングは大幅に一新している。初代と異なり、ずっとSUVらしいプロポーションが与えられた。アグレッシブなフロントマスクは、EV6などにも通じている。
キアの特徴となっている、フロントグリルはまだ健在。エアインテークとしての機能は殆どなく、装飾的な要素ではあるけれど。写真では、一部に偽装も施されている。
ボディサイズはひと回り成長し、全長で65mm、全幅で20mm大きく、見た目の存在感も強くなった。混雑した市街地などでの取り回しに影響があるとはいえ、車内空間もしっかり広くなっている。
リアシート側も、大人にとって不満のない場所だと呼べる。それでいて、荷室側が犠牲になってもいない。
ニロの荷室容量は、リアシートを起こした状態で451L。トヨタC-HRより僅かに広いものの、ルノー・アルカナには届いていない。ハイブリッド用の駆動用バッテリーが、荷室空間を侵食してもいる。
質感を高めたインテリアデザイン
インテリアデザインは、大きく質感を高めた。メーター用とインフォテインメント用、2面のモニターがダッシュボード上に据えられ、造形的にも大胆。2スポーク・ステアリングホイールなどは、EV6と同じメーカーのモデルだと強く想起させる。
光沢の強いブラックのプラスティック・パネルが多く用いられているが、手頃な価格のニロとは相性が良い。デザイナーの新しい試みも散見され、美しく仕上がっている。
いままでプラスティック製パネルのテクスチャーといえば、シボ加工が一般的だったと思う。だが、キアは石のように見せる表面加工を施した。明るめのカラー・コーディネートも、車内の雰囲気を良くしている。
パネルに差し込まれる装飾トリムもプラスティック製ながら、真鍮のような質感が与えられている。シート表皮や天井の内張りなどには、リサイクル素材を用いているという。
車載機能のインターフェイスが、タッチモニターに集約される例が多いなかで、エアコンなどには実際に押せるハードボタンが残された点も評価したい。主にインフォテインメント用として機能を割り当てられる、多機能タッチセンサーも用意されている。
インフォテインメント・システム自体は、キアとして標準的なものが実装される。スマートフォンとの連携も有線で可能だ。
シートは座り心地が良く、サポート性も良い。座面位置はSUVらしくやや高め。身長の高いドライバーは、ステアリングホイールの調整域が足りないと感じるかもしれない。
この続きは後編にて。
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