この記事をまとめると
■レクサスHSについて詳しく解説
渾身のハイブリッド専用車! トヨタSAIとレクサスHSはなぜ1代で消えたのか?
■2009年から2018年までラインアップされていた
■中古で買うなら「version L」が狙い目
燃費性能に特化したレクサスのプレミアムセダン
現在、SUVが主力となっているレクサスに2009年から2018年までラインアップされていたミドルクラスサルーンのレクサスHS。大排気量エンジンを搭載し、ゆとりがある走りを実現……とPRしていた高級ミドルクラスサルーンが全盛だった時代、ハイブリッドユニットのみを用意し燃費性能の高さをウリにしたセダンでした。
当時、斬新だったことで発売後、人気を得ることになりますが徐々に販売は低迷。残念ながら2018年に1代限りでブランドが消滅してしまいました。
そんなレクサスHSについて、どんなクルマだったか、またその特徴を紹介していきます。
レクサスHSとは
2009年に販売を開始したレクサスHSは、レクサスブランドにおいて初となるハイブリッド専用車でした。当時、GSやRXなどにハイブリッド車を用意していたレクサスでしたが、ガソリンエンジンを用意しないHSは異質なモデルだったともいえます。
また先にハイブリッド車を設定していたGSやRXが動力性能を高めるため用意したこととは違い、HSがハイブリッドユニットを搭載したのは燃費性能を重視するため。事実、HSの燃費性能は23km/L(10・15モード燃費)とコンパクトカー並みの高燃費を誇っていました。
そんなHSを端的に表現するなら「プリウスのレクサス版」といっても過言ではないのですが、そこはレクサス車。室内はプレミアムな雰囲気が漂い、先進機能や装備がこれでもかというほど搭載されています。
レクサスHSはデビュー後、一部改良を行いながら2013年にマイナーチェンジを実施。スピンドルグリルなどを備えたほか、燃費性能が向上。その後、特別仕様車の追加などを繰り返し、2018年に販売が終了しました。
残念なことにHSは後継モデルが用意されませんでしたが、その理由として主要マーケットとなる北米市場で販売が振るわなかったこと、また日本市場でもデビュー直後こそ人気を得たものの、他のモデルにハイブリッド車が設定されていったことやセダンの人気自体がなくなったことが挙げられます。
レクサスHSの特徴
プラットフォーム
レクサスHSは衝突安全性能に力が入れられた、トヨタのミディアムコンパクトクラス向けプラットフォームをベースに開発。衝突時の安全性をしっかりと確保する構造で、初代オーリスから採用がはじまったプラットフォームです。
このプラットフォームをベースにHSは剛性などを高め、レクサスブランドにふさわしい性能を実現するためのボディに仕上げました。
サスペンションはフロントがマクファーソンストラット式、リヤにはダブルウィッシュボーン式を採用。レクサスブランドの一翼を担うHSは重厚感のある走りを実現しています。
パワーユニット&燃費性能
レクサスHSに搭載されるパワーユニットは、2.4リッター直4エンジンとモーターのハイブリッドシステム。プリウスなどと同様にプラネタリーギヤ機構の動力分割機構式THS-IIとなります。
23km/L(10・15モード)とミドルセダンにおいて驚異的な燃費を達成したHSですが、ハイブリッドシステムのエンジンは2008年に登場したエスティマハイブリッドと同様。モーターを内蔵するトランスアクスルは先にデビューしたレクサスRXのものを改良と、従来品をHSに最適化するよう改良されました。
ただ燃費性能が優れていた理由はパワーユニットだけではありません。
レクサスHSは優れた燃費性能を実現するため空力性能を追求。フロア下面にアンダーカバーを配したことや、前後スポイラーやホイールまでも空気低減するためその形状などが工夫されています。結果、クラストップレベルの空力性能を実現しました。
レクサスの名にふさわしい内装を実現
インテリア
レクサスHSのインテリアで特徴的なのが浮いているようなセンタークラスター。この形状を採用した大きな理由はコントロールシステム「リモートタッチ」にありました。
「リモートタッチ」とはマウスのように手だけで各種操作を行うことができる装備。ナビなどの操作について手元を見ることなく画面に視線を集中して操作できる優れた装備です。
このコントロールシステムを効率的に使用することを考慮したのが個性的なインパネの形状だったのです。
逆にシフトレバーは他のレクサス車とは違いかなり小さくなりました。「リモートタッチ」右上に配されたシフトレバーはプリウスでおなじみの電気式シフトレバー。その当時、高級車としては異例とも言えるほどの小さなレバーでしたが、現在はレバーではなくシフトスイッチを装備する高級車も増えてきたことを考えると先見性があったともいえます。
居住性など
全長4700mmでFFレイストを採用したレクサスHSの室内空間は、当時、ひとクラス上のセグメントに属していたGSとほぼ同等の広さを備えていました。
とくに後席の居住性は良く、しかもゆったりとした大きめのシートを備えていたことが特徴です。
もちろんレクサスブランドで販売されるモデルなだけに、ラグジュアリー感満載。上級モデルにはセミアニリン(高級な革に用いられる仕上げ方法)本革シートが配されるなど素材にもこだわっていました。
ハイブリッド専用車となるレクサスHSで気になるのがラゲッジスペース。後席とトランクの間に駆動用バッテリーを搭載したことで同クラスのFFセダンと比べるとやや劣るものの、大きめ(9.5インチ)のゴルフバッグが4つ積めるなど実用性は十分でした。
多彩な先進装備
近年、loT技術の進歩と高速ネットワークの普及にともないコネクティッドカーが注目を集めています。レクサスHSがデビューした当時はいまほどそれらの技術が構築されていませんでしたが、現代のコネクティッドカーに繋がる先進装備が搭載されていました。
とくに注目を集めたのが「ハーモニーアシストドライビングナビゲーター」。エコドライビングゲーターの点灯やエコモードスイッチの選択などを通じ、レクサス車に装備される通信サービス「G-Link」でエコドライブの情報を集計。燃費を重視したHSらしくエコドライブの比率に応じてポイントを獲得できるシステムです。
またレクサス初となる「タッチトレーサーディスプレイ」を採用したのも特徴。ステアリングに備わるスイッチに触れると、操作パターンに触れている場所がヘッドアップディスプレイに表示される、当時としてはかなり先進的なシステムでした。
レクサスHSの中古車相場
執筆時点でレクサスHSの中古車は全国で265台が販売されており、その相場は35~295万円。レクサスブランドではあるものの100万円以下で購入できるモデルも数多く販売されているのが特徴です。
とはいえ、100万円以下で購入できるのは前期型(2009~2013年)で、10万km以上走行した車両が多数。ただ、マイナーチェンジでスピンドルグリルを備えた後期型(2013~2018年)も少数ではありますが100円以下で販売されていました。
新車で販売されていた際、ベースグレードと最上級グレード「version L」とは40万円ほどの価格差がありましたが、中古車ではほとんど差が見られません。販売台数こそ少ないですが安全装備が(とくに前期型は)他のグレードより充実している「version L」が狙い目といえるでしょう。
まとめ
いまや高級車とはいえハイブリッド車しかラインアップしていないモデルは珍しくありませんが、ハイブリッド専売車としてデビューしたレクサスHSはその当時、大きな話題を集めています。
残念ながら国内はもとより北米市場でも受け入れられず、ブランドが消滅してしまいました。
見た目などがレクサス車っぽくなかったことも人気を得られなかった要因かもしれませんが、高級車の新たな道筋を示したモデルだったことは間違いありません。
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みんなのコメント
こういう事すると海外でレクサスがジャーナリスト達にバカにされるから絶対やめて欲しいって徳大寺有恒御大が言ってたのに
まぁLS、LC、LX以外はトヨタ車に毛が生えたクルマだけどね
売れないから一世代で終了
トヨタ自動車あるあるですね
出ては消えるの繰り返しで歴史のない会社ですw