軽くレバーを倒すだけで3~5回点滅させることができる
一般道、高速道路を問わず、ウインカーを出しっぱなしにしているクルマを見かけたことはないだろうか。右左折、レーンチェンジをしようとしているのかと思いきや、そうでもない。これはウインカーの戻し忘れなのだが、後続車としては、前を走るクルマの意図をつかめず、大迷惑だ。
一時停止があれば左? 走ったままだと右? 「合流時のウインカー」はドッチに出すのが正解か「警察」の回答とは
そんな凡ミスを防いでくれるのが、ワンタッチウインカー。ウインカーレバーを軽く、最後までいかない程度に倒すと、3回ウインカーを点滅させられる機能で、ウインカーレバーを戻すことなく、ウインカーの点灯、右左折、レーンチェンジが完了する。ウインカーを出しっぱなしにしてしまうミスも防げるというわけだ。
しかし、世界中のクルマがワンタッチウインカーを採用する中で、トヨタは最近まで頑固として採用してこなかったのである。理由は道路交通法で、「進路を変える際、進路変更が完了するまでウインカーを出し続けなくてはならない」。また「レーンチェンジでは進路変更をする3秒前にウインカーを出さなければならない」と記されているからだ。
とはいえ、軽自動車を含む国産車、輸入車のほとんどが、便利なワンタッチウインカーを採用してきた。操作の面倒もなく、テンポよく進路変更ができるため、その便利さを知って使い慣れている人も多いはずである。ウインカーを戻す操作がないぶん、事故原因になる可能性がある車線変更時に、より運転に集中できるとも言えるのだ。車線変更が完了しないうちに3回だけのウインカーの点滅が終わったとしても、もう一度、軽くウインカーレバーを操作すればよいだけだ。
もちろん、ワンタッチウインカー付きのクルマでも、ウインカーレバーを最後まで倒せば、通常のウインカーとして機能し、ウインカーを点滅させっぱなしにもできるため、ウインカー機能として道路交通法に引っかかることはない。
国産車のほとんどのクルマに装着されることになるだろう
ところが、これまで頑なにワンタッチウインカーの装備を拒み続けてきたトヨタ車も、たとえば新型ヤリスに装備している。世界のトヨタも、ついに流れに乗っかることにしたのか!? そうでもなかった。繰り返すが、世界のクルマのワンタッチウインカーは3回の点灯が基本。
しかしだ、ヤリスのワンタッチウインカーは、なんとプラス2回の5回も点灯するのであった(3秒強)。これなら、ほとんどの場合(ゆっくりと車線変更しても)、進路変更開始前から完了までの間、見事にウインカーが点滅していたりするのである。さすがトヨタ、道路交通法への対応がマジメではないか。
ちなみに、これまでのトヨタ車のワンタッチウインカー非装着車用に、アフターパーツでワンタッチウインカーキットが出まわっていたのだが、今度はヤリスの5回のワンタッチウインカーの点滅を、一般的な3回にするキットが登場しているのだから、面白い。5回だと長すぎて気持ち悪い……ということだろうか。
いずれにしても、トヨタがワンタッチウインカーを、重い腰をあげて採用し始めたことで(ライズやルーミー、パッソなどダイハツのOEM車には以前から付いていた)、これからは国産車のほとんどのクルマにワンタッチウインカーが装着されることになるはずで、トヨタお墨付きの機能!? として、3回か5回かはともかく、その便利さが多くのドライバーに周知されていくに違いない。
別に、ワンタッチウインカーがなくても走行、進路変更に支障はないものの、あるのが世界の潮流。少なくとも、ウインカーを戻し忘れて、後続車に迷惑をかけることはなくなるということだ。実際、使ってみると、前を走るクルマが突然、停車した時など、ウインカーを完全に倒すより、コンマ何秒か早くウインカーを点滅させられ(操作による)、後続車にいち早く車線変更の意思を知らせることができることを含めて、本当に便利ですよ!!
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みんなのコメント
出さずに車線変更するクルマのほうが多いですね