BRZはアメリカ最優先 86の情報なし
text:Kenji Momota(桃田健史)
【画像】日本が世界に誇るジャパニーズ・スポーツカー【現行モデル3選】 全156枚
トヨタとして久々の2ドアスポーツカーとして、世界の注目を集める86(ハチロク)。2012年発売以来、すでに8年が過ぎており、新型モデルの登場を心待ちにしているファンは日本にも大勢いる。
そんなファンならば当然、86の兄弟車であるスバルBRZが2代目へと進化した姿を2020年11月18日、アメリカからの世界初披露オンライン発表を通じて確認しているはずだ。
オンライン発表と同時に、カリフォルニア州内のレーシングコースで事前に開催されたメディア向け試乗会の模様を、アメリカメディアが編集したユーチューブ動画でじっくりと観たに違いない。
その上で、トヨタとスバルが86とBRZをアメリカを最優先市場に位置付けていることを再認識したことだろう。
気になるのは、BRZの発売時期だ。アメリカで発表から1年近く後あとの2021年秋とまだかなり先だ。
一方、製造国である日本発売時期について、日本のスバル本社から2020年末時点で正式コメントはない。
また、トヨタからも次期86に関するアナウンスメントはなく、スバル本社のプレスリリースとして「トヨタ自動車との業務提携で掲げる『もっといいクルマづくりの追求』の取り組みを通じて、共同開発したクルマ」という表現にとどめている。
2.0Lエンジン、2.4L化の意味
新型BRZは、いわゆるキープコンセプトという商品イメージではあるが、エンジン排気量が2.4Lへの拡大した意味はとても重い。
重量増だけではなく、BRZ、そして86の車格が変化したようにも感じる。
アメリカ発の動画から、2.4Lユニットによって、よりパワフルかつトルクバンドが広がり、走りの幅が広がったことが伝わってくる。
走りのイメージから、ライトウエイトスポーツの領域から一歩先に行ったような雰囲気を感じる。
そもそも、BRZと86をライトウエイトスポーツと位置付けるかどうか、むずかしい判断だと思う。
実際、2012年の初代BRZ発売前、ツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)で開催されたBRZプロトタイプ試乗会の際、スバルの技術者らは「BRZは単なるライトウエイトスポーツではない、独自の世界感を持つクルマ」だと強調していた。
プロトタイプの時点では、スバルの真骨頂である四輪駆動をイメージするような走り味が極めて強かった印象があり、「もっとパワー&トルクがあっても良いのでは?」という議論を技術者らとした。
さらに、印象に強く残っていることがある。
それは、BRZと86との差別化だ。この点についてスバルから様々な意見が出た……。
世界市場の中で明確な競合車はいない
「もっとFRっぽい走り味が欲しい」
量産車にかなり近い状態の量産試作車をトヨタ幹部が試乗した際、そういったリクエストがスバル側にあった。
具体的に言えば、リアの動きが安定し過ぎているため、もっと振り回して楽しめるクルマにしてほしい、ということだ。
こうして量産されたBRZと86。その後、それぞれのモデルで走りがリファインされ、それぞれが走りの楽しいFRに仕上がったと思う。
その上で、2012年当時のスバル側との議論を思い出すと、あの時点でもし車体の許容範囲が大きければ、より排気量の大きなパワーユニットの搭載もあり得たかもしれない。
2代目が、2.4Lを十分に許容できる車体の剛性と、サスペンションセッティングとなったことで、改めて思うのは、そもそもBRZと86を、欧州車のイメージが色濃いライトウエイトスポーツではなく、スモールFRというカテゴリーで論じるべきクルマだという点だ。
つまり、世界市場の中で明確な競合車はいないと思う。過去の日本車では、マツダRX-7のような立ち位置なのかもしれない。
ロータリーと水平対向型という特徴的なエンジンという点で、RX-7とBRZ/86は市場性で共通点を感じる。
アメリカでのファンミーティングの現場の雰囲気も、なんとなく似ている。
BRZ/86は、良い意味で孤立した存在だといえる。
では、BRZ/86の電動化についてはどうか?
86の将来 ハイブリッド化が射程内?
BRZ/86の電動化についてはどうか?
車格と販売台数から考えて、2代目のライフサイクルである2020年代に、2.4L NAとハイブリッド車などの電動ユニットが併存することは考えにくい。
だが、2030年代に登場する3代目は当然、電動化されるだろう。
主力市場であるアメリカで、カリフォルニア州が2035年に内燃機関(ガソリン車・ディーゼル車)の新車販売禁止を打ち出しており、また日本でも「遅くとも2030年代中頃」にカリフォルニア州と同様の規制を実施することが明らかになったばかりである。
2代目発売前から3代目の予測では、真実味が欠けるかもしれないが……。
3代目BRZ/86が登場することには、FRスポーツカーではマイルドハイブリッドではなく、EVモードが長いストロングハイブリッドが当たり前になっているかもしれない。
また、EVについて、トヨタとスバルは量産型クロスオーバーSUVを2021年前半に公開する予定だが、それから10年ほどでBRZ/86がEV化することは、現時点では考えにくい。
ただし、前述のように初代BRZ/86の生い立ちを考えてみると、3代目でEV化の可能性はゼロではないように思える。
BRZ/86は単なるライトウエイトスポーツではないとの認識が高いクルマゆえに、低重心と運動性能が高さを強調するクルマとして、EVとの相性が意外と良いのかもしれない。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
3代目は水平対向を手放すの?
スバルの水平対向エンジンは出力軸から搭載向きが限られるし、4WDかFRしか活路を見出せないのは。