この記事をまとめると
■中国ではNEV補助金制度が終了すると同時にEVの販売台数が激減した
高額なEVやFCVに補助金って金持ち優遇だろ! 安いクルマしか買えない庶民こそ「補助金が必要説」は正しいのか?
■日本にもCEV補助金制度があるが、これもいつまで続くかはわからない
■補助金制度なしで電動車の販売台数を維持、または増加させることができるかに注目
補助金終了で大幅に縮小した中国のNEV市場
中国の新車販売が2023年に入り、減少に転じている。中国といえば、いまやアメリカを凌ぐ世界第一位の自動車製造・自動車販売大国である。
こうした状況ついて、最近まで中国現地で営業部門に従事していた日系メーカー関係者は、「やはりゼロコロナ政策の余波が大きいのではないか」と話す。
また、各種報道によれば、「NEVの販売減少が市場全体に影響を与えた」としている。NEV(新エネルギー車)とは、EV、燃料電池車、プラグインハイブリッド車を指す。中国政府はNEVに対して、ユーザー向けに購入補助金を出していたが、その制度が2022年で終了した。補助金がなくなったことで、ユーザーのNEV離れが進んだという見方がある。
こうした中国での電動車に関する購入補助金制度は、2000年代後半頃から考案され、2010年代前半には、中国の大都市と中規模都市で公共交通向けのバスやタクシーに対して実施された。その後、中国政府は米カリフォルニア州政府やカリフォルニア大学などと連携し、同州が1990年から施行しているZEV法(ゼロ・エミッション・ヴィークル規制法)を中国バージョンにするような研究開発を進めた。
それがNEV政策となり、補助金制度を設けていたが、補助の比率や金額を段階的に引き下げて、最終的に補助金制度がなくなったので、NEVの販売台数が減少したものと考えられる。
話を日本に移すと、日本では現在、クリーンエネルギー自動車(CEV)に対する購入補助金制度がある。これは、経済産業省が係る予算であり、EV普及のための呼び水となっている。
2022年に発売されると同時に世間から大きな注目を集めて、これまで順調に販売を延ばしている、軽EVの日産「サクラ」と三菱「eKワゴンEV」を筆頭として、ユーザーがEVやプラグインハイブリッド車を購入する動機として、CEV補助金や都道府県または市町村によるCEV関連の購入補助金の存在感はとても大きい。
こうした補助金制度は、いつまでも続くとは限らない。なぜならば、補助金はあくまでも普及に向けた呼び水であり、普及が進めば徐々に減額され、最終的には終了する。それが、補助金の使命である。見方を換えると、補助金がなくなって販売が減少するような、補助金頼みのクルマはサスティナブル(持続可能性)がないと言えるだろう。
CEV補助金のほかには、自動車重量税に対するエコカー減税や、自動車税または軽自動車税に対するグリーン化特例があるが、これらも今後、国の予算と政策によって基本的に減額化の方向へ向かっていくことになる。
そうした中、電動車の販売台数は維持、または増加させることができるのだろうか? 今後の政府方針と市場の変化をウォッチしていきたい。
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みんなのコメント
少なくとも海外メーカーに出す必要は無い。