現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > いざという時の避難場所に!災害に強いクルマ選びのポイントとおすすめ車種

ここから本文です

いざという時の避難場所に!災害に強いクルマ選びのポイントとおすすめ車種

掲載 更新 12
いざという時の避難場所に!災害に強いクルマ選びのポイントとおすすめ車種

災害時に家族や愛犬を守ってくれるクルマとは

2023年9月は関東大震災からちょうど100年。ここでは災害時に強く、万一の際に役立ち、家族や愛犬を守ってくれるクルマの要件、車種の一例を紹介したい。

ライトはいつ点灯すべき?違反行為にもなる自動車の無灯火リスク

災害時に起こりうるのが停電だ。地震だけでなく、台風、水害でも停電の可能性がある。暑い季節に停電すると、エアコンが使えず、暑さとの戦いになり、熱中症も心配だ。そんなとき、クルマの車内はエアコンが使え、ラジオ、テレビからの情報収集も可能、USBソケットがあれば、災害時の命綱にもなるスマートフォンの充電もできる。

電動車のAC100V/1500Wコンセントが威力を発揮する

しかし、それだけでは物足りない。そう、クルマによっては走る発電所、電源供給車として活用することができる。具体的には、ハイブリッド、PHEVの電動車に用意されるAC100V/1500Wコンセントだ。これがあれば車内外はもちろん、延長コードを用いて家屋内に電源を供給することができるのだ。1500Wまでだから使える家電は限られるが、湯沸かしポットやホットプレート、電気毛布、照明などを稼働させることが可能になる。

車内のフルフラットアレンジができれば足を伸ばせるマイ避難所になる

つぎに、シートのフルフラットアレンジができる大容量空間を備えたクルマであれば、車内をお座敷、ベッドルーム化することもOK。これまでの災害時に、例えば避難所ではプライバシーが守られない、歩いて避難所まで行くことができない、ペットといっしょにいたいから・・・などの理由で車内避難を余儀なくされた人の一部に、いわゆるエコノミークラス症候群(血栓症)を患う報告もあり、クルマのシートに長時間座っているのは危ない。しかしシートをフルフラット化できれば、ベッドに横たわるように寛げ、就寝も可能になるというわけだ。

さらに言えば、水害の場合、最低地上高に余裕がある4WDモデル(SUV、クロスオーバーモデルなど)であれば、ある程度の水深(あるいは悪路)なら走破できる安心がある。

では、さっそく以上のような災害に強い資質を備えたクルマを紹介していきたい。ポイントはAC100V/1500Wコンセント、シートのフルフラット化、そして最低地上高に余裕があることだ。

日産エクストレイルは災害時対応要件のほとんどを満たす

その筆頭が、日産エクストレイル。ハイブリッドのe-POWERモデルでAC100V/1500Wコンセントが標準、またはオプションで備わり、後席を格納すればラゲッジルームから続く比較的フラットかつ2m前後(前席シート位置による)のフルフラットアレンジが可能になり、車内をお座敷、ベッドルーム化することができる。



最低地上高はグレードによって185~200mmと十分で、四駆のe-4ORCEモデルであれば高い走破性を示してくれるから万全、安心だ。グレードによってはコネクティッド機能のひとつとしてSOSコールの用意もあり、さらに安心になる。

三菱アウトランダーは最強の災害対策車の1台

同じく国産SUVでは三菱アウトランダーPHEVも災害に強い1台だ。アウトランダーは悪路に強いクルマとして認知されているが、現行モデルはPHEVのみとなり、全グレードにAC100V/1500Wコンセントを車内2か所に装備。湯沸かしポットやヘアードライヤー、簡易電子レンジなどが使え、ノートPCの充電も可能。

AC100V/1500Wコンセントから自宅内に延長コードで言々を引くことができるほか、V2H(Vehicle to Home)機能を使えば満充電、ガソリン満タンの状態で、一般家庭の電力量最大約12日分をまかなうことができるのだから頼もしい。後席を格納すれば約1850mmのフラットスペース(最低天井高約980mm)が出現。快適なベッドルームに変身させることができる。SOSコールも用意されているから万全である。

トヨタRAV4は全長約1930mmのフラットスペースを出現されられる

トヨタRAV4にもAC100V/1500Wコンセントが用意され、ハイブリッドはオプション、PHEVは標準装備。SOSコールも用意される。そして後席を倒せばなんと、全長約1930mmものフラットスペースができ、大柄な人でもゆったりと横になることができる。最低天井高も810mmと十分。全車4WDで最低地上高もグレードによって190~200mmと、走破性も文句なしと言っていい。



ここまで、AC100V/1500Wコンセントが備わり、車中泊にも対応するシートのフルフラット化が可能で、最低地上高の余裕から走破性にも優れた、災害時に威力を発揮してくれる国産SUVを紹介してきたが(輸入車にAC100V/1500Wコンセントはまず採用されていない)、もう1台、候補として挙げたいのが、SUVではないものの、AC100V/1500Wコンセントが備わり、車中泊にも対応するシートのフルフラット化に優れた最新の日産セレナのe-POWERモデルである。

室内空間の広さと2/3列目席フルフラットアレンジが光る日産セレナ

推奨する理由はまず、セレナとして初めてe-POWERモデルにAC100V/1500Wコンセントが用意されたことと、トヨタ・ノア&ヴォクシー、ホンダ・ステップワゴンを含む国産Mクラスボックス型ミニバンの中で、もっとも2-3列目フラットアレンジ時のフラット度に優れ、隙間が最小限で、クッション性が良く、それこそマットレス不要で全長2150mmもの快適なフラットスペース、ベッドスペースが確保できる点にある。

最低地上高は135mmと一般的な乗用車と同じで、e-POWER車は2WDのみの設定となり、走破性はエクストレイルのようなSUVに及ばないものの、最大8人乗れるボックス型ミニバンならではのSUVをしのぐ室内の広さと高さのゆとりもあり、万一の際、AC100V/1500Wコンセント(e-POWER車)が使え、大人が真っすぐ快適に横になれるプライベートな避難スペースとして大活躍してくれること必至(このクラスのミニバンでAC100V/1500Wコンセントを用意しているのはほかにトヨタ・ノア&ヴォクシーのみ。ホンダ・ステップワゴンには用意されていない)。普段の多人数乗車が想定されるなら、こちらが万能だろう。

災害大国の日本では、万一に備えた”保険”として、家族や愛犬を守るためにそうしたクルマ選びも重要ではないだろうか。もちろん、日々の足、ドライブ、アウトドア、車中泊に大活躍してくれるオールラウンダーなクルマたちである。

文/青山尚暉
写真/雪岡直樹・青山尚暉・日産

こんな記事も読まれています

ポルシェやAMGも予算内? 今なら半額!な有能「中古」モデル(1) ホットハッチ/SUV編
ポルシェやAMGも予算内? 今なら半額!な有能「中古」モデル(1) ホットハッチ/SUV編
AUTOCAR JAPAN
メディアセンターでの至福の時間はエクレアとコーヒーで。ベルギーの町のパン屋のエクレアが昭和な味でオススメです【みどり独乙通信】
メディアセンターでの至福の時間はエクレアとコーヒーで。ベルギーの町のパン屋のエクレアが昭和な味でオススメです【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
フェラーリが快挙! 90年ぶりのにル・マンとモナコGP同年優勝。連覇達成で「まぐれではないことを証明した」
フェラーリが快挙! 90年ぶりのにル・マンとモナコGP同年優勝。連覇達成で「まぐれではないことを証明した」
AUTOSPORT web
【トヨタ分析】「ガチンコ勝負でパワーが落ちた」7号車のトラブル。「ワーストコンディション」で光った8号車平川/ル・マン24時間
【トヨタ分析】「ガチンコ勝負でパワーが落ちた」7号車のトラブル。「ワーストコンディション」で光った8号車平川/ル・マン24時間
AUTOSPORT web
F1復帰を諦めるつもりはないと主張するシューマッハー。一方でシート獲得に向けて戦うのは「消耗する」と明かす
F1復帰を諦めるつもりはないと主張するシューマッハー。一方でシート獲得に向けて戦うのは「消耗する」と明かす
AUTOSPORT web
元国民的アイドルが500万超の「国産カスタムカー」を購入! 加護亜依が“即決買い”する姿に「びっくり!」「センスいい~」と話題
元国民的アイドルが500万超の「国産カスタムカー」を購入! 加護亜依が“即決買い”する姿に「びっくり!」「センスいい~」と話題
くるまのニュース
狂気の空力マシンで300馬力 スターリング・モスが395km/hを記録した日 歴史アーカイブ
狂気の空力マシンで300馬力 スターリング・モスが395km/hを記録した日 歴史アーカイブ
AUTOCAR JAPAN
RB代表「リカルドが結果を出せるよう努力している」必要とするものを与えるのはチームの責任だと語る
RB代表「リカルドが結果を出せるよう努力している」必要とするものを与えるのはチームの責任だと語る
AUTOSPORT web
高橋巧筆頭に3連覇狙うTeam HRC。「誰が乗っても速く走れると思っていた」新加入の名越と荒川が感じた課題/鈴鹿8耐テスト
高橋巧筆頭に3連覇狙うTeam HRC。「誰が乗っても速く走れると思っていた」新加入の名越と荒川が感じた課題/鈴鹿8耐テスト
AUTOSPORT web
ベントレーがゴージャスな「大人エレベーター」を手掛けたら…「How do you Bentley?」で「B世代」にアピールしたかったものとは
ベントレーがゴージャスな「大人エレベーター」を手掛けたら…「How do you Bentley?」で「B世代」にアピールしたかったものとは
Auto Messe Web
リバティ・グローバルがフォーミュラEの経営権を取得へ。保有比率65%の主要株主に
リバティ・グローバルがフォーミュラEの経営権を取得へ。保有比率65%の主要株主に
AUTOSPORT web
トヨタ新型「“タフ”ミニバン」発表! 斬新“大口顔”が超カッコイイ! MT&アンダー320万円設定ありの「プロエース“シティ”」墨に登場
トヨタ新型「“タフ”ミニバン」発表! 斬新“大口顔”が超カッコイイ! MT&アンダー320万円設定ありの「プロエース“シティ”」墨に登場
くるまのニュース
「南海フェリー」がトラック乗りの強い味方に! 始発便の「早乗り」がドライバーに優しいサービスだった
「南海フェリー」がトラック乗りの強い味方に! 始発便の「早乗り」がドライバーに優しいサービスだった
WEB CARTOP
愛車の履歴書──Vol41. 大黒摩季さん(後編)
愛車の履歴書──Vol41. 大黒摩季さん(後編)
GQ JAPAN
テインから『ギャランフォルテス』用車高調「ストリートアドバンスZ」が発売
テインから『ギャランフォルテス』用車高調「ストリートアドバンスZ」が発売
レスポンス
わがままを叶えてくれるプレミアムSUV──新型レクサスNX350“F SPORT”試乗記
わがままを叶えてくれるプレミアムSUV──新型レクサスNX350“F SPORT”試乗記
GQ JAPAN
なぜ「ペダル踏み間違え」起きる? 原因はどこにある? 相次ぐ「重大事故」は“高齢者”特有の問題ではない! 有効な「対策法」はあるのか
なぜ「ペダル踏み間違え」起きる? 原因はどこにある? 相次ぐ「重大事故」は“高齢者”特有の問題ではない! 有効な「対策法」はあるのか
くるまのニュース
カーメイト、新型ワイドリアビューミラー発売…ホンダ WR-V などに対応
カーメイト、新型ワイドリアビューミラー発売…ホンダ WR-V などに対応
レスポンス

みんなのコメント

12件
  • 災害になったら、それどころじゃないだろ。
    所詮情弱に買わせる為の「釣り」文句
  • フルフラットだと言っても後部座席を倒しても傾斜が付いていたり、シートの凸凹があれば寝づらい
    ヴェゼルは完全にフラットになるけど二人までしかスペースに余裕はない
    色々言い出したらハイエースにポタ電詰めとかそういう話になってくる
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村