マツダは3月18日、電動化のマルチソリューションを具現化する「ライトアセット戦略」を公表した。2022年に発表した「2030経営方針」のもと、スモールプレーヤーとしての企業価値を向上させる実行戦略だ。
マツダは2030年までを「電動化の黎明期」と捉え、多様化する顧客ニーズや環境規制に柔軟に対応すべくマルチソリューションで電動化を進めている。多様な商品・電動化技術を、タイムリーに開発・生産し、市場導入するにあたり、既存資産(アセット)の活用度を高めることで、企業価値を向上させる。
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◆ライトアセット戦略により期待される効果
ライトアセット戦略により期待される効果は以下の通り。
●電動化投資の見直し
当初の見込みより増えてしまった電動化投資の削減。2022年11月に公表した、2030年までの電動化投資1兆5000億円は、インフレの影響で2兆円規模となる見込みだ。これを総額1兆5000億円程度に抑制する。その内の電池投資は、協業を活用することにより、約4000億円削減する。
●生産性を3倍に向上
ものづくり領域で「マツダものづくり革新2.0」を展開。開発領域においては、より複雑な開発に対し、既存リソース水準を維持しつつ、生産性を3倍に向上させる。
●バッテリーEV開発の効率化
2027年に導入予定のバッテリーEVについて、協業・パートナーシップによって、従来と比較し開発投資を40%、開発工数を50%低減する見通しだ。
●バッテリーEVとエンジン車を混流生産
生産領域においては、既存資産を活用してバッテリーEVとエンジン車を混流生産する。バッテリーEV専用工場新設と比較し、初期設備投資を85%低減、量産準備期間を80%低減する。
電動化時代に向けて戦略をアップデートし、低投資で高い資産効率を確保の上、競争力ある技術・商品を提供し、持続的な成長を実現する。
◆ライトアセット戦略での具体的な取り組み
ライトアセット戦略での具体的な取り組みとしてマツダは、「マツダものづくり革新2.0」、「SKYACTIV-Z」、「バッテリーEV」をあげる。ライトアセット戦略では、協業とマツダものづくり革新2.0で開発・生産効率を高め、資産効率の向上を期待する。
●マツダものづくり革新2.0
「マツダものづくり革新1.0」は、マツダの企業規模において、顧客の多様なニーズや需要変動に対応する柔軟性と、スケールメリットによる効率性とを両立させる開発・生産プロセス革新。「2.0」は、電動化および知能化時代に、スモールプレーヤーとして、開発・生産の柔軟性と効率性をさらに高める。バッテリーEVからエンジン車までの開発・生産を一括で企画する。
開発領域では、「1.0」で進めたユニット単位のMBD(Model-Based Development、モデルベース開発)を、クルマ全体のモデル化へ適用する。MBDとは、実物の試作部品ではなくコンピュータ上で再現した「モデル」を軸に開発を進めることで、時間の短縮と手間の削減が可能になる開発スタイルだ。MBDをサプライチェーン全体まで拡張し、より効率的な開発をめざす。
生産領域では、マツダが自身の強みであると自負する混流ラインに、AGV(Automatic Guided Vehicleも無人搬送車)を採用した「根の生えない生産設備」などを導入し、バッテリーEVとエンジン車を混流生産する。需要変動に対する柔軟性を確保し、資産効率を向上させる。
取引先サプライヤーとの共創により、部品の種類数を最適化し、種類を生む場所を近場に寄せるサプライチェーンの構造変革を推進する。
●SKYACTIV-Z
SKYACTIV-Zは、世界各地域のエミッション規制に適合する電動化時代の基軸となるエンジンだ。高い燃費性能と走行性能との両立をめざした。マツダ独自のハイブリッドシステムと組み合わせて、2027年中に次期『CX-5』から導入される予定だ。
SKYACTIV-Zの燃焼改善技術をラージ商品の直列6気筒エンジンに展開し、ロータリーエンジンのエミッション開発にも活用する。今後エンジンユニット数はSKYACTIV-Zを合わせて現在の半数以下に、制御ソフトウエアは3分の2に集約される。
●バッテリーEV
マツダが自社開発したEV専用プラットフォームは、さまざまなタイプの電池を搭載可能で、車型の派生も生み出せる。2027年導入予定の自社開発バッテリーEVは、グローバルに展開し、日本国内で生産する予定だ。
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みんなのコメント
ディーゼルとロータリー、それに高効率ガソリンエンジンもあるし、マツダのアセットで十分勝負できると思うよ。