大幅チェンジした人気SUV「ライズ＆ロッキー」の価格にご注目。驚異の160万円台グレードを設定したロッキーが巻き返しを図る!?

3種類のパワーソースが選べるようになった

コンパクトSUVカテゴリーにおいて一強といえるほどの人気を誇る「トヨタ ライズ」と、姉妹車「ダイハツ ロッキー」が、完全新設計のハイブリッドシステム採用を含むビッグマイナーチェンジを果たしました。

従来は1.0Lターボのみのラインナップだったライズ＆ロッキーですが、今回の商品改良により、1.2Lシリーズハイブリッド（エンジンを発電に使うハイブリッドシステム）の「e-SMART HYBRID（イースマートハイブリッド）」を新採用したのと同時に、1.2L NAエンジンのグレードも用意するなど、パワーユニットのバリエーションを一気に増やしています。

簡単にまとめると…
・ベーシックグレード（FFのみ）：新開発1.2L 自然吸気（NA）エンジン
・シリーズハイブリッド（FFのみ）：新開発1.2Lエンジンのハイブリッド
・ターボモデル（4WDのみ）：トルクフルな1.0Lターボエンジンを継続採用
…となります。

ターボは価格据え置き。新1.2Lガソリンはお手頃価格に

価格帯については、NAエンジンのFF車＞ターボエンジンの4WD車＞ハイブリッドの順に高くなっていきます。

＜ライズの価格帯＞
・NA・FF　　　　：170万7000円～203万9000円
・ターボ・4WD　 ：198万4800円～229万9200円
・ハイブリッド　：216万3000円～232万8000円

＜ロッキーの価格帯＞
NA・FF　　　　　：166万7000円～205万8000円
ターボ・4WD　　 ：194万4800円～231万8200円
ハイブリッド　　：211万6000円～234万7000円

新たにEPB（電動パーキングブレーキ）も採用するなど、MC前のモデルと価格を単純比較するのは誤解を招くかもしれませんが、あえて比べると、継続販売されるターボエンジン車（4WD）はほぼ価格据え置き、新1.2LガソリンNA車（FF）は、同等グレードのMC前のターボ車（FF）よりも少し安い設定。もちろん、ハイブリッドは高くなっていますが、1.2L NAエンジンを新設定したことで、手頃なコンパクトSUVというキャラクターも強まったと言えそうです。

ライズとロッキーの価格が共通ではない理由

ライズとロッキーの価格差も今回大きく変化した点で、商品改良以前はベースグレードの価格についてはライズのほうが低く設定されていました。

そもそもトヨタの販売店の数が多いことに加え、こうした価格設定もライズとロッキーの販売台数の違いにつながっているという見方もありました。2021年度上半期（4～9月）の販売台数は、ライズの3万7348台に対して、ロッキーは8591台にとどまっています。

しかしハイブリッドの追加などラインナップが一新された新しいライズ＆ロッキーではロッキーのベースグレードの価格設定が逆転しました。

こうした価格差は微妙な装備の差で生まれています。よく見ると、どのパワーユニットについても上級グレードについてはロッキーのほうが高い価格設定になっているので、ロッキーがライズより安く設定されたということではありません。

160万円台のベースグレードでロッキー人気上昇か？

新設定された1.2LエンジンのFF車についていえば、ロッキーだけが170万円を切ったエントリーグレードを用意するというのは、コンパクトなSUVを探しているという人にとっては見逃せないポイントです。

コンパクトSUVのハイブリッドとして最安値にこだわったダイハツの戦略により、ロッキーの人気は高まるでしょうか。今後のロッキー/ライズの販売情報に注目です。

文：山本晋也（自動車コミュニケータ・コラムニスト）

写真：
1、2枚目：ダイハツ ロッキー
3、4枚目：トヨタ ライズ

Comments

160万のグレードで安全装備も必要十分に標準装備。
これを見ると軽自動車を買う意味なんてあるのかと思う。
税金優遇とはいっても昔ほどの優位性はないし。

安い車だからこれくらいで良いだろうと妥協してしまっているところが残念だった。
こわばった乗り心地しかり、頭の良くないACCしかり。
しかし今回シリーズHV車は電動パーキングブレーキがおごられていたり遮音材が追加されていたり
何かしら進化を期待させられる。試乗が楽しみ。