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“進化”と“伝統”が融合したハーレーダビッドソン──新型ナイトスターに迫る!

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“進化”と“伝統”が融合したハーレーダビッドソン──新型ナイトスターに迫る!

ハーレーダビッドソンの新型「ナイトスター(NIGHTSTER)」を見た河西啓介の感想とは?

課題だった水冷化

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ハーレーダビッドソンからスポーツスター・シリーズの新モデル「ナイトスター(NIGHTSTER)」が発売された。

「スポーツスター」はその名の通り、ハーレーのラインナップの中で軽量かつコンパクトな車体に高出力のエンジンを積んだスポーツモデルとして位置付けられてきた。その取りまわしやすいサイズから、とくに日本で高い人気を維持している。

今回のナイトスターに先立ち、昨年夏、スポーツスターとしては史上初めて水冷エンジンを搭載した「スポーツスターS」が登場した。伝統の空冷Vツインエンジンが発する、強い鼓動感や荒々しいサウンドはハーレーの大きな魅力であるが、騒音や排気などに関する規制を考えると、水冷化は避けて通ることができない課題だった。

それゆえ大きな注目を集めたスポーツスターSであるが、水冷エンジンの搭載もさることながら、角型ヘッドランプや片側2本出しのアップマフラー、倒立タイプのフロントフォークにファットタイヤの採用など、見た目にも従来の空冷スポーツスターとは大きく異なっていた。

軽量、コンパクトなスポーツモデルというよりマッチョなハイパワークルーザーというべきキャラクターであり、従来のスポーツスターを愛好してきた向きからは賛否の声があったのも事実だ。

“パパサン”の後を継ぐモデル

だがこのナイトスターは、どうやら守旧派スポスタ・ファンからもすんなり受け入れられそうだ。

丸形ヘッドランプ、フロント19インチ、リア16インチのホイールサイズ、小振りな燃料タンクからソロシートを経て短いフェンダーへと至るプロポーションなど、空冷モデルのクラシックなイメージをしっかり受け継いでいるからだ。

スポーツスターの特徴と言える小振りな燃料タンクは、ナイトスターではエアクリーナーカバーとなっていて、じっさいの燃料タンクはシート下に配置されている。

これは低重心化を図るとともに、スポーツスターの伝統的なタンクのフォルムを踏襲するための工夫だろう。このことによりカスタムする場合のデザインの自由度が上がる(燃料タンクの大きさや形状に制約を受けないため)というメリットもある。

搭載されるエンジンは新開発の975cc水冷60°Vツイン「レボリューションマックス975T」。最高7500rpmを許容し、95Nmの最大トルクを発揮する。従来のスポーツスターには883ccの空冷Vツインを積むモデルがラインナップされていたが、ナイトスターはこの通称“パパサン”の後を継ぐモデルと言える。

「1クラス上になった」という感は否めない

クラシックな趣のデザインに対し、中身は「スポーツスターS」同様、最新の技術が注がれている。ABSやトラクションコントロール、スリップコントロールなどハーレーが「ライダーセーフティエンハンスメント」と呼ぶ安全技術をはじめ、スポーツ/ロード/レイン3つの走行モードを切り替えることができる機能も備える。

また水冷モデルになったことによる大きな変化はその“重量”だろう。空冷モデル(2021年式スポーツスターXL883Nアイアン)の256kgに対しナイトスターは221kg、じつに35kgも軽量化されている。走りや取りまわしにおける影響は相当に大きいはずだ。

いっぽう軽くなった車重に比して価格はぐっと“重く”なった。

上記XL883Nアイアンの価格138万8200円(税込み)に対して、ナイトスターは188万8700円~191万9500円(税込み)と約50万円アップとなっている。

新エンジンを始めとする機能向上や装備の充実、くわえて昨今の円安基調を考えれば納得はできるが、ユーザーにとっては「1クラス上になった」という感は否めないだろう。

しかし時代に応じて中身を進化させながら、伝統のスタイルを受け継いで登場したこのナイトスター、従来からのハーレー乗り、ハーレー・ファンだけでなく、幅広い層から注目を集めそうだ。

文・河西啓介 写真・安井宏充(Weekend.)

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