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【トップグレードに格上げ】ポルシェ・マカンGTSへ試乗 2.9L V6ツインターボで440ps

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【トップグレードに格上げ】ポルシェ・マカンGTSへ試乗 2.9L V6ツインターボで440ps

2023年まで新鮮さを維持する

執筆:Illya Verpraet(イリヤ・バプラート)

【画像】小変更 ポルシェ・マカンGTS 多彩な欧州製の高性能SUVと写真で比較 全149枚

翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)


ポルシェは、それぞれのモデルを大切に育てることが多かった。大きなアップデートを何度も繰り返しながら、モデルの特長を保ってきた。

オリジナルのポルシェ911は、1964年から1989年まで、901型から930型へ改良を加えながら作られ続けた。FRの928も、1978年に登場し1995年まで生産が続いている。だが近年のポルシェは、7年のモデルサイクルを与える傾向があるようだ。

ところが、現行のマカンの登場は2014年。ポルシェの経営は順調で、すでに7年が経過しているにも関わらず、マイナーチェンジが施された。

その理由は、2023年に純EVとなる新型マカンが登場するから。あと2年、新鮮さを保つ必要がある。現行の内燃エンジンを積むマカンも、純EVのマカンと並行して2024年までは売られるらしい。

ポルシェらしく、見た目的なフェイスリフトは控えめ。わかりやすい違いは、水平基調が強められたフロントバンパーだろう。ウインカーが上方へ移動している。LEDのヘッドライトも標準装備になった。

GTSの場合は、ボディ同色に塗られたリップスポイラーが付き華やか。リアバンパーは大きくえぐられ、ディフューザーが主張を強めている。

車内を観察すると、センターコンソールに並んでいたスイッチ類は、タッチセンサーのパネルに置き換えられている。光沢が強く指紋が残りやすい。フォルクスワーゲン・グループによるハードボタン排除の動きは、マカンにも及んだらしい。

旧ターボの2.9L V6ツインターボを獲得

タッチセンサーは目新しいし、触覚的なフィードバックも与えられ、使いやすそうに思える。だが実際に触れてみると、扱いやすさでは進歩していない。

インフォテインメント・システムもアップデート。実際に押せるハードボタンは、一部が姿を消したが、まだ少しは残っている。最新のフォルクスワーゲン・グループのものと比べれば、操作しやすいといえる。

インテリアデザイン全体の見た目に、最新感は薄い。だが、素材は充分に一流の水準だ。

シフトレバーは従来的なタイプ。付け根部分のレザーカバーがなくなり、樹脂が露出した仕上げになった。試乗車の、赤に塗装されたエアコンの送風口はオプション。好みが分かれそうだ。

今回のマイナーチェンジで重要な部分が、メカニカルな変更。マカンSとGTSがパワーアップした反面、従来まで選べたマカン・ターボはラインナップから外された。

新しいGTSは、従来のターボに積まれていた440psの2.9L V6ツインターボエンジンを獲得。マカンSには、従来のGTSに載っていたV6ユニットがスライドしている。

エントリーグレードの通常のマカンには、変わらずゴルフGTIにも積まれる2.0L 4気筒ターボが組まれる。新しいターボを獲得し、最高出力は20ps増強され264psになった。

シャシーでは、従来までオプションだったエアサスペンションがGTSで標準装備に。車高は従来のGTSと比べて10mm低くなり、フロントで10%、リアで15%、バネ剛性が高められている。

パーク・アシスト機能も搭載する。お望みなら、半自動で駐車をこなしてくれる。

唸らされるポルシェの説得力

ポルシェの説得力には、いつもながら唸らされる。シンプルな采配と確かな技術力を組み合わせ、ほかの自動車メーカーの判断に疑問を感じさせるほど。それは、マカンに座った瞬間から実感する。

シートの座り心地は完璧。オプションのアダプティブ・スポーツシートのクッションは固めだが、サイドサポートの位置や座面の長さ、ランバーサポートの位置まで、細かく調整できる。

ステアリングホイールも同様。リムは細身で握りやすい。スポークの位置も適正で、シフトパドルの操作感もカッシリ。普通に運転している限り、邪魔に感じることもない。

改良されたエアサスペンションとショックアブソーバーのおかげで、乗り心地の設定も幅が広い。多少硬めなものの、コンフォート・モードでは、ほとんどの路面の乱れを程よく丸め込んでくれる。

多少のボディロールは生じる。でも、ソフトなサスペンションを備える多くのモデルより快適にすら思える。モードを切り替え、サスペンションを引き締め車高を落とすと、ボディロールはほぼ消える。英国の良くない路面環境でも、問題なく対応可能だ。

ペースを速めると、ひと回り小さいホットハッチのような信頼関係を築ける。車高が高く、車重は2t近くあるにも関わらず。ステアリングホイールの重み付けは良好で、グリップ力も高い。

トルクベクタリング機能は、目に見えない不思議な感覚でタイトコーナーからのダッシュをアシスト。穏やかに、ドライバーの気持ちを鼓舞してくれる。

リニアなパワーで間違いなく速い

従来のマカン・ターボと同じ2.9L V6エンジンはソフトウエアが見直され、ターボラグを短くしレスポンスを高めてある。リニアにパワーを生み出してくれる。

ヘアピンでアクセルペダルを蹴飛ばせば、オーバーステアからのテールスライドも可能とする、豊かなパワーがリアタイヤへ伝わる。ステアリングの反応には若干曖昧さがある。オプションのピレリPゼロ・コルサを選べば、改善されそうだ。

サウンドは少し期待はずれかもしれない。高音域の唸りが小さくなっている。それでも、間違いなく速い。場所が許すなら、ローンチコントロールの起動も簡単だ。

ポルシェ・マカンとしてトップグレードに格上げされた、GTS。秀でたパフォーマンスを備えているが、ライバル勢の攻勢も激しい。ホットハッチのゴルフRですら、性能は足元に迫っている。

値段は安くはない。新しいマカンGTSの英国価格は、6万4770ポンド(971万円)から。総合力は非常に優秀だから、充分に合理的な設定だとはいえる。

比較すると、BMW X3 M40iやメルセデスAMG GLC 43より速いぶん、価格も高い。反面、最速SUVのカテゴリーに入る、より高価なX3 MやAMG GLC 63までには能力で届いていない。

ポルシェだから、オプション・リストを眺めているうちに自然と見積もりは釣り上がる。燃費は平均で8.0km/Lに届くかどうか。庶民的なSUVではないことは、確かだろう。

ポルシェ・マカンGTS(欧州仕様)のスペック

英国価格:6万4770ポンド(971万円)
全長:4726mm
全幅:1922mm
全高:1621mm
最高速度:271km/h
0-100km/h加速:4.5秒
燃費:8.9km/L
CO2排出量:255-265g/km
車両重量:1960kg
パワートレイン:V型6気筒2894ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:440ps/5700-6600rpm
最大トルク:56.0kg-m/1800-5600rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

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みんなのコメント

9件
  • このV6ツインターボはアウディ開発なんだよね。
    いいエンジンだよね。
  • 前期マカンGTSのエンジンが一番良い。
    シャーシは後期だが。
    エアサスは乗り心地がとても良い。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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