世界でポルシェとともに水平対向エンジンを採用し、シンメトリカルAWD、アイサイトなどを搭載するスバルのラインナップの中でも、インプレッサのクロスオーバー版であるクロストレックは、出色の出来の1台と言っていいモデルだ。
マイルドハイブリッドモデル
MINIの次世代モデル第1弾、プレミアムコンパクトSUVの新型「カントリーマン」の予約がスタート
マイルドハイブリッドモデル
マイルドハイブリッドモデル
マイルドハイブリッドモデル
「全方位ほぼ死角なし」の”ほぼ”がついに改善!?
基本性能としては、高価な2ピニオン電動パワーステアリングによるスムーズでリニアなステアリングフィールと操縦性、マイルドハイブリッドの濃厚でトルキーな動力性能、オールシーズンタイヤ装着にしてクラスを超える抜群の乗り心地、これまたクラスを超えた車内の静かさ=静粛性、そして3つのカメラによるアイサイト史上最上の安全性能=新世代アイサイトの搭載、悪路、雪道、アウトドアライフにうってつけのXモードによる高い悪路の脱出性能(AWD/2モード、ヒルディセントコントロール付き)、スバルスターリンクのつながる安心としてSOSコール、オペレーターサービスなど、全方位ほぼ死角なしのクロスオーバーモデルに仕上がっているのである。安全性能に関しても、自動車安全性能でNo.1を獲得(2023JNCAPファイブスター大賞受賞)したほどである。
マイルドハイブリッドモデル
マイルドハイブリッドモデル
「全方位ほぼ死角なし」の”ほぼ”の意味は、AWDがメインだけに、燃費性能にあったことはスバルファン、スバリストならどうということはないだろうが(それに余りある魅力があるため)、一般ユーザーからすれば、やや物足りなさを感じる人もいるかも知れないからである。
マイルドハイブリッドモデル
が、2024年12月、その”ほぼ”の”ほぼ”が一掃されることになりそうだ。そう、スバル初の次世代e-BOXER=シリーズ・パラレル式のストロングハイブリッドが、まずはクロストレックに搭載され、発表されるからである。かんじんなこと最初に言ってしまえば、これまでのマイルドハイブリッドモデル(e-BOXER)に比べ、燃費は約20%向上。つまり、クロストレックのマイルドハイブリッドモデルのWLTCモード燃費は15・8km/Lだから、19km/L台!?に向上するということになりそうなのだ。結果、スバルのAWD車史上、最上の燃費性能を実現することになる(執筆時点でWLTCモード燃費は発表されていない)。これはスバリストにとっても、スバルのクルマは欲しいけれど、燃費がちょっとね・・・と躊躇してた人にとっても、大きなニュースと言っていいだろう。※マイルドハイブリッドモデルも併売される。
ハイブリッドシステムを説明すれば、水平対向エンジンはこれまでのクロストレックの2Lから2・5Lのストロングハイブリッド専用ユニットに換装。スペックはマイルドハイブリッドの145ps、19.2kg-mに対して160ps、21.3kg-mを発揮。モーターもマイルドハイブリッドの13.6ps、6.6kg-mから一気に119.6ps、27.5kg-mへと増大(駆動用バッテリーは118Vから260Vに)。まさにストロングなモータ―パワーを持つハイブリッドモデルになったというわけだ。
EV走行比率が増えることはもちろん、ストロングハイブリッド搭載で車重はマイルドハイブリッドモデルより50kg増し(1610kg→1660kg)になってはいるものの、それをもろともしない動力性能の持ち主になることは間違いない。スバルの愛用者ならご存じのI(インテリジェントモード=エコモード)での加速力も大幅に高まることになるという。実際、スバルの社内データによると、0-100km/h加速はマイルドハイブリッドモデルより2.1秒も速いとのこと。
ちなみに、2Lエンジンに2モーターのストロングハイブリッドでも良かったのでは?という意見も出るかも知れないが、2Lエンジンでストロングハイブリッドに相応しい動力性能を求めると、燃費が悪化する傾向にあり、2・5Lエンジンのゆとりで動力性能と好燃費の両立を最適化できたと説明される。
しかも、燃料タンクをこれまでの48Lから63Lに増大。ストロングハイブリッド化と合わせ、航続距離はマイルドハイブリッドモデルに対して約60%UP。同時にクラストップともなっているという。クロストレックがもともと持っていた抜群の快適性やAWDの走破性と合わせ、ロングドライブでのさらなる余裕が生まれることは言うまでもない。
マイルドハイブリッドモデル
回りを見渡してみると、ストロングハイブリッド搭載車の4WDは電気式を採用する例も多い(トヨタのE-Fourなど)。が、そこは自慢のAWDを持つスバルだ。本格SUVに準じる機械式AWDを継承し、電気式の「スリップしてから制御」に対して(一例)、スリップする前からAWD制御を行うため、滑りやすい路面などでより安定した挙動が持続可能になるわけだ。
スバルがストロングハイブリッドを初採用したことで得られるメリットは、モータ―パワーの増大、モータ―パワーによる一段とスムーズでトルキーな加速性能の実現、EV走行比率のUP、スバル最上の燃費性能・・・だけではない。トヨタのハイブリッド車や日産のe-POWERモデルの一部などにあるような、アウトドアや災害時に大活躍してくれるAC100V/1500Wコンセントを純スバル車として初搭載。ガソリン満タンで家庭に5日分の電力を供給できるのだから、災害時に停電しても、例えば熱帯魚を飼っている人も安心ではないか。
もう1点、ストロングハイブリッド化によってパッケージに悪影響がほぼ出ていない点にも注目だ。後席居住スペースはもちろん、ラゲッジルームの使い勝手もそのまま。ただし、高電圧バッテリーパックをラゲッジルーム床下に配置することによって、細かすぎる話だが、マイルドハイブリッドモデルよりラゲッジルームのフロアが2cm高くなり、荷室高が708mmから688mmに減少。容量もフロア上で311Lから279Lに減るものの、しかしそれは開口部段差が小さくなり、重い荷物の出し入れ性で有利になることを意味する。そして、なんと前後重量配分がより理想に近づいたというのである!!
新クロストレックのモデルラインナップは、ストロングハイブリッド採用車がプレミアムS-HEV EX、プレミアムS-HEVのいずれもAWDの2モデル。マイルドハイブリッドモデルとしてリミテッドのAWDと2WD、ツーリングのAWDと2WDの6モデルとなる。とくに注目したいのは、ストロングハイブリッド搭載のプレミアムS-HEV EXには、EXが示すように、クロストレックの初のアイサイトX=高度運転支援システムが標準装備される点である(レヴーグのEX、レイバックにも搭載)。
極悪な泥道でも苦にならない走破性
アイサイトXとは、アイサイトの充実した最先端の先進運転支援システムに加え、GPS通信衛星や準天頂衛星の「みちびき」から受信した情報と、3D高精度地図データを組み合わせ、高速道路上における自車の位置をさらに正確に把握。渋滞時ハンズオフ機能を始め、渋滞発進アシスト、車線変更をほぼ自動でアシストしてくれるアクティブレーンチェンジ機能、カーブ手前速度制御、料金所前速度制御まで備わるのだから、一段と安心・安全・快適だ。
今回、そんな新ストロングハイブリッド、高応答AWD、そして脱出性能を高めるXモードを搭載する、最低地上高200mmの新型クロストレックに、クローズドコースのアップダウンとS字カーブがある舗装路と、極悪な泥道で短時間、試乗する機会を得た。
舗装路での印象は、まず、ハイブリッド感=モーター走行感覚が大きく高まり、よりスムーズかつトルキーな加速力が得られるようになったこと(これはモータ―パワーが増大したのだから当たり前)。そして、登坂路でのゆとりが大幅にUP。マイルドハイブリッドモデルもなかなかの登坂性能を備えていたが、それにも増して急坂をグイグイと涼しい顔をして登っていくのである。何しろ、今回のストロングハイブリッド化による最大の売りが、2・5Lエンジンと駆動モーターの27.5kg-mの組み合わせによる大トルク。そしてボクサーサウンドを抑えた車内の静粛性は、ストロングハイブリッド化されたことでEV走行比率が増え、全域でより高まったのは当然。開発陣も想定外だったというファルケンのオールシーズンタイヤによるロードノイズの圧巻の小ささ、快適すぎる上質な乗り心地の良さは依然、ハイレベルというしかない。
マイルドハイブリッドモデルとのドライブフィールの違いは操縦性にも表れていた。つまり、マイルドハイブリッドモデルのフロントヘビーに対して、ストロングハイブリッドモデルは前後50:50に近い重量配分となったことで、曲がりやすさが一段と向上しているように思えたのだ(重心は不変)。
今回の試乗では、極悪な泥道にも踏み込んだのだが、オールシーズンタイヤ&スバル自慢のAWD、大トルクによる走破性の高さを改めて実感。まさにオンロードでもオフロードでも、文句なしの走行性能、走破性を、極めて高い快適性・安全性能とともに誰もが味わうことができ、その完成度の高さに目を見張らされることになった。詳しい燃費性能は未発表だが、繰り返すけれど、それにスバルAWD車史上最上の燃費性能が加わるのだから、もはや全方位死角なし。最強のストロングハイブリッド・コンパクトクロスオーバーモデルに仕上がっていると期待していいだろう。
なお、価格については、通常のアイサイトVer.3搭載のプレミアムS-HEVはマイルドハイブリッドのツーリングAWDに対して約35万円高、アイサイトX搭載のプレミアムS-HEV EXはプレミアムS-HEVより約20万円高と説明されている。価格を含めた正式発表は12月まで待っていただきたい。
純正アクセサリー装着車
文/青山尚暉
写真/スバル、雪岡直樹(マイルドハイブリッドモデル)
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