三菱自動車の英国部門がGTOやスタリオンなど1980年~1990年代の名車をオークションに出品。そのなかの一台、ランサーエボリューションVI トミ・マキネンエディションがなんと1520万円で落札された。
海外オークションで驚くほどの高値がついたランエボVI トミ・マキネンエディション。今、日本で中古車はいくらで買うことができるのか?
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文/萩原文博 写真/MITSUBISHI、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】WRCの快挙を記念して登場した特別仕様車「トミ・マキネンエディション」とは?
■1980~1990年代の日本車はスポーツカー以外も値上がり中!
国産スポーツカーのうち、特に1980年~1990年代に登場した個体が暴騰しており、海外流出も止まらない
1980~1990年代の国産中古車の価格が高騰している。これまでは日産R32型スカイラインGT-Rをはじめとしたスポーツカーが中心だったが、先日調べてみたら初代トヨタスプリンターカリブの中古車がなんと198万円! JDM(Japanese domestic market)ブームの影響で国産車はスポーツカーだけでなく、実用車も値上がりしているのだ。
そんな日本車ブームのなか、三菱自動車の英国法人が保有する14台の旧車をオートオークションに出品した。その14台のなかに、“カルトカー”と呼ばれて、スバルインプレッサWRXとともに人気を博した三菱ランサーエボリューションが3台含まれている。
その3台のランエボの一台、トミ・マキネンエディションは10万0100ポンド、日本円で約1520万円の値を付けていた。コンディションがいい個体とはいえ、ランサーエボリューションも1000万円を超える時代がやってきたのだ。
そこで、今回は1992年~2016年まで販売されたランサーエボリューションシリーズの現在の中古車相場をチェックしつつ、そのシリーズのなかでも人気の高いエボリューションVI トミ・マキネンエディションについて詳しく紹介する。
■ランサーエボリューションの中古車事情を調査
ランサーエボリューションX GSRの5速MT車をベースに特別仕様を施したファイナルエディション
現在、三菱ランサーエボリューションの中古車は約320台流通していて、平均価格は約280万円。価格帯は約110万~約715万円となっている。平均価格の推移を見ると、多少の上げ下げはあるものの、直近3カ月は概ね横這いとなっている。
ランサーエボリューションは大きく4つの世代に分けることができる。
1992年~1996年までのエボI~エボIIIまでが第1世代。1996年~2001年までのエボIV~エボVIまでが第2世代。そして2001年~2006年までのエボVII~IXまでが第3世代。2007年~2016年までのエボXが第4世代となる。
WRCのグループA規定で参戦したのはエボI~エボVIまでで、特に1996年~1999年はランサーエボリューションを駆るトミ・マキネンは4年連続のドライバーズタイトルを獲得。1998年にはマニュファクチャラーズタイトルも獲得し、ランサーエボリューションの黄金期だった。
当時WRC史上初の4年連続ドライバーズタイトルを獲得したトミ・マキネンの偉業を記念して、1999年12月に発表され、1月から販売されたのがランサーエボリューションVI“トミ・マキネンエディション”だったのだ。
■2021年5月現在で約320台が流通
ランエボVI トミ・マキネンエディション。WRCでランエボを操り、1996年~1999年の4年連続でドライバーズタイトルを獲得したトミ・マキネンの名がついた特別仕様車
現在(4月末調べ)、ランサーエボリューションシリーズの各モデルの平均価格を見てみると、エボIの中古車は流通していなかった。エボIIは約249.5万円(4台)、エボIIIは約193.2万円(6台)。
エボIVは約194.3万円(9台)、エボVは約241.1万円(8台)、エボVIは約248.8万円(12台)。エボVIトミ・マキネンは約448万円(4台そのうち2台は価格応談)。
エボVIIは約316.3万円(20台)、AT車だったエボVII GT-Aは約220.8万円(14台)。エボVIIIは約280万円(20台)、エボVIII MRは約370万円(13台)、エボIXは約405万円(19台)、エボIX MRは約553.8万円(6台)。
そしてエボXの平均価格は約280万円(181台)となっているのだ。
もちろん、500万円以上の高価格帯にはエボXファイナルエディションがズラッと並んでいるが、そのなかに約588万円というエボIX MRの中古車があるように、ランサーエボリューション全世代のなかで約553.8万円と最も平均価格が高いのはエボIX MR。
次いで高いのが約448万円のエボVIトミ・マキネンだが、価格応談の2台の価格によってはこのエボVIトミ・マキネンが最も高いモデルとなる可能性が高いのだ。それでは、これほど人気の高いエボVIトミ・マキネンエディションについて解説しよう。
■記念限定車「トミ・マキネンエディション」の中身とは?
トミ・マキネンエディション スペシャルカラーリングパッケージ車のサイドラインはボンネットからテールライト横まで伸びる。大型リアスポイラーはGTカーも顔負けの存在感を放つ
黒と赤の2色でまとめられたスポーティなコクピット。ステアリングはMOMO製の本革巻きを採用
トミ・マキネンのロゴを刺繍したレカロ製シート
エボ6.5とも呼ばれることのある、エボVIトミ・マキネン エディションは、2000年1月8日にGSRが327万8000円、RSが259万8000円で販売された。
コンセプトは4G63型2L直列4気筒ターボエンジンを搭載した高性能4WDセダン、ランサーエボリューションVIをベースに、WRCカーを彷彿させる内外装を演出。さらにターマック(舗装路)向けに走行性能を特化させたモデルである。
外観は新デザインのフロントバンパーを採用し、空力特性の向上とエンジンの吸気温度低下による出力性能の安定化を図った。そして、エアブローダクトの見直しにより、さらに空力特性の向上を狙ったフロントナンバーエクステンションを採用。
WRCワークスラリカーと同じデザインの17インチアルミホイールを装備(RSはオプション)。そしてGSRにラリーカーのディテールを再現するスペシャルカラーリングパッケージをオプション設定した。
なお、ボディカラーはスコーティアホワイト、サテライトシルバー、ピレネーブラック、パッションレッド、そしてカナルブルーの5色を用意。スペシャルカラーパッケージはパッションレッドのみだった。
インテリアは、シート生地にレッドファブリック/エクセーヌを採用し、トミ・マキネンのロゴを刺繍したレカロ製シートをGSRに装着。そしてブラック盤面にレッド文字、目盛の専用カラーメーターを採用。
そしてレッドステッチのMOMO社製本革巻きステアリングホイール、シフトノブ、シフトブーツを採用している。
4G63型2L直列4気筒ターボエンジンには専用チューニングを施し、中低速でのレスポンス向上を実現させた。280ps/38.0kgmを発揮
走行性能アップのための機能装備は、中低速でのトルク及びレスポンスアップを狙って、コンプレッサーホイール径の小型化及び翼形状を変更したハイレスポンス チタンアルミ合金ターボチャージャーを採用。(GSRは標準、RSはオプション)。
そしてターマック(舗装路)に照準を合わせた専用チューニングを施したサスペンション(GSRは標準、RSはオプション)を搭載。ステアリングギア比はクイックステアリングギア比仕様に変更。
排圧低減による性能向上と排気音の低減を狙い、大口径シングル真円テールパープを採用した新構造スポーツマフラーを装備。そしてエボVI RSに標準装備となっているフロントストラットタワーバーをGSRに標準装備していた。
人気の高い特別仕様車の条件である、スペシャルなエンジン、そしてチューニングされたサスペンションを搭載していることがわかった。
■日本で3台しか確認されていないプレミア級の個体
かつて、筆者が所属していた編集部でMT車の社用車を購入しようという話が出た時、このランサーエボリューションVI トミ・マキネンエディションを購入することを勧めた。それは当時からこのモデルの人気が高く、売却時にも値が下がらないという確信があったからだ。
本当は最も人気の高かったエボIVにしか設定されていないカナルブルーを狙っていたのだが、さすがに予算オーバーで手が届かずスコーティアホワイトを選んだ。1年ほど社用車として活躍してくれたが、購入時と変わらない価格で引き取られていった。
現在、エボVI トミ・マキネンエディションの中古車は3台がスコーティアホワイト、1台がピレネーブラックだ。もし、カナルブルーやスペシャルカラーパッケージのパッションレッドのクルマならば、きっと500万円は下らない価格を付けることとなるだろう。
海の向こうでは1000万円オーバーとなっているが、日本ではまだ400万円からエボVI トミ・マキネンエディションが購入できるのだから、喜ぶべきことなのかもしれない。
ランサーエボリューションシリーズは高性能4WDセダンなので、前オーナーの使い方やメンテンナンスの頻度でコンディションは大きく差が付く。価格だけに縛られず、しっかりと見極めて購入したい。
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みんなのコメント
驚愕の速さを見せるランエボの姿が印象的。