現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > “初めてのジムニー4WDドライブ”の前に、知っておきたい作法 トランスファーレバー操作方法をやさしく解説する

ここから本文です

“初めてのジムニー4WDドライブ”の前に、知っておきたい作法 トランスファーレバー操作方法をやさしく解説する

掲載 更新
“初めてのジムニー4WDドライブ”の前に、知っておきたい作法 トランスファーレバー操作方法をやさしく解説する

いまや少数派と言えるパートタイム4WD。「こんなの運転したことないよ……」という初心者のあなたに、新型ジムニー駆動系の操作方法をやさしくガイドしておこう。

 現在新車で発売されているSUVの大部分はいわゆるフルタイム4WDだ。ドライバーの特別な操作は不要で、前後の駆動力配分をクルマが自動で行ない、センターデフ等を備え前後輪の回転差も許容する。だが、ジムニーはフルタイムではなくパートタイム4WD。舗装路では後輪のみを駆動する2WDで走行し、未舗装路や雪上はトランスファーで4WDに切り替える必要がある。

ホンダN-VANとN-BOX。新しい軽商用車とベストセラー軽、ラゲッジスペースはどのくらい違うのか?



 また、ジムニーにはセンターデフはないので4WD時は急旋回など厳禁。こうしたデメリットもあるが、できるだけシンプルな構造のメカニズムで軽量化し、過酷な使用状況でのメンテナンス性も高める理由でこの方式が採用されているのだ。また副変速機を持つのもジムニーの大きな特徴。4WDへの操作方法の詳細は取扱説明書に記載されているが、そのポイントをこれから伝授しよう。




 まず守りたいのは、舗装路では基本的に2WDで走行、ということ。タイヤがスリップしにくい乾いた舗装路では4WDにすると前輪と後輪の回転差を吸収しきれず、駆動系に無理な力が掛かり損傷する可能性もある。濡れた舗装路ではトランスファーを4H(4WDハイ)に入れると安定感が増すが、これも状況次第で、取説では濡れた舗装路でもできるだけ4WDは避けて下さい、と明記している。




 2WDである2Hと4WDの高速側である4Hの間の切り替えは、実は走行中でも可能だ。100km/h以下でハンドルが直進状態の場合、アクセルを少し戻してから操作すればOK。もちろん停車中でも切り替えは行なえる。雨がひどい舗装路でハンドリングを安定させたい時は臨機応変に2Hと4Hを使い分けよう。




 未舗装路や雪上では4WDの出番だ。そしてジムニーの高い走破性を支えるのが、より駆動力が高い4L(4WDロー)。副変速機内で約2倍の減速比のギヤに切り替え、急坂や深い砂地、泥濘地といった駆動抵抗の多い場所でも、力強くジムニーを動かせる。

 大事なポイントは、この4Lへの切り替えは停車中のみ可能で、ギヤをニュートラルにしてから、ということ。AT車でも同様で、P(パーキング)ではなくNにしてから操作する。ニュートラルで操作しないと大きな異音が出たり、きちんと4Lに入らないから注意したい。誤動作を防ぐため、4Hから4Lに入れる時はレバーを押し下げながらでないと4Lに入らないようになっている。




 先代ジムニーはモデルライフ途中からこのトランスファー切り替え操作がスイッチとなっていた。だがプロの現場から「慣れれば目視しなくても確実に操作できるレバー式がいい」との声が挙がったため、新型ではレバー式に戻ったという。この4Lは走破性を高めるだけでなく、不整地でスタックした他車を引っ張り上げるときにも活躍する。その際は最もギヤ比が低い後退で行うのが基本だ。




 ちなみにジムニーは、2H時は前輪ハブとドライブシャフトの締結をフリーにし、抵抗を低減するメカを装備する。昔のジムニーではこのハブの切り替えが手動だったので、4WDにするときはトランスファー操作後、前輪ハブのダイヤルを人が操作しなければならなかった。しかしその後、エンジンの負圧を利用して自動で切り替える「エアロッキングハブ」が採用され、いちいちクルマの外に出る必要はなくなっている。




 新型ジムニーの前輪をよく見ると、中央の部品が出っ張っている。ここにエアロッキングハブが内蔵されているのだ。後輪と見比べるとすぐに違いがわかるだろう。ハブの締結はエンジンの負圧を使うので、エンジン停止中は作動しない。またトランスファーレバーの操作からハブ作動まで数秒かかり、この間エアコンを使用していても風が止まるが、故障ではないのでご安心を。気を付けて聞いているとエアロッキングハブの作動音が聞こえるのも、ジムニー乗りなら知っておきたいポイントだ。




 以上、いろいろと説明してきたが、大事なポイントは
●舗装路での走行は基本的に2WD
●2H-4H切り替えは走行中でも可能
●4Lへは停車して“ニュートラルで”行なう

 の3つ。他のクルマではなかなか見掛けないトランスファーレバーを的確に操作できれば、ジムニーへの信頼感がより高まるだろう。

こんな記事も読まれています

【第1回】長尾循の古今東西モデルカーよもやま話:ミニチュアと実車の二刀流趣味~スーパーセブン編
【第1回】長尾循の古今東西モデルカーよもやま話:ミニチュアと実車の二刀流趣味~スーパーセブン編
AUTOCAR JAPAN
「能ある鷹感がいい」ワゴン専用になったVW『パサート』、デザイン、実用性にSNS注目
「能ある鷹感がいい」ワゴン専用になったVW『パサート』、デザイン、実用性にSNS注目
レスポンス
ハイエースにキャラバンが「デコトラ」みたいに「ギラッギラ」! 一歩間違えると「ブサイク」になる難易度高めの「デコバン」ワールド
ハイエースにキャラバンが「デコトラ」みたいに「ギラッギラ」! 一歩間違えると「ブサイク」になる難易度高めの「デコバン」ワールド
WEB CARTOP
F1ハースとの協業で得られる技術的メリット。WECとの違いとパイプライン【トヨタ/TGR加地部長インタビュー/前編】
F1ハースとの協業で得られる技術的メリット。WECとの違いとパイプライン【トヨタ/TGR加地部長インタビュー/前編】
AUTOSPORT web
マセラティ公式の「スーパーカー消しゴム」グッズ発売、“直線番長レース”で大人も夢中に
マセラティ公式の「スーパーカー消しゴム」グッズ発売、“直線番長レース”で大人も夢中に
レスポンス
「うわっ…!」“西日”がまぶしい! 午後のドライブで突然のピンチに!? 注意したい晩秋特有の“現象”に有効な「対策」とは
「うわっ…!」“西日”がまぶしい! 午後のドライブで突然のピンチに!? 注意したい晩秋特有の“現象”に有効な「対策」とは
くるまのニュース
急転直下のキャデラックF1参戦。マリオ・アンドレッティにとっても謎?「個人的な理由もあったようだが、突然まとまった」
急転直下のキャデラックF1参戦。マリオ・アンドレッティにとっても謎?「個人的な理由もあったようだが、突然まとまった」
motorsport.com 日本版
[15秒でわかる]ヒョンデ『アイオニック9』…柔軟な座席配置を実現
[15秒でわかる]ヒョンデ『アイオニック9』…柔軟な座席配置を実現
レスポンス
いすゞ「“2階建て”キャンパー!?」世界初公開! タフな「カクカク」ボディが超カッコイイ! 6人寝られる「NTB エクスペディション ストライカー」愛知で実車展示
いすゞ「“2階建て”キャンパー!?」世界初公開! タフな「カクカク」ボディが超カッコイイ! 6人寝られる「NTB エクスペディション ストライカー」愛知で実車展示
くるまのニュース
F1シート喪失の周冠宇、2025年はフェラーリのリザーブドライバー就任?「彼らは僕にかなり興味を示している」
F1シート喪失の周冠宇、2025年はフェラーリのリザーブドライバー就任?「彼らは僕にかなり興味を示している」
motorsport.com 日本版
最強ディフェンダー「オクタ」初展示! 驚愕スペックとプロトタイプの全貌とは
最強ディフェンダー「オクタ」初展示! 驚愕スペックとプロトタイプの全貌とは
レスポンス
F1、カタール航空のSAF(持続可能航空燃料)プログラムに参画。”空のネットゼロ”実現にも貢献へ
F1、カタール航空のSAF(持続可能航空燃料)プログラムに参画。”空のネットゼロ”実現にも貢献へ
motorsport.com 日本版
【MotoGP】現役引退のアレイシ・エスパルガロ「才能では劣っていると感じていたけど、努力で勝った!」
【MotoGP】現役引退のアレイシ・エスパルガロ「才能では劣っていると感じていたけど、努力で勝った!」
motorsport.com 日本版
“不死鳥”ウィケンス、IMSAのGTDクラスに参戦! インディカーでのクラッシュで下半身不随もレースへの情熱は燃え続ける
“不死鳥”ウィケンス、IMSAのGTDクラスに参戦! インディカーでのクラッシュで下半身不随もレースへの情熱は燃え続ける
motorsport.com 日本版
日産、全国車椅子マラソンを12月開催へ…パラリンピック選手も参加
日産、全国車椅子マラソンを12月開催へ…パラリンピック選手も参加
レスポンス
トヨタに「超スゴいクラウン」登場! 300馬力超えに斬新「黒すぎデザイン」ד匠”の表面仕上げボディがカッコイイ! 「所有欲満たす特別なクラウン」どんなモデル?
トヨタに「超スゴいクラウン」登場! 300馬力超えに斬新「黒すぎデザイン」ד匠”の表面仕上げボディがカッコイイ! 「所有欲満たす特別なクラウン」どんなモデル?
くるまのニュース
宮田莉朋、FIA F2初開催カタールはライバル勢に“コソ練多し”目標はトップ10入り/第13戦プレビュー
宮田莉朋、FIA F2初開催カタールはライバル勢に“コソ練多し”目標はトップ10入り/第13戦プレビュー
AUTOSPORT web
ブレーキだけで1台分500万円も!? 高性能車に採用される「カーボンセラミックブレーキ」はなにが違う? 摩擦力と耐熱性に優れた理想のブレーキでした
ブレーキだけで1台分500万円も!? 高性能車に採用される「カーボンセラミックブレーキ」はなにが違う? 摩擦力と耐熱性に優れた理想のブレーキでした
Auto Messe Web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

165.4200.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0650.0万円

中古車を検索
ジムニーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

165.4200.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0650.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村