丸目なら810、という訳ではなかった
当連載「魅惑の自動車カタログ・レミニセンス」の第1回では二代目のダットサン・ブルーバード(411型系)を採り上げたが、今回は五代目・811型系のタクシー仕様のカタログを御覧いただこう。
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戦前のダットサン・セダンにまでそのルーツを遡ることのできるブルーバードだが、初代がデビューしたのは1959年のこと。1971年に登場した四代目では、それまでより上級のモデルへと移行しブルーバードUへと車名を改めていた。従来の地位を引き継ぐモデルとしては、その2年後に新規車種バイオレットが誕生していたが、ブルーバードUは1976年7月にフルモデルチェンジを行い、車名はブルーバードへと戻されたのである。
ボディは先代からさらに大きくなり、張りのある曲面を持つスタイリングも継承されたと言えるが、特徴的だったサイドウィンドウ形状は平凡な形に改められるなど、全体にオーソドックスにまとめられた印象。ボディは4ドア・セダンと2ドア・ハードトップ、そしてバンというバリエーションだった。
機構的にはブルーバードUから継承した部分が大きく、L型エンジンや前ストラット/後セミトレのサスペンションなどは従来同様。中心となるのは1.6Lと1.8Lの4気筒モデルだが、先代同様に2Lの6気筒搭載車もラインナップ、ただし名称はGTからG6へと変更されている。また、下級グレードはリアサスペンションをリーフリジッドとし、コストダウンを図っていた。
1977年10月には、4気筒のトップモデルである1800SSSのエンジンを、L18から新開発・Z18に変更し、53年度排出ガス規制をクリア。Z型エンジンはL型をベースに開発されたものだが、1気筒あたり2本のプラグを持つツインプラグ方式が特徴である。翌年1月には1.8Lの他グレードもエンジンをZ18へと変更。
1978年8月にはマイナーチェンジを実施、フロントマスクに角型4灯ライトを採用したほか、G6と同じロングノーズ・ボディに4気筒を積んだG4シリーズの追加、1.6L車のZ型エンジンへの移行、下位グレードのリアサスペンションの変更(半楕円リーフから4リンク・コイル式へ)などが行なわれている。そして1979年11月には、フルモデルチェンジで六代目・910型系へと生まれ変わったのであった。
GLとオートマチック車新設後のカタログ
さて、ここでご覧いただくカタログは、1979年1月に発行された、後期型ブルーバード・タクシーのものである。ブルーバード営業車は同年2月にAT(ニッサンマチック)車新設と上級グレードGLの追加が行われているのだが、このカタログにはそれに対応した内容となっているため、この変更に合わせて作られたものと思われる。サイズは300×250mm(縦×横)、表紙を含めて全8ページだ。
五代目ブルーバードの前期と後期のルックスをご記憶の方は、あるいは疑問に思われているかもしれない。「タイトルの画像は前期型の810では?」と。これは、営業用であるスタンダードとデラックスについてはマイチェンでも外観の変更が行なわれなかったためだ。しかし、追加された上級グレードであるGL(個人タクシー用ということになるだろう)は後期型の外観を与えられていたため、まるで前期と後期が混在したカタログのような、妙な印象となっているのである。Z型エンジン搭載車は型式が811となるので、このカタログに掲載の車両は全て811型となる。
筆者個人としては、810型系ブルーバードというと、中学1年のときの担任の先生が乗っていたグレーの前期型セダン、確かGLあたりのそれが思い起こされる。一度だけ乗せてもらったことがあるのだが(家庭訪問の際に学校から家まで案内するためであった)、室内にまるでタクシーのような青いゴムマットが敷いてあったのを、ボディカラーのグレーとの対比で鮮やかに記憶している。1988年のことであったが、その当時で10年ほど前のブルーバードは、やけに古いクルマに見えたものであった。
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それに610や810は、スカイラインや
ローレルに嫉妬したりライバルのコロナが
コロナマークⅡを出したことにより、
直6のL20を手に入れて高級感を出すために
ブクブク太ったブルーバードの黒歴史。
このため一回り小さなバイオレットで
補完したり、910でダイエットをすることになる。
あと、日産の昔話になると
こうやって実際に乗っていたユーザーを
ほったらかして、すぐCMやドラマの話で
花を咲かそうとする。
そうやってユーザーは離れて行き、
当時テレビ少年だったおじいちゃんだけが残る。