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新型買えなかった人が大挙するのも時間の問題?? どうしても欲しいなら急ぐべし! タイプRは中古で狙え!!!

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新型買えなかった人が大挙するのも時間の問題?? どうしても欲しいなら急ぐべし! タイプRは中古で狙え!!!

 2022年9月1日、満を持して発売となったホンダ 新型シビックタイプR。ホンダいわく「これまでで最も強力で、最高のパフォーマンスを発揮する」とのこと。……欲しい! と思うわけだが、どうせ高いんでしょ? と思ってフタを開けてみると、税込みで499万7300円。前回の「リミテッドエディション」の550万円よりは安いけど、やっぱり苦しい。ならばここはひとつ、「中古のシビック タイプR」を狙いたい!

 中古で買える歴代シビックタイプRの相場状況を詳しくご紹介!

新型買えなかった人が大挙するのも時間の問題?? どうしても欲しいなら急ぐべし! タイプRは中古で狙え!!!

※本稿は2022年7月のものです
文/斎藤 聡、伊達軍曹、写真/HONDA、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2022年8月26日号

■初代(EK9・1997年登場/中古相場:約190万~500万円)

●初代(EK9・1997年登場)
・年式:1997年~2001年
・新車時価格:169.8万~219.8万円
・中古相場:約190万~500万円
・入手しやすさ:★★★★☆
・中古車おススメ度:★★★★★

初代シビックタイプRはNSX、インテグラに次ぐタイプRの第3弾として1997年に登場。車重1050kgという軽さも武器だった

●20年以上経過するモデルだが中古車の人気は高い

 6代目シビックのマイナーチェンジが行われた1997年8月に追加された、記念すべき初代シビックタイプR。パワートレーンは、最高出力185ps/8200rpmのB16B型1.6L直4DOHC-VTEC+5MTだった。

●中古車購入ポイントは?

 流通台数は全国で約80台と、歴代シビックタイプRのなかでは2番目に豊富で中古車は探しやすい。ただし人気が高い世代であるため相場は上昇中であり、直近は190万~500万円といったところ。走行20万km超の修復歴あり車でも200万円を軽く超え、専門店がビシッとリフレッシュさせた個体は400万円を超える。

 予算に余裕がある場合は専門店仕上げのノーマルに近い個体を350万円~の予算で探したいところだが、もう少し手頃な予算で手を打ちたい場合は200万円後半のゾーンに注目を。もはや走行距離うんぬんではなく“整備履歴と使用履歴”を重視して選ぶべき世代だ。

■2代目(EP3・2001年登場/中古相場:約110万~270万円)

●2代目(EP3・2001年登場)
・年式:2001年~2005年
・新車時価格:220.0万~255.0万円
・中古相場:約110万~270万円
・入手しやすさ:★★★★☆
・中古車おススメ度:★★★☆☆

2代目タイプRはイギリス工場製で2001年に登場。2Lに拡大されたVTECエンジンは215ps/20.6kgmを発揮。これに6MTが組み合わされる

●2Lに拡大された2代目の中古車相場はやや安め

 7代目シビック発売から1年後の2001年12月に登場した2代目のシビックタイプR。搭載エンジンは2LのK20A R-Spec(最高出力215ps)に変わり、トランスミッションもフロア5MTから、インパネから生える6MTに変更されている。

●中古車購入ポイントは?

 中古車の流通量は全国で約50台。初代よりもやや人気薄な分だけやや少なめで、相場も110万~270万円といくぶん安めになっている。

 手頃な予算で狙いたい場合にマークすべきは車両150万円前後のゾーンだが、「いいモノに長く乗りたい」という場合には、車両220万円超の各部リフレッシュずみ物件がいい。安いモノを買っても、結局は高めな物件を買うのと同程度か、それ以上の整備代がかかることは多い。

■3代目(FD2・2007年登場/中古相場:約180万~600万円)

●3代目(FD2)
・年式:2007年~2010年
・新車時価格:283.5万円
・中古相場:約180万~600万円
・入手しやすさ:★★★★★
・中古車おススメ度:★★★☆☆

8代目シビックがベースの3代目タイプRは2007年に4ドアセダンで登場

●セダンの3代目タイプRは中古車流通量が豊富

 全幅1770mmの3ナンバーサイズとなって2007年3月に発売された3代目。インテグラタイプRの生産終了以来6年ぶりとなった「4ドアのタイプR」で、エンジンは2代目と同じK20A型2L直4DOHC-VTECだが、225psに増強されている。

●中古車購入ポイントは?

 中古車流通量は全国で約130台と歴代シビックタイプRのなかでは最多で、探しやすい状況ではある。相場は180万~600万円と上下に幅広く、上物を狙おうとすると300万円を超えてくるが、車両230万円付近から「まずまず悪くない個体」を見つけることができる。考え方や人それぞれの予算感次第だが、中古車としてのバランスがいいのは300万円前後のゾーンか。

 前期型は足が硬いため、できれば2008年9月以降の後期型を探したい。

■タイプRユーロ(FN2・2009年登場/中古相場:約110万~330万円)

●タイプRユーロ(FN2・2009年登場)
・年式:2009年~2012年
・新車時価格:298.0万~300.0万円
・中古相場:約110万~330万円
・中古車おススメ度:★★★☆☆
・入手しやすさ:★★★★☆

欧州仕様の8代目シビック3ドアハッチバックをベースにイギリスで生産されたFN2型のタイプRユーロは2009年に発売

●タイプRの中古車のなかではお手頃価格が目立つ

 8代目欧州仕様シビックをベースとするヨーロッパ市場向けのシビックタイプRだが、2009年11月に「シビック タイプR ユーロ」という車名で日本でも限定発売された。生産は英国工場で行われ、搭載エンジンは最高出力201psのK20A型2L直4i-VTECだった。

●中古車購入ポイントは?

 日本では台数限定での発売だったが、中古車は全国で約80台というまあまあの数が流通中。価格も110万~330万円と、絶版名車として人気が高まっているシビック タイプRのなかでは手頃ではある。

 とはいえ100万円そこそこの物件はけっこうな過走行である場合がほとんどであるため、狙い目は160万円前後のゾーンになるはず。足はけっこう硬いので、そこはあらかじめ覚悟を。

■4代目(FK2・2015年登場/中古相場:約380万~500万円)

●4代目(FK2)
・年式:2015年~2016年
・新車時価格:428.0万円
・中古相場:約380万~500万円
・入手しやすさ:★☆☆☆☆
・中古車おススメ度:★★★★☆

ニュルで量産FF車最速タイムを記録し、2015年に750台限定で登場した4代目。9代目シビックの欧州仕様5ドアがベース

●限定車だけに中古車は希少で価格も高め

 3代目の販売から5年の時を経て2015年10月に発売された4代目のシビックタイプR。ベースは9代目の欧州仕様で、搭載エンジンは歴代初のターボ付きとなるK20C型。最高出力は310psに達し、最高速度は270km/hと発表された。

●中古車購入ポイントは?

 中古車の流通台数は全国で10台以下と希少で、価格も、走行7万km超の最安物件物件でも380万円を超えるという状況。それゆえ決して「探しやすくて買いやすい中古車」とは言えない。

 しかし走行1万km前後の超上物を、次期型よりはずいぶん安い450万円前後で、しかも“即納”でイケるという意味では狙う価値あり。年式的にもまだ新しいゆえ、これといった機械的な弱点がないというのもありがたいポイントだ。

■5代目(FK8・2017年登場/中古相場:約430万~1100万円)

●5代目(FK8・2017年登場)
・年式:2017年~2020年
・新車時価格:450.0万~550.0万円
・中古相場:約430万~1100万円
・入手しやすさ:★★★☆☆
・中古車おススメ度:★★★★★

5代目タイプRは先代同様2Lターボ。320ps/40.8kgmを発生する

●中古価格は後期型だと600万円以上で高値!

 2017年4月に当時FF市販車最速だったフォルクスワーゲンゴルフGTIクラブスポーツSのニュルブルクリンク北コースのタイムを上回り、FF市販車最速の座を奪還した5代目タイプR。搭載エンジンは最高出力320psのK20C型2Lターボだ。

●中古車購入ポイントは?

 中古車の流通量は全国で約70台とまずまず豊富。しかし相場は2020年9月までの前期型でも430万~600万円、同年10月以降の後期型で600万~720万円、さらに「リミテッドエディション」になると1000万~1100万円と、かなりの高額になる。

 コレクターズアイテムとしてリミテッドエディションを買うのも自由だが、現実的には「480万円前後の前期型」が狙い目のポイントとなるだろう。

*   *   *

【総括】中古車としておすすめなのは何代目モデル?

シビックタイプRの中古車の場合、割安な買い得感のあるおススメ車というのはない状況。名作と言われる初代モデルを選ぶのもよし!

 中古車の好みは人それぞれであるため、「これ!」という唯一の答えは出しにくい。しかし筆者なら、完全リフレッシュずみの初代EK9を350万円超で狙うか、中古車としては最新となる5代目FK8の前期型を480万円付近で狙うだろう。

 シビック タイプRという名車に中途半端な接し方は禁物。超名作である初代か、もしくは一番新しいやつかという“両極端”な姿勢で臨みたいものだ。

(ここまでのTEXT/伊達軍曹)

【番外コラム01】歴代シビックタイプRで「走りが最高」だったのは?

 大別するとシビックタイプRは「NA」と「ターボ」に分けられます。凝ったメカニズム、精巧なエンジンの回転フィールなど、メカニズムの面白さを楽しむのならNAモデルがいいと思います。

NAエンジンのタイプRでは初代のシャープな操縦性は魅力的だった

 特に初代シビックタイプRは、2代目シビックから続いてきたCIVICレースの集大成とも言えるクルマだと思います。VTECエンジンの精巧に組み上げられたエンジンフィールや重心を低くしたシャープな操縦性が魅力です。

 鷹栖テストコースで鍛え上げられた初めてのスポーツモデルであり、あの瞬間、初代シビックタイプRは間違いなく世界のFFのハンドリングの頂点にありました。

 3代目は2L、VTECを積み、徹底的に足回りを締め上げた超スパルタンモデルでした。硬すぎる足回り、グリップは強烈だけれどワンダリングが強いタイヤ等々、苦労の跡が見て取れます。それでもシビックタイプRの灯を消さないぞという熱い思いで作り上げた最後のNAタイプRでした。クルマの出来よりも作り手の熱意に心惹かれます。

ハイパフォーマンスで最も過激な走りを持つのは、年代の新しい先代の5代目タイプR

 4代目はいきなりニュルFF最速のトロフィーを獲りにいったターボ車でした。5代目となる先代はリアサスが一新されたので多少身のこなしがジェントルになるのかと思ったら大間違い。

 さらに鋭くシビアに磨き上げており、これによるゾクゾクする刺激がたまらないクルマに仕上がっていました。過激度は文句なく歴代タイプRトップです。

 進化するシビックタイプRのパフォーマンスを基準にするのなら先代シビックタイプRがいいと思います。でもホンダの原始的な魅力に触れたいのなら初代がお薦めです。

(TEXT/斎藤 聡)

【番外コラム02】タイプRを超越した存在 シビック無限RRの中古はいくら?

FD2型シビックタイプRをベースに無限が手を加えたコンプリートカーの「シビックMUGEN RR」。希少で中古車相場は約1300万円!

 ホンダシビックMUGEN RRは、2007年9月に発売された無限(M-TEC)初のコンプリートカー。3代目シビックタイプRのカムシャフトとバルブスプリングを専用パーツに交換するなどしてノーマル比15‌psアップの最高出力240psを達成。

 サスペンションとブレーキにも手が入れられ、1本あたり2.6kg軽量化した鍛造ホイールやカーボン製セミバケットシート等々により15kg以上の軽量化にも成功している。

 新車時価格はノーマルより194.3万円高い477.8万円だったが、現在の中古車相場はなんと約1300万円! とはいえ、市場にはほんの少数しか出てこないのだが……。

(TEXT/伊達軍曹)

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