現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 北海道札幌市に日本最北のBYDディーラーがオープン、Wallbox社のEV充電器も初導入

ここから本文です

北海道札幌市に日本最北のBYDディーラーがオープン、Wallbox社のEV充電器も初導入

掲載 14
北海道札幌市に日本最北のBYDディーラーがオープン、Wallbox社のEV充電器も初導入

BYDオートジャパンは2月17日、札幌市手稲区の下手稲通り沿いにショールームを備えた正規ディーラー「BYDオート札幌西」をオープンした。

同店のショールームには、現在発売中のミドルサイズSUV『ATTO 3(アットスリー)』と、コンパクトEV『DOLPHIN(ドルフィン)』が展示されている。前日には、メディア向けのオープンイベントが開催され、BYDオートジャパン代表取締役社長 東福寺厚樹氏や、ディーラーの運営会社であるD&Dマネージメントの代表取締役社長 村脇学氏などが挨拶を行った。

充電器のラインナップやアプリ開発で現場のニーズに応えるユアスタンド【特集 EV充電インフラビジネス最前線】

また今回、BYDのディーラーとして初めて、ユアスタンドが提供するWallbox(ウォールボックス)社製のEV充電器「Pulsar Plus」が設置された。BYD以外ではボルボの一部ディーラーにモックが設置されているが、実際に充電可能なものの店舗導入は全国でも初の事例だ。

◆2025年末までに全国100を超える店舗網目指す
オープンイベントにて登壇したBYDオートジャパン代表取締役社長 東福寺厚樹氏は、BYDについての紹介をスライドを交えて行った。BYDは1995年に中国の深センで、バッテリーの専業メーカーとしてスタート。当初はこのバッテリーを中核とし、スマホやパソコンのバッテリーのサプライヤーとしてビジネスを展開していた。そして現在では新エネルギー事業として、蓄電池をひとつの中核とし、太陽光エネルギーなど、自然を活用して得た電力を蓄電池に蓄え、電気が通っていない地域に電気を供給するといった事業も幅広く展開している。自動車事業は、乗用車ならびに商用車も含め、タイヤがついて動くものには、バッテリーを動力源としていろいろな自動車を展開。さらに都市モビリティ事業では、バスやトラックのEV技術を用いて、モノレールの車体開発や、運用システム全体も一括開発して、モビリティサービスを地域に展開するといった事業も展開している。現在では70を超える国と地域で乗用車事業を展開し、昨年1年間では全世界向けに302万台のバッテリー車を供給し、プラグインハイブリッドを含めた電気自動車では、今、世界1位の会社となっている。

新興企業のイメージが強いBYDジャパンだが、実は会社設立は2005年で、すでに20年が経っている。設立当初はソニーエリクソン、東芝などが使用するモバイルバッテリーを取り扱っていた。2015年からは電動バスの導入を始め、現在では435台のEVバスが全国で使われている。EV乗用車については、2022年に事業を開始。2025年末までには全国100を超える店舗網を作ろうと、活動を強化している最中だ。日本では、ATTO 3、ドルフィンを販売中で、登録の累計は1500台。今回オープンとなった札幌西のショールームは、全国で20番目だが、現在こういったショールームを建設中もしくは予定となっているものが31もあり、全国では51カ所で、試乗、見積もり販売などが可能だという。

最後に東福寺氏は、「この店舗をベースに、北海道での事業を大きくし、また全国にBYDの事業を大きく広げていきたい」と思いを語った。

◆震災体験、ノルウェーで得た気付き
D&Dマネージメント代表取締役社長 村脇学氏は、同社がBYDオートのディーラー運営を行うに至ったいきさつなどを語った。なぜBYDを扱うのかという質問はこれまでも受けてきたというが、それには村脇氏自身の体験が大きな影響を及ぼしている。村脇氏は2018年に発生した北海道胆振(いぶり)東部地震の際、旭川で被災し2日間電気がないという生活を過ごした。そんな不便な被災経験を得たのち、約2年前にBYDオートジャパンの東福寺社長やBYD代表取締役社長 劉学亮氏に出会い、今後BYDは乗用車の分野に進出するという話を聞いたとのこと。また、三菱自動車の益子修元社長に「これからは絶対にEVが来る、EVをやる前に北欧に行け」とアドバイスを受けていた。その言葉もあり、約2年前の12月、BYDをやると決めてからノルウェーに行ったところ、非常に衝撃を受けたそうだ。2013年頃は約5%しかなかったEVの比率が、2022年は約80%を超えるEVの比率になっているとのことで、国民の環境や自然に対する思いをすごく強く感じたという。このことから、北海道においても同じようなことが言えるのではないかという思いを抱いたと話す。

そんな村脇氏は今後について、「また北海道胆振東部地震で被災経験した時のことが、元旦に起きた能登半島の震災と重なって思い出され、このEV事業は今後モビリティだけではなく、蓄電池としてお客様の身を守ることもできるのではないかと思っている。これからも地域再生、創生を考え、一緒に成長していきたい」とした。

◆出力変更が自由にできるコンパクトな充電器を設置
BYDオート札幌西の駐車場には、Wallbox社製のEV充電器「Pulsar Plus」が設置されている。この充電器は専用アプリを使えば1.2kWから8kWまでリアルタイムで出力変更ができるのが大きな特徴。消費電力をなるべく抑えてゆっくり充電する場合は1.2kWまで下げ、充電時間を短縮したい場合は高出力の8kWで充電するといった用途に合わせた使い方が可能だ。またスケジュール充電、遠隔での充電開始・停止や、充電器の施錠・解除などもできる。BYDのクルマはもちろんのこと、ボルボ『C40』やアウディ『e-tron』、トヨタ『bZ4X』、日産『サクラ』などのBEV、三菱『アウトランダーPHEV』、トヨタ『プリウスPHEV』などのプラグインハイブリッド車に対応する。

極寒のエリアに設置されているため気になるのが、耐久性や動作に支障がないかどうか。Wallbox Pulsar Plusを国内で販売するユアスタンドの担当者は「動作温度はマイナス30度から40度となっており、EV先進国での北欧各国など世界150カ国での実績がある。国内・他社製だと(動作温度が)マイナス10度やマイナス20度までのモデルもあるなか、安心して使っていただける充電器」と話す。また「北海道などの寒冷地や雪の多い場所では、コンセントタイプのケーブルを地面に転がしておくと、取り回しの悪さや汚れなど気になると思う。Pulsar Plusはケーブル長5.5mながら軽くて取り扱いやすい」という。ケーブルホルダーも充電器と同梱セットされているため、ケーブルを巻いて壁にかけておくことが可能だ。

担当者は、「BYDオート札幌西を訪れた方には、コンパクト、スタイリッシュという点に加えて、アプリからの制御など高性能であるところなどもスタッフの方と一緒にご体感いただきたい」と話す。ディーラーには充電器は家庭には適さないものが設置されている場合もあるが、ここでは実際に自宅に設置するものと同じものを利用できるため、購入後の使用イメージも湧きやすいだろう。店舗スタッフも紹介しやすいという利点がある。

利用者がEVを買う際に家で使える使いやすいスマート充電器をディーラーが展示、紹介することは、海外では当たり前だという。日本では車を売ることだけに終始しているため、BYD札幌西店では「ユアスタンドがスタッフに充電環境の勉強会を行い、いい充電器を紹介をするという形を作っている」(担当者)そうだ。

ユアスタンドでは今後もBYDや他の自動車ディーラー店舗への紹介・導入を積極的に進めていく予定だ。また、ヨーロッパではWallbox社とメルセデスベンツ、電力会社であるIberdrolaが協業し、EVユーザーに向けた住宅用充電ソリューションの販売を行っており、日本でも同じ枠組みができないか検討しているという。

こんな記事も読まれています

贅の極みはLSかセンチュリーかLMか……グランエースもある! 国産車の後席でもっとも快適なのはドレなのか4台を比較してみた
贅の極みはLSかセンチュリーかLMか……グランエースもある! 国産車の後席でもっとも快適なのはドレなのか4台を比較してみた
WEB CARTOP
【スーパーGT】性能調整がフェアじゃない! 元F1ドライバーから不満あがるほどのパフォーマンス見せる2号車muta。速さの秘訣はクルマづくりの緻密さか
【スーパーGT】性能調整がフェアじゃない! 元F1ドライバーから不満あがるほどのパフォーマンス見せる2号車muta。速さの秘訣はクルマづくりの緻密さか
motorsport.com 日本版
スバルが新型「WRX tS」初公開! オシャブルー内装&ワイドボディ採用!? 2024年後半に米国で発売へ
スバルが新型「WRX tS」初公開! オシャブルー内装&ワイドボディ採用!? 2024年後半に米国で発売へ
くるまのニュース
EcoFlowが自動車のオルタネーターの余剰電力を利用し1.3時間で1000Wh充電できる走行充電器「Alternator Charger」を発売
EcoFlowが自動車のオルタネーターの余剰電力を利用し1.3時間で1000Wh充電できる走行充電器「Alternator Charger」を発売
@DIME
【スクープ】アストンマーティンのV12搭載新型スーパースポーツに「ヴァンキッシュ」の名前が6年ぶり復活へ!
【スクープ】アストンマーティンのV12搭載新型スーパースポーツに「ヴァンキッシュ」の名前が6年ぶり復活へ!
LE VOLANT CARSMEET WEB
【MotoGP】クアルタラロ、イタリア決勝で大苦戦18位。ヤマハのアップデートで好転の兆し見せるも“フィジカル”への負担が問題に
【MotoGP】クアルタラロ、イタリア決勝で大苦戦18位。ヤマハのアップデートで好転の兆し見せるも“フィジカル”への負担が問題に
motorsport.com 日本版
ポルシェ『911カレラ』改良新型…空力と動力性能を向上させるデザイン[詳細画像]
ポルシェ『911カレラ』改良新型…空力と動力性能を向上させるデザイン[詳細画像]
レスポンス
ヤマハ発動機が発表した不適切行為の該当車種一覧
ヤマハ発動機が発表した不適切行為の該当車種一覧
日刊自動車新聞
ポルシェ新型911 ついにハイブリッド登場 カレラGTS T-ハイブリッド【公式動画】
ポルシェ新型911 ついにハイブリッド登場 カレラGTS T-ハイブリッド【公式動画】
Auto Prove
ホンダが発表した不適切行為の該当車種一覧
ホンダが発表した不適切行為の該当車種一覧
日刊自動車新聞
アウディのラスボス登場!? 『RS Q8』改良新型、ド迫力フェイスでニュル激走
アウディのラスボス登場!? 『RS Q8』改良新型、ド迫力フェイスでニュル激走
レスポンス
汚れも気にせず愛犬がリラックスできる広い車内 トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
汚れも気にせず愛犬がリラックスできる広い車内 トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
堂々たる体躯がユーザーを魅了! トヨタ三代目「ソアラ2.5GTツインターボL」とは
堂々たる体躯がユーザーを魅了! トヨタ三代目「ソアラ2.5GTツインターボL」とは
バイクのニュース
日産「新キャラバン」発表! “お手軽”「車中泊」仕様が超スゴイ! アンダー380万円で買える「マルチベッド」とは
日産「新キャラバン」発表! “お手軽”「車中泊」仕様が超スゴイ! アンダー380万円で買える「マルチベッド」とは
くるまのニュース
出入りしやすく進化!Bears Rock のソロテント「ハヤブサテント」がリニューアル
出入りしやすく進化!Bears Rock のソロテント「ハヤブサテント」がリニューアル
バイクブロス
キジマの極小ウインカーランプ Nano シリーズ用「ウインカーステー」が発売!
キジマの極小ウインカーランプ Nano シリーズ用「ウインカーステー」が発売!
バイクブロス
CT125ハンターカブ用「ZETA エンジンプロテクション アンダーガード」がダートフリークから発売!
CT125ハンターカブ用「ZETA エンジンプロテクション アンダーガード」がダートフリークから発売!
バイクブロス
KTM新型250デューク試乗「 OHCの新エンジンは2スト的な特性!? 車体はよりコンパクト&フレンドリーに」
KTM新型250デューク試乗「 OHCの新エンジンは2スト的な特性!? 車体はよりコンパクト&フレンドリーに」
モーサイ

みんなのコメント

14件
  • 桃太郎侍
    極寒の北海道でEVを売る。寒さに対する自信の現れ。

    ま~日産EVも北海道走ってるからね。
  • mon********
    まともなBEVを作れない日本車は大ピンチだ!
    中国では、あのトヨタが共同開発をお願いするほどの大メーカー、それがBYD。
    中国4000年の歴史、世界最大の人口と市場をもつ優れた国、中華人民共和国のメーカーだ。
    指導者の強力なリーダーシップさえあれば、一瞬で世界の覇権を手中におさめることができるのだ。
    アイヤー‼️アイヤー‼️
    半導体、白物家電、パソコン、ガラケーに続き自動車も日本はもうだめだろう。
    数年後は中国生産車が世界中を席巻し、トヨタはBYDに吸収合併されるんだろうな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

677.3698.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

565.0726.0万円

中古車を検索
ヨーロッパの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

677.3698.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

565.0726.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村