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メルセデス代表、V10エンジンの前倒しF1導入には反対「突然ルールサイクルを短縮するのは、愚かに見えてしまう」

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メルセデス代表、V10エンジンの前倒しF1導入には反対「突然ルールサイクルを短縮するのは、愚かに見えてしまう」

メルセデスのF1チーム代表であるトト・ウルフは、F1がV10エンジンを2031年以前に導入することで、2026年から始まる次期レギュレーションのサイクルが短縮されることになれば、F1が「愚かで不安定」になると考えている。

V10エンジンの復活は、FIA会長のモハメド・ベン・スレイエムによって議題に挙げられたモノであり、現段階では様々な選択肢が検討されている。

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F1は今季が現行レギュレーション最終年。2026年から2030年までの5年間は、電動モーター出力を引き上げた新型ハイブリッドパワーユニットを使用するレギュレーションに移行する。そのため、2031年以降に根本的に異なるパワーユニットに切り替えるというのが最もシンプルな案だ。

しかし一部では、2028年からV10エンジンを導入するべきだと訴える声がある。そうなると2026年からのレギュレーションを前提にアウディがF1に参戦し、ホンダもF1復帰を決めたという背景があるため、そうしたメーカーを説得する必要があるだろう。

例えば、FIAのシングルシーターディレクターであるニコラス・トンバジスは先週末の中国GPで次のように語っていた。

「私が思うに、正しい方法は次のようなものだ。3年後、4年後に違うタイプのパワーユニットにしたいのか? その答えがイエスなら、ふたつ目の疑問はその間に何をするかだ」

「持続可能な燃料の進歩によって、エンジンはもっとシンプルなものになるかもしれない。現在のパワーユニットは高価過ぎるため、世界経済的にもう少しコスト削減を図るべきだという意見に繋がる。だからこそ、会長は2028年にV10エンジンを搭載するなどとコメントしたのだ」

しかしmotorsport.comの独占インタビューに応じたウルフ代表は、F1がメーカーにとって「信頼できるパートナー」である必要があり、5年間使用される予定だった2026年レギュレーションから後退することは良い結果を生まないと主張した。

新レギュレーションが2、3年しか使用されないことを受け入れられるかと尋ねられ、ウルフ代表は次のように答えた。

「レギュレーションを前倒しすることについて正しい議論があればね」

「そうでなければ、我々はF1として、少々愚かに見られることだろう。持続可能な燃料を使った素晴らしいハイブリッドエンジンを売り込み、アウディのようなメーカーを惹きつけていながら、突然それを5年ではなく3年しか維持したくないと言い出すのだから」

「我々は、安定した信頼できるパートナーでなければならない。『これがレギュレーションで、これが投資の予算だ。そのための計算をする必要がある』、そういうことを言ってくれれば、人々は参加するかしないか考えることができる」

「しかし、レギュレーションが始まる前に次のエンジンやパワーユニットを検討しようというのは、F1を少し不安定なものにしてしまう」

「そしてそれこそ、FIAやF1、チームの利害が一致している理由だ。ひとつのレースやシーズンの成功に目を向けるのではなく、このスポーツが素晴らしいものになることを望んでいる。長期的な計画が必要であり、誰もが同じ側に立っているんだ」

ウルフ代表は、次世代パワーユニットの開発に躓いている者たちが、次期レギュレーションの短縮やV10エンジンの早期導入というアイデアを煽っていると示唆した。

ウルフ代表は具体的な名前こそ言及しなかったものの、明らかにレッドブルを意識しての発言だ。レッドブルは2026年から、フォードと協力しながらではあるが自社開発のパワーユニットを使用する予定となっている。

「来年は期待しているほどの競争力を発揮できないかもしれない……そう感じている人たちだと思う」とウルフ代表は言う。

「2014年を思い出してほしい。当時、同じ人たちがレギュレーションを批判したのは、彼らのパワーユニットサプライヤーが当初競争力がなかったからだ」

「今、彼らは独自にエンジンを作っている。それがうまくいっていないという恐怖があるのだと思う。だから突然、マニピュレーションビジネス(相手の意思や行動を巧みにコントロールして、自分の利益を達成すること)が始まり、V10がアイデアとして浮上するんだ」

一方でウルフ代表は、メルセデスとしては次世代のパワーユニットに対してオープンマインドだと認め、適切なプロセスを踏むのであれば、話し合いには前向きだと強調した。

「メルセデスとして、我々はこのような議論をすることに常にオープンである」

「未来のエンジンはどうなるのか? V8なのか、V10なのか、どんなハイブリッドシステムを搭載するのか。持続可能な燃料はどうなるのか、自然吸気エンジンなのかターボエンジンなのか」

「どんな挑戦があっても、我々は構わない。その決定方法に関して、適切なガバナンスがある限りはね。2031年以降に我々が望むものは何なのか、全エンジンメーカーと知恵を出し合い、F1にとって良いプランを考えよう」

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みんなのコメント

2件
  • ven********
    オールドファンには喜ばれるかもしれないけど、NAV10エンジンとなれば、あの爆音では現行の市街地コースでのレースも減る可能性はある。
    しかも、PU製造メーカーからするとMGU-Hは無くなるがハイブリッドだからこそ開発する意義などを理由に莫大な資金を投下してF1に参戦・供給する建前になるけど、NAV10ではその意義が薄れるので、HONDAを筆頭に撤退するPU製造から手を引く可能性が大きくなるね。
  • hab********
    F1では、チームとしても参戦しているフェラーリやメルセデスには報酬が入ってくるが、パワーユニットメーカーには支払われない。
    ホンダが次期パワーユニットにどれだけの資金や人材や時間を使っているのかわからないが、そんな構想は受け入れられないことだろう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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