BMW X1シリーズが2023年2月にフルモデルチェンジを行ない、新たに電気自動車のiX1もラインアップしているので、乗り比べみた。
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まずはガソリンモデルの2.0Lターボから。試乗車は「X1 xDrive 20i xLine」AWDでグレードは標準グレードだ。エンジンは直列4気筒ターボの横置きで、出力は150kW(204ps)/5000rpm、300Nm/1450rpm-4500rpm、WLTCモード燃費は12.9km/Lというスペック。車両本体価格は556万円にオプション74万1000円分を装備し、合計630万1000円のモデル。
ボディカラーはユタ・オレンジ(メタリック)ボディサイズも立派になり全長4500mm、全幅1835mm、全高1645mm、ホイールベース2690mmで、かつてのX3を超える大きさにまで成長している。最低地上高は205mmあり、悪路でも駆けぬける歓びを求めているようだ。ベースは2シリーズのアクティブツアラーで採用しているFF用のプラットフォームを使い、横置きエンジンのため7速DCTと組み合わせている。型式もF48型からU11型に変わっている。
大型化されたキドニーグリル立体感のあるL字型のテールライト走り出してすぐに感じたのは「これガソリン車だよね?」という感想。驚異の静粛性があり、動き出しでもエンジンの音が聞こえにくいレベルに仕上がっている。市街地を走行しているときに耳を澄ませばエンジンの音は聞こえるが、意識しないとエンジンの存在はわからないほど静かに走る。
2.0L 直4ガソリンターボエンジン標準装備の18インチアロイホイールまた225/55-18インチサイズのタイヤ&ホイールということもあるのだろう、乗り心地もソフトで硬質な印象とは違うしなやかさを感じるのだ。ボディ剛性のしっかり感としなやかなサスペンションの動きはとても気持ちよく、高級車にふさわしい乗り心地を提供しているのだ。
これは同じプラットフォームを使って電気自動車もラインアップしているため、ロードノイズの侵入や風切り音などの静粛性への対策がとられたボディだから、ICE搭載車にもその恩恵として高い静粛性が維持されているわけだ。
BMWカーブドディスプレイや宙に浮くタイプのセンターコンソールを装備インテリアはヴァーネスカ・レザー オイスター / ブラックバックレストは40:20:40の3分割が可能利用環境が整うならば「iX1」をぜひ
その電気自動車である「iX1 xDrive 30 M Sport」は、快適この上ない。ボディサイズはガソリンモデルと同じサイズで最低地上高は172mmで、ガソリンの205mmとは異なっている。これはアダプティブMサスペンションを標準装備しているためだ。ちなみにiX1 xDrive 30 xLineにも標準装備されている。
BMW iX1 xDrive 30 M Sportもちろんスポーティさや操縦性といった違いを謳いつつも、車両重量の違いが大きいわけで、ガソリンの1640kgに対してiX1は2030kgと390kgもの重量違いがある。それを同じサスペンションで支えることは不可能で、適合させるためには異なる仕様になって当然というわけだ。ただ、適合の方向性としてはM Sportであっても硬めのスポーツドライブではなく、しなやかに動き乗り心地の良さを持ったM Sportなのだ。だからサスペンションは異なるものの方向性は同じベクトルでまとまっていて、こうした味付けの上手さがニクイのだ。
ボディカラーはアルピン・ホワイト航続距離は465km(WLTCモード)猛暑の続く今夏だが、紫外線、赤外線カットのガラスが全窓に適用されているため、炎天下に駐車していても室内がそれほど暑くなっていない。窓を全開にして走り出し、1分ほどして窓を閉めエアコンをMaxに設定するとすぐさま涼しさが蘇ってくる。そのためエアコンを常時使いつつも風量を上げたりせず、気分よくドライブできるのだ。こうした仕様は、バッテリー消費を少なくする工夫の一つだ。ちなみに、このウインドウはガソリン車も同様の仕様になっているので、涼しさは共通と言える。
インテリアカラーはヴァーネスカ・レザー モカ / ブラックさて、そのEVのiX1は140kW(190ps)/247Nmの駆動モーターを前後に搭載したAWDで、航続距離は465kmとなっている。ちなみに装着するタイヤはM SportグレードでもxLineのガソリンと同サイズで、銘柄まで同じ「コンチネンタル eco contact 6Q」でBMW専用タイヤの「MO」マーク付きだった。
18インチ M ライト・アロイ・ホイール急速充電口はリヤサイドにそうしてみると、駆動原動機が異なるだけで、他は同じ仕様になっていることがわかる。もちろん、M SportとxLineのグレード違いによる装備類の違いはあるにせよ、機能パーツより見た目の違いと思った方が良さそうだ。
さてもうひとつ気になるのはラゲッジスペースだが、ガソリンモデルは540LでEVは490L。後席をたたむとガソリンが1600Lに広がり、EVは1495Lという違いになる。しかし、十分な容量を確保しており不満はないだろう。
リヤビューも洗練されたデザインにガソリンモデルより容量は劣るが十分な広さだこのiX1 xDrive M Sportの価格は698万円で24万1000円のオプションを装備し合計722万1000円だ。合計額でガソリンモデルと比べると92万円の差があるが、利用環境が整う人には電気自動車のiX1を勧めたい。それはEVにしかないレスポンスがあり、エンジンでは絶対にできない走行シーンがEVには存在しており、新しい走りの世界、駆けぬける歓びも従来とは異なる世界観が広がっているからだ。
EVが叶わぬなら、ディーゼルターボという選択肢もある。今回試乗はできていないが、ディーゼルはそもそもCO2の排出量がガソリン車よりも少なく、近視眼的にはベストチョイスと言えるユニットだ。
【関連記事】BMW X1「xDrive20d」追加 ディーゼル+MHEVで低燃費実現
そうした中、X1のラインアップでは、どのパワーユニットであっても、静粛性やハンドリング、収納力、そしてブランド力など、どの角度からみてもBMWであり、満足度は得られるはず。言い換えれば自身のガソリンエンジンへのこだわりはなんだ?という疑問すら出てくるのだ。ぜひ、そうした自身のこだわりに関する分析を体験してみてはどうだろうか。
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みんなのコメント
昔のBMWのような抑揚感はなかったが。。