現在位置: carview! > ニュース > イベント > 第17回 Tokyo Bayside Classic Cup

ここから本文です

第17回 Tokyo Bayside Classic Cup

掲載 更新
第17回 Tokyo Bayside Classic Cup

さらなる盛り上がりが期待されるヴィンテージクラス

TBCCでは1972年までに生産された車両(およびその継続生産車)を対象に、袖ヶ浦でのベストラップタイム別にクラス分けされたカテゴリーで競われるレース形式走行の他、スポーツ走行枠も用意されているが、とりわけ戦前生産車と戦後のリジッドアクスル車はヴィンテージクラスとして区別されている。ヴィンテージクラスには毎回5~8台ほどの戦前車が参加しており、今回は6台の名車たちがパドックに登場した。

ヴィンテージクラスの今後の展望について自身も1935年型MG PBで参加しているTBCC実行委員の田中伸一さんに伺ってみた。
「現在はまだタウンカーもレースカーも混成でのスポーツ走行ですが、参加車両が15台くらいまで増えればクラス分けやレース形式走行の可能性も見えてきますね」

車齢80年近い戦前車をサーキット走行が可能なコンディションに保つには、多大なる労力と情熱が必要となることが察せられるが、今後いっそうの盛り上がりが期待されるカテゴリーである。

戦前の小さなGTカー、アミルカーが走る

毎回珠玉のヴェテランカーが揃うヴィンテージクラスで、今回特にエンスージァストたちの目を惹きつけた1台のクルマがあった。それが「1929年型アミルカー CGSS」。アミルカーは1920年代にフランスで流行した “サイクルカー” と呼ばれるカテゴリーの小型・軽便な自動車で、その素性の良さを活かして生み出されたグランドツーリングカー CGSSはレースやラリーでも活躍したという。わが国に上陸して日も浅いというこのアミルカーは、現オーナーが欧州の高名なコレクターから譲り受けた車両で、完璧ともいえるコンディションであった。

この車両のオーナーはアミルカーの他にも数多くの名車を所有、「第1回日本グランプリの時には友人とスバル360で鈴鹿まで観に行ったよ」なんてエピソードも飛び出してくるクルマ趣味の大先輩である。わが国におけるモータースポーツを黎明期から愉しんできた粋人は、袖ヶ浦のコースでこの稀少な名車の走りを存分に堪能されていた。


今回登場したアミルカー CGSSのプリペア、メンテナンスを担っているのはスペシャルショップのラ・コルサ・テクニカ。同社代表の佐藤 択さんも車両オーナーよりステアリングを託された1933年型MG Cタイプ・モンテリ・ミジェットで出走していた。様々な年代の車両をサーキットで走らせてきた佐藤さんに戦前車の運転について尋ねてみた。

「戦前のクルマは細いタイヤやシンクロ機構を持たないトランスミッションをはじめ、現代のクルマとはかなり勝手も異なります。現代車ではクルマ側のサポートのおかげで何気なく行える操作のひとつを取っても、戦前車では機械との細やかな対話が要求されます。それをスムーズに速く走らせることができたときに得られる刺激は、洗練された現代のクルマにはないものですね」

限られた性能を引き出すためには高度で危険な作業が必要であった戦前のクルマ。産業技術(と自動車文化)が芽吹き出した頃の先進技術と先人の気概に想いを馳せながら、手作りの宝物のようなクルマを走らせる・・・・・・まさにクルマ趣味の極みといえるだろう。

今回のTBCCは朝こそ薄曇りだったものの、おおよそ2回目の走行枠、各クラスの決勝が始まる頃には雨が降り出し、スーパー/ハイパー・クリスタル・カップ決勝の時点ではヘビーウェットのコースコンディションとなった。しかし、大きなクラッシュなどもなくレースが進行したのは、TBCCのレースカテゴリーがそれぞれに同じぐらいの走行タイム別に分けられているという部分も大きいといえるだろう。

なお、次回のTBCCは9月10日(日)の開催となる。詳細に関してはTBCC公式サイトをご覧いただきたい。



全36枚 「第17回 Tokyo Bayside Classic Cup」詳細レポ

6台がエントリーしたヴィンテージ・クラス。2回目の走行枠は雨に祟られるも快走を見せた。

TBCC初登場となった戦前フランスのグランドツーリングカー、アミルカー CGSS。

小柄なボディながらボートテールやエンジンターンド加工の計器板など、優雅な設えを持つ。

ヴィンテージ・クラス #181 1929年型 アミルカー CGSS 杉田選手

ヴィンテージ・クラス #182 1933年型 MG Cタイプ・モンテリ・ミジェット 佐藤選手

ヴィンテージ・クラス #91 1929年型 ライレー9 12/4 モノポスト 春山選手

ヴィンテージ・クラス #71 1935年型 ラゴンダ・レイピア・スペシャル 小平選手

ヴィンテージ・クラス #51 1935年型 MG PB 田中選手

ヴィンテージ・クラス #152 1934年型 MG NA マグネット 竹林選手

レース形式走行に参加希望者に向けて行われるお試しといえるスポーツ走行枠。今回は24台がエントリーした。

スポーツ走行クラス #173 1971年型 ダットサン・ブルーバード 大快選手

スポーツ走行クラス #174 1991年型 ランチア・デルタ・インテグラーレ 渡辺選手

スポーツ走行クラス #168 1959年型 オースチン A35 澁澤選手

スポーツ走行クラス #180 1999年型 トミーカイラ ZZ 中川選手

スポーツ走行クラス #154 2009年型 アバルト500 岡戸選手

レース形式のエントリー・クラス、クラブマンズ・カップにはミニやMGなど29台がエントリー。

クラブマンズ・カップU2000クラス #150 1973年型 アルファ・ロメオ 2000GTV 小川選手

クラブマンズ・カップU2000クラス #159 1973年型 トライアンフ・ドロマイト 隅田選手

クラブマンズ・カップU2000クラス #80 1982年型 MG B 中河原選手

クラブマンズ・カップU1500クラス #13 1959年型 オースチン・ヒーレー・スプライト Mk-I 石井選手

クラブマンズ・カップMINIクラス #251 1994年型 ローバー・ミニ 佐藤選手

ミドル・クラスのレース・カテゴリー、クリスタル・カップには28台がエントリーした。

クリスタル・カップU2000クラス #38 1968年型 フォード・アングリア 石川選手

クリスタル・カップU2000クラス #72 1972年型 アルファ・ロメオ 2000GTV 佐々木選手

クリスタル・カップU2000クラス #58 1969年型 フォード・エスコートMk-I 小平選手

クリスタル・カップMINIクラス #39 1974年型 BLミニ・クラブマン1275GT 伊藤選手

クリスタル・カップU1500クラス #8 1960年型 オースチン・ヒーレー・アシュレイGT 森住選手

クリスタル・カップ賞典外 #40 1964年型 シボレー・コルベット 小関選手

高レベルなレースが繰り広げられる、スーパー/ハイパー・クリスタル・カップには20台がエントリー。

ハイパー・クリスタル・カップ #155 1967年型 アルファ・ロメオ 1300GTジュニア 佐藤選手

ハイパー・クリスタル・カップ #122 1964年型 ロータス・エラン 藤崎選手

ハイパー・クリスタル・カップ #271 1972年型 アルファ・ロメオ・スパイダー 藤田選手

スーパー・クリスタル・カップU2000クラス #163 1967年型 アルファ・ロメオ・ジュリア・スプリント・ヴェローチェ 藤田選手

スーパー・クリスタル・カップU1500クラス #117 1990年型 ローバー・ミニ 矢代選手

レース終了後はサーキット内のレストランで表彰式が行われ、引き続き昼食と懇親会が開かれた。

毎回恒例の記念撮影は、雨が降り出してしまったため、レストランのテラスに全員集合してパチリ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

約293万円! マツダ新「MX-30」発表! ロータリーエンジン採用&旧車デザイン×豪華内装モデルも追加! 斬新ドアもイイ「小さな高級車」が販売店でも話題に
約293万円! マツダ新「MX-30」発表! ロータリーエンジン採用&旧車デザイン×豪華内装モデルも追加! 斬新ドアもイイ「小さな高級車」が販売店でも話題に
くるまのニュース
コンパクトスポーツの“日本代表”「GRヤリス」「GRカローラ」はどう違う? 2台のホットハッチをスペックで比較してみた
コンパクトスポーツの“日本代表”「GRヤリス」「GRカローラ」はどう違う? 2台のホットハッチをスペックで比較してみた
VAGUE
「心躍るじゃねーか!」スズキの新型『DR-Z4S/SM』、発表から1か月もSNSでは期待つのるばかり
「心躍るじゃねーか!」スズキの新型『DR-Z4S/SM』、発表から1か月もSNSでは期待つのるばかり
レスポンス
デコトラも自家用車にすれば自由度はケタ違い! いま特殊車両登録にして楽しむオーナーが増えていた
デコトラも自家用車にすれば自由度はケタ違い! いま特殊車両登録にして楽しむオーナーが増えていた
WEB CARTOP
タカラトミー、新年祝う「百福トミカ」6種を発売へ…12月28日
タカラトミー、新年祝う「百福トミカ」6種を発売へ…12月28日
レスポンス
“ランエボ”を彷彿とさせるSUVは上質だった──新型三菱アウトランダーPHEV試乗記
“ランエボ”を彷彿とさせるSUVは上質だった──新型三菱アウトランダーPHEV試乗記
GQ JAPAN
フェルスタッペンが語る自身の将来。現行契約は満了へ「今に満足している。あまり深くは考えていないけどね!」
フェルスタッペンが語る自身の将来。現行契約は満了へ「今に満足している。あまり深くは考えていないけどね!」
motorsport.com 日本版
【中国】ホンダ新型「イエGT」実車展示! “レッド内装”が超カッコイイ! 異形ハンドル&四輪初の“画期的”モニター採用! 最新型「“スポーティ”セダンコンセプト」登場
【中国】ホンダ新型「イエGT」実車展示! “レッド内装”が超カッコイイ! 異形ハンドル&四輪初の“画期的”モニター採用! 最新型「“スポーティ”セダンコンセプト」登場
くるまのニュース
ホンダ『ステップワゴン』、ユーザーが最も注目した中古車に輝く… 『カーセンサー』
ホンダ『ステップワゴン』、ユーザーが最も注目した中古車に輝く… 『カーセンサー』
レスポンス
佐藤琢磨に訊く“息子”佐藤凛太郎のHRSスカラシップ獲得。父親として、そして同スクールの校長として……
佐藤琢磨に訊く“息子”佐藤凛太郎のHRSスカラシップ獲得。父親として、そして同スクールの校長として……
motorsport.com 日本版
本田宗一郎との約束を果たした2ストロークマシン「RC500M」世界一への道程
本田宗一郎との約束を果たした2ストロークマシン「RC500M」世界一への道程
バイクのニュース
[car audio newcomer]ホンダ プレリュード(山澤秀明さん)by Warps
[car audio newcomer]ホンダ プレリュード(山澤秀明さん)by Warps
レスポンス
メルカリ、陸送のゼロと業務提携 中古車取引の名義変更の代行や検査・輸送を支援
メルカリ、陸送のゼロと業務提携 中古車取引の名義変更の代行や検査・輸送を支援
日刊自動車新聞
「オーラが凄い…」 3000万円の超豪華セダン「トムス センチュリー」に驚きの声! 誰もが二度見する“存在感”がスゴイ! 超スポーティなトヨタ「究極のセンチュリー」とは!
「オーラが凄い…」 3000万円の超豪華セダン「トムス センチュリー」に驚きの声! 誰もが二度見する“存在感”がスゴイ! 超スポーティなトヨタ「究極のセンチュリー」とは!
くるまのニュース
『バック・トゥ・ザ・フューチャー Part III』のデロリアン、アオシマの1/24プラモデルに
『バック・トゥ・ザ・フューチャー Part III』のデロリアン、アオシマの1/24プラモデルに
レスポンス
MSJが初めて横浜へ。JAFモータースポーツジャパン2025、山下ふ頭で3月22~23日開催決定
MSJが初めて横浜へ。JAFモータースポーツジャパン2025、山下ふ頭で3月22~23日開催決定
AUTOSPORT web
なぜロールス・ロイスが本社周辺の歩道417号を整備?…本拠地の拡張プロジェクトのために地域社会と良好な関係を築く必要性があるようです
なぜロールス・ロイスが本社周辺の歩道417号を整備?…本拠地の拡張プロジェクトのために地域社会と良好な関係を築く必要性があるようです
Auto Messe Web
トヨタ「MIRAI(ミライ)」一部改良!精悍さ際立つオプション「ブラックパッケージ」も設定
トヨタ「MIRAI(ミライ)」一部改良!精悍さ際立つオプション「ブラックパッケージ」も設定
LE VOLANT CARSMEET WEB

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

811.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

99.9458.0万円

中古車を検索
タウンカーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

811.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

99.9458.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村