ガソリンは大幅増加、ハイブリッドもパワー増加
2022年10月7日に大幅なマイナーチェンジを「ホンダ フィット」の販売が始まっています。
今回のマイナーチェンジはスタイリングの変更と走りの進化がポイント。ガソリン車、ハイブリッドともにパワーアップした走りを味わえるようになりました。
新型フィットe:HEVに試乗。加速感はスペック以上! 新登場のRSは走る楽しさに溢れていた
具体的には、ガソリン車はエンジンを1.3Lから1.5Lへスープアップ。最高出力は98PSから118PSに増加しています。e:HEVハイブリッドについては1.5Lエンジンと2つのモーターを組み合わせるというメカニズムは変わっていませんが、駆動モーターの最高出力を80kWから90kWへパワーアップしています。
さらにグレード構成の見直し、各グレードの個性を明確にするよう外観もブラッシュアップされています。
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ネスが廃止され、新たにRSが加わった
グレードは以下の5タイプとなり、それぞれガソリン車とハイブリッドを用意しています。
・BASIC(ベーシック)|159万2800円~
・HOME(ホーム)|182万6000円~
・LUXE(リュクス)|214万9400円~
・CROSSTAR(クロスター)|207万2400円~
・RS(アールエス)|195万9100円
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基本的にはマイナーチェンジ前のグレード構成を踏襲していますが、マイナーチェンジ前のスポーティグレード「NESS(ネス)」が廃止され、より明確にスポーツを表現するRSに変わったのが注目点といえるでしょう。
専用のエクステリアだけでなく、サスペンションもRSの名前にふさわしいセッティングとしているほか、ハイブリッドにはアクセルオフでの回生ブレーキによる減速を4段階で切り替える減速セレクターも備えます。さらにノーマル/スポーツ/ECONとドライブモードを切り替える機能も装備するなどスポーティなホットハッチとして仕上げられています。
RSにMTの設定がないことに、SNSでは不満も
ところが…SNSなどで見かける意見の多くは、RSへの失望が目立ちます。
フィットRSといえばフィットの途中で追加されて以来、フィットのホットモデルとして一定の認知度と支持を得てきました。その理由として、6速MTが設定されていたことを評価する声があったのも事実です。
しかし、新型フィットのRSにはMTの設定はありません。2モーターハイブリッドのe:HEVについては構造的にMTがあり得ませんし、ガソリン車でもフィットにはMTの設定はありません。
「シビックタイプR」は2ペダルが未設定で、スポーツカーはMTで乗りこなすのが楽しいというテーマを感じさせます。しかしながら、フィットRSでは2ペダルだけの設定となっているのは、ホンダのスポーツモデルに対する姿勢がどこかチグハグに感じてしまいます。SNSで見かける失望の声には、そうした部分もありそうです。
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発売1か月で4~5か月分のオーダーは好評の証
では、実際の販売状況はどうなっているのでしょうか。
ホンダに質問したところ、発売からちょうど1か月となる2022年11月7日時点で受注台数は約1万9600台ということでした。
2021年度におけるフィットの月平均販売台数は約4600台でした。新型コロナや半導体不足の影響もあって生産が滞っている部分もありますので、単純比較はできませんが、4~5か月ぶんのオーダーを集めているというのは、非常に好評といえるでしょう。
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実は2番目に売れているのがRS
なお、グレードごとの販売比率は次のようになっています。
HOME|40%
RS|24%
BASIC|13%
CROSSTAR|13%
LUXE|10%
ファミリカーとして装備と価格のバランスに優れたHOMEが売れ筋なのは予想通りですが、SNSではMTが未設定なことなどに失望の声が目立つRSが売れているのは一目瞭然です。
スポーツカーやスポーティモデルが登場したときの“あるある”なので驚くことではありませんが、SNSなどで目立つネガティブな意見に反して、実際に購入するユーザー層はしっかりと評価しているというわけです。
残念ながら、筆者はマイナーチェンジしたフィットに触れる機会がなく、ハードウェアとしての出来映えについては論じる立場にはないのですが、少なくとも数字で見る限りフィットのマイナーチェンジは成功したといえそうです。
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文:山本 晋也
写真:
1~9枚目:フィット e:HEV RS
10~11枚目:フィット e:HEV HOME
12~13枚目:フィット e:HEV CROSSTAR
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モーターのレスポンスが格段に良くなっている。