現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 買い換えようかな? オウナーも羨む“B”の魅力とは──ボルボXC40 B5試乗記

ここから本文です

買い換えようかな? オウナーも羨む“B”の魅力とは──ボルボXC40 B5試乗記

掲載 更新 9
買い換えようかな? オウナーも羨む“B”の魅力とは──ボルボXC40 B5試乗記

ボルボのコンパクトSUV「XC40」に追加されたマイルドハイブリッド仕様の「B5」に小川フミオが試乗した。現在、XC40 T4を所有する彼の評価は?

上質なスニーカーのようなSUV

ていねいに作られたコンパクトSUV~マツダ CX-30試乗記

XC40に新しいパワートレインを持つ「 B4」と「B5」が追加された。特徴はともに小型モーターを搭載するマイルド・ハイブリッドであること。私は「T4」のオウナーとしても、この新型車に興味しんしん。さっそく、 9月中旬に日本で試乗したところ、「買い替えもいいかな?」と、思うほどだった。

8月に日本でも販売開始されたB4とB5は、従来、XC40のラインナップに設定されていたガソリンエンジンのT4とT5に代わるもの。Tシリーズと同様、Bシリーズも、“4”と“5”の違いは出力だ。

Hiromitsu YasuiHiromitsu Yasuiインタークーラー付きターボチャージャー装着の1968cc直列4気筒ガソリンエンジンと、専用の48ボルトバッテリーで駆動されるモーターの組合せという基本は共通。B4は145kW(197ps)の最高出力と300Nmの最大トルク、B5は184kW(250ps)と350Nmだ。

日本でいまもっとも売れているボルボ車であるXC40シリーズの特徴のひとつは、それほど大きくないサイズ(全長4425mm、全幅1875mm)のボディの、適度な軽やかさだ。

Hiromitsu Yasuiボルボでは「XC40は(製品ラインナップでその上に位置する)XC60のスケールダウン版ではない」と、明言する。彼らはおもしろい例を示す。靴が並んだ画像だ。

左側には、3足のドレスシューズが並ぶ。違いは足のサイズのみ。それが多くのSUVの考えかた、と、ボルボではする。右側は、ドレスシューズ、ややカジュアルなレザーシューズ、そしてスニーカーが並ぶ。それがボルボのSUV戦略なのだそうだ。

XC40はいってみればスニーカー。カジュアルないい雰囲気がセリングポイントで、軽やかさが追求されている。高級仕様を買っても、それはレザーシューズでなく、あくまでもスニーカーの世界観のなかで上質さが追求されるという。

Hiromitsu YasuiHiromitsu Yasui不満を解消

今回のBシリーズは、XC40の軽快さを引き出すドライブフィールを持っている。XC40には8月に、プラグ・イン・ハイブリッドの「Recharge(リチャージ)T5」も追加され、いっぽう、Bシリーズは、小さなモーターと小さなバッテリーで、エンジントルクの積み増しをしている。

Hiromitsu YasuiHiromitsu Yasuiハイブリッドとしてはやや不足感があるように思えるかもしれない。でも実際には、想像以上に、結果がよく出ている。ボルボが「ISGM(インテグレーテッド・スタータージェネレーター・モジュール)」と呼ぶモーターの効果を実感するのは、発進時と、追い越し加速のときだ。ごく低回転域から、アクセルペダルを強く踏み込む必要がなく、すっと車体が前に出ていく。ハイブリッド車ならではのスムーズさがちゃんとある。

走行中にアクセルペダルを踏み込んだときも、モーターが動く。この機構のため、低負荷時の巡航では気筒休止システムが使えるようになったのもメリットだ。

Hiromitsu Yasui実際にT5とB5の燃費をメーカー公表値で比較すると、T5 AWD R-Designが12.4km/Lであるのに対して、B5 AWD R-Designは12.8km/L。T5の燃費は「JC08」で、B5はより現実的、つまり数値はきびしく出る傾向の「WLTC」なので、実際の燃費の向上ぶんはもっと大きいはずだろう。

私はいまT4 AWDに乗っていて、気に入っている点は、全体のバランスのよさだ。エンジンはT5よりアンダーパワーであるものの、1400rpmで300Nmのトルクが出るので、力は充分。トルク特性はフラットで、アクセルペダルを踏み込んでいったときも、パワーの息つぎはなく、スムーズに加速していくのも気持ちがよい。

Hiromitsu Yasuiもうひとつ、T4のよさは足まわりだ。スプリングはややソフトな設定で、ふわふわと動く。それでいて、コーナリング能力はかなり高く、ようするにバランスよく仕上がったクルマである。

もし、あえて不満点をあげるなら、発進がよりスムーズであるといいなぁ~と、思っていた。1.6tもあるボディなので、さすがに、アクセルペダルをやや多めに踏み込む必要があるのはしようがないのかもしれない。そう思っていたやさきに、今回のモーター(スタータージェネレーター)付きモデルの登場。これに乗ると、XC40好きの満足度がほぼ100%になるはず。

B5がオススメ

B4とB5、どちらがいいか……XC40に興味を持っているひとには、悩ましい選択肢だろう。T4とT5はともにバランスよく仕上がっていた。ちがいはパワーだが、さきに触れたようにT4で不満を感じる場面はほとんどない。

今回は、私が勧めたいのは、B5。こちらは「B5 AWD R-Design」のモノグレードで、前輪駆動もないし、豪華仕様「Inscription」の設定もない。それらはB4にのみ設定される。

Hiromitsu YasuiこのB5 AWD R-Designはかなりよい。ひとことでいうと、すべてがきれいに組み合わさっているモデルだ。エンジンは低回転域から高回転域までトルクを途切れさせず、ハンドルは正確で、ボディロールを抑えたサスペンションはフラットな姿勢を保ってくれる。100%回生可能というブレーキ・バイ・ワイヤシステムも導入された。自然な踏力だ。

電気モーターは、発進時と、途中で加速が必要になったときに作動。エンジントルクの積み増しをする。アクセルペダルの踏みこみを抑え、燃費に貢献する。その作動も自然だ。

Hiromitsu YasuiHiromitsu Yasuiモーターが動くぶん、エンジン回転は低く抑えられているうえ、発進加速もいいし、高速道路の巡航時は気筒休止システムも採用された。急な加速にもモーターが即座に対応してパワーを出してくれるからだ。

B4では、中間加速時に多めにアクセルペダルを踏み込むと、どんっと唐突にパワーが出る。1980年代のターボ車にみられた”ターボバン(ターボの爆発)”を思い出した。

Hiromitsu Yasuiおもしろいのは、燃費だ。おなじAWD R-Designモデルで比較した場合、B4の燃費は12.5km/L。対するB5はさきにも触れたとおり12.8km/L(ともにWLTCモード)。市街地でも高速道路でも、B5が好燃費である。

理由はおそらく、ここで書いたパワートレインのキャラクターだろう。B4はエンジン回転数2500rpmあたりでトルクの落ち込みがあるので、そこでアクセルペダルを強く踏みがちになる。B5は太いトルクバンドに乗ったまま。コーナーの入り口などでアクセルペダルを緩めたあとも、強く踏み増す必要がないのだ。

Hiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu Yasui快適装備を充実

「ボルボ・カーは、全モデルを電動化させる最初のプレミアムブランドとなります」

ボルボは2017年より製品戦略についてこう謳ってきた。日本におけるXC40もこの戦略に基づいての変更というわけだ。ピュアICE(内燃機関)モデル(Tシリーズ)はこれでカタログから落とされた。

ちなみに、B5(とB4)の「R-Design」は、今回いくつかの変更がくわえられた。以下の装備が標準化された。

ステアリングホイール・ヒーター
リアシート・ヒーター
ウォッシャー一体型フロントワイパー(ヒーター機能付)
パワー テールゲート(ハンズフリー・オープニング/クロージング機能付)
ラゲッジプロテクションネット
harman/kardonプレミアムサウンド・オーディオシステム(サブウーファー付)
ワイヤレス・スマートフォン・チャージ

Hiromitsu Yasuiちなみに、パドルシフトは非装備になった。さらに、リアバンパー形状が変更され、デュアルテールパイプが非設定となったのも、Bシリーズからだ。

ちなみにB4の「モメンタム」では、インテリアカラーおよびマテリアルの変更、LEDヘッドライト(アクティブベンディング機能付)が標準装備された。そして、ボディカラーは 「クリスタルホワイトパール」「デニムブルーメタリック」「ぺブルグレーメタリック」が選べるようになっている。

またB4「インスクリプション」では、ウォッシャー一体型フロントワイパー(ヒーター機能付)、パワーテールゲート(ハンズフリー・オープニング/クロージング機能 付)、ラゲッジプロテクションネットが標準装備された。電動化に伴い、装備も充実しものになったのだ。

価格は、「B4モメンタム」479万円、「B4 AWDモメンタム」499万円、「B4 AWDインスクリプション」539万円、「B4 AWD R-Design」539万円、「B5 AWD R-Design」は589万円となる。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】もう二度と作ることができない限定400台[インプレッサ22B-STiバージョン]はいまや3000万円以上!!!!
こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】もう二度と作ることができない限定400台[インプレッサ22B-STiバージョン]はいまや3000万円以上!!!!
ベストカーWeb
佐藤万璃音を擁してWEC・LMGT3に参戦するユナイテッドAS、マクラーレン720S GT3エボの新リバリー発表
佐藤万璃音を擁してWEC・LMGT3に参戦するユナイテッドAS、マクラーレン720S GT3エボの新リバリー発表
AUTOSPORT web
【詳細データテスト】プジョー5008 経済性は良好 走りと快適性は及第点 実用性や居住性は不満も
【詳細データテスト】プジョー5008 経済性は良好 走りと快適性は及第点 実用性や居住性は不満も
AUTOCAR JAPAN
「スーパーフォーミュラしかない!」念願かなったルーキーたちの課題は。2レース制増も影響か
「スーパーフォーミュラしかない!」念願かなったルーキーたちの課題は。2レース制増も影響か
AUTOSPORT web
こ、これアウトランダーじゃね!? 決算説明から見えた[日産PHEV第1号車]は三菱からのOEMか?
こ、これアウトランダーじゃね!? 決算説明から見えた[日産PHEV第1号車]は三菱からのOEMか?
ベストカーWeb
日産「フェアレディZ」にワゴンが登場!?  実は「ステージア」ベースで「リーフ」リアゲートを移植…車検をとって公道走行可能なカスタムカーでした
日産「フェアレディZ」にワゴンが登場!? 実は「ステージア」ベースで「リーフ」リアゲートを移植…車検をとって公道走行可能なカスタムカーでした
Auto Messe Web
実はサーキットより面白い? 本気のオフロード走行のススメ SUV人気の裏にある魅力
実はサーキットより面白い? 本気のオフロード走行のススメ SUV人気の裏にある魅力
AUTOCAR JAPAN
「オートモビリア」って、なに? ミニカーや古本などがずらりと並んだ「アミューズメントゾーン」にはキャンギャルも登場して熱気に包まれてました
「オートモビリア」って、なに? ミニカーや古本などがずらりと並んだ「アミューズメントゾーン」にはキャンギャルも登場して熱気に包まれてました
Auto Messe Web
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
乗りものニュース
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
AUTOCAR JAPAN
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
Auto Messe Web
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
AUTOCAR JAPAN
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
AUTOCAR JAPAN
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
motorsport.com 日本版
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
くるまのニュース
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
WEB CARTOP
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
乗りものニュース
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
VAGUE

みんなのコメント

9件
  • V60のB5も輸入してください
  • > B4の「モメンタム」のボディカラーで 「クリスタルホワイトパール」「デニムブルーメタリック」「ぺブルグレーメタリック」が選べるようになっている。
    は間違いだと思います。

    本当なら以前は選べなかったデニムブルーに乗り換えたい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

549.0650.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

160.0579.0万円

中古車を検索
XC40の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

549.0650.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

160.0579.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村