地図は共通だがセンサーや制御はプロパイロット2.0が優勢
スバルが10月に発表する次期「レヴォーグ」のニュースが増えています。シャシー、ボディ、サスペンション、エンジン、トランスミッションなどが全面的に一新された次期レヴォーグですが、中でも今の時代的に気になるのはADAS(先進運転支援システム)でしょう。
次期レヴォーグはオプション設定でハンズオフ(手放し)も可能な「アイサイトX」を設定。ハンズオフ可能なADASといえば、日産「プロパイロット2.0」が先行しているのですが、後発となるアイサイトXはプロパイロット2.0を超えたのでしょうか。
アイサイトXで大きく進化したのはセンサーが増えたことです。これまでの「アイサイト」は前方はステレオカメラだけで認識するという仕組みでしたが、アイサイトXではステレオカメラに加えて、左右にミリ波レーダーを追加しています。また、後側方については従来通りのミリ波レーダーと超音波ソナーで検知するシステム構成になっています。
一方、「日産 スカイライン」に搭載されているプロパイロット2.0のセンシングはどうでしょうか。スカイラインではフロントに画角違いの三眼カメラ、ミリ波レーダー(フロント・サイド)、そしてソナーを装備しています。リアにミリ波レーダーとソナーを併用するというのはレヴォーグと似た構成ですが、車両全体としてはカメラとミリ波レーダーがそれぞれ1個多くなっています。センサー構成だけでいえばプロパイロット2.0がリードしているように感じます。
高精度地図で50km/h以下のハンズオフ運転が可能に
高速道路の形状を知るために「3D高精度地図データ」を利用しているのは、アイサイトX、プロパイロット2.0ともに共通。3D高精度地図のデータは通常のカーナビで使っている地図データとは異なるもので、次期レヴォーグの場合11.6インチの大型ディスプレイに表示されている地図とはまったく違うデータを利用しているということです。高精度地図はセンチ単位での情報が入っているので、車線のどこにいるかを正確に知ることができるだけでなく、カメラで見えないコーナーの先までも考慮したライン取りが可能になっているわけです。また、スカイラインにない機能として、次期レヴォーグは準天頂衛星みちびきを使う高精度なGPSも搭載しています(※日産も今後の車種で採用予定)。
次期レヴォーグは、カーブ前の速度制御や料金所前速度制御、アクティブレーンチェンジアシスト(スイッチを押すだけで車線変更をする機能)、そして約50km/h以下の渋滞時はステアリングから手を離す「ハンズオフ」運転も可能としています。
すでに現行フォレスターが実用化しているドライバーモニタリングシステムを利用して、よそ見をしているときには注意を促す機能や、ドライバーの異常を検知するとハザードを焚きながら車両を自動停止させる機能も備えます。
50km/hを超えるとハンズオフできない次期レヴォーグ
プロパイロット2.0と比較すると、もっとも大きな違いはハンズオフに対応する速度域です。スカイラインの場合は状況が許せば、速度域に関係なくハンズオフが可能となっています。高速巡行時にこそハンズオフしたいと考えているユーザーにとっては、次期レヴォーグの仕様というのは少々残念に感じるかもしれません。
もっとも、ADASの良し悪しというのは単純に機能差だけでは判断できないのも事実です。実際に乗ったときに、どれだけマイルドでスムースなのか、ドライバーの意思とクルマの挙動に乖離はないのか、といった部分が満足度につながってきます。
今回、テストコース内という非常に良い条件下ではありましたが次期レヴォーグ・プロトタイプに乗ってアイサイトXを体験した範囲でいえば、そうしたナチュラルな運転フィールという点については、アイサイトでの長い経験が生かされた仕上がりであることが確認できました。80km/h程度でのライントレース性も優秀で、思わず手を離したくなるほどでした。技術的な課題は理解しつつ、これだけの性能を実現しているのだからこそ、ハンズオフの速度域を拡大してほしいというのが正直な印象です。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
※写真1~4枚目:スバル・アイサイトX(次期レヴォーグ)
写真5~6枚目:日産・プロパイロット2.0(スカイライン)
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