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急きょデビューの大草りき「悲鳴をあげる週末になりそう」/もてぎの多重クラッシュの影響【SF最終戦直前Topics】

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急きょデビューの大草りき「悲鳴をあげる週末になりそう」/もてぎの多重クラッシュの影響【SF最終戦直前Topics】

 10月28日・29日に最終大会が行なわれる2023全日本スーパーフォーミュラ選手権。舞台となる鈴鹿サーキットは、26日木曜から搬入・設営など、金曜からの走行に向けた準備が進められている。

 第7戦モビリティリゾートもてぎから約2カ月間のインターバルが空いたスーパーフォーミュラ。その間には、いくつかのトピックスがあった。

タイトルは誰の手に。早くも緊張感漂うスーパーフォーミュラ第8・9戦鈴鹿 搬入日の様子

■月曜に打診を受けた大草「エンジンがかかるまでは信じられない」

 まずは今週に入って、TGM Grand Prixの53号車を駆る大湯都史樹が最終大会を欠場することを発表。チームのリリースによると、本人から辞退の申し出があり、その決意は固いとのことだった。

 これにより急きょ空席となった53号車のシートに、現在スーパーGTのGT300クラスやスーパー耐久で活躍中の大草りきが乗り込むこととなった。

「今週の月曜日の夕方6時くらいに決まりました。そこからシート合わせとかを急ピッチで進めました」とサーキット入りした大草は語った。

「チームとミーティングをしていて『本当に乗るんだ』という実感は出てきましたけど、実際には(走行セッションで)エンジンがかかるまでは信じられないような感じです」

 大草は6月に富士スピードウェイで行なわれた公式テストの際、TGM Grand Prixに帯同しテストの様子を見学していたが、この時点では実際にレースに出るという話は全くなかったとのこと。

「あの時は、僕が今後のために勉強しようと思って、(チーム代表の)池田さんにお願いしました。自分のスキル向上というか、GTにも活かせる部分があればいいなということで、行かせてもらいました」

 現在はスーパーGTやスーパー耐久など“ハコ車”での活躍が目立つ大草は、2018年には全日本F3選手権にスポット参戦し、2021年にはフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズチャンピオンシップに6レース参戦。いきなり優勝を飾る活躍で、同年のシリーズランキング3位を獲得している。

 今年もスポーツ走行等でFRJの車両に乗っているが、スーパーフォーミュラとなると大きなステップアップとなる。シミュレーターで練習はしているものの、不安というよりは未知数なことばかりで、想像がついていないといった様子だ。

「練習走行も1時間30分しかないので、絶対に悲鳴をあげる週末になりそうですけど、そこは自分でちゃんとケアしながら一段ずつ上がっていければなと思います。シミュレーターも少しは乗りましたけど、コーナーでかかるGとかは実際に乗ってみないと分からないので、この1時間30分でどれだけ慣れれるかがポイントですね。まずはクラッシュとかせずにチェッカーまでマシンを運びたいです」と大草。ぶっつけ本番の週末から、目が離せない。

■もてぎでの多重クラッシュで牧野車、松下車ともにモノコック&エンジン交換

 前回のもてぎでは、スタート直後にマシンが宙を舞う大クラッシュが発生した。リアム・ローソン(TEAM MUGEN)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、松下信治(B-Max Racing Team)が絡むアクシデントとなったが、幸い誰も大きな怪我なく、病院で精密検査を受けた牧野も翌日に退院。医師の指示により7日間はレーシングカーに乗るのを控えることになり、翌週のスーパーGT第5戦予選日はマシンに乗らなかったが、それ以降は問題なくレースができている。

 このクラッシュの影響でマシンも大きなダメージを受けていたとのこと。牧野の5号車、松下の50号車ともに、モノコックとエンジンを交換したことが、今日までに分かった。エンジンに関しては牧野の場合は宙を舞ったあとの着地の際、松下車はクラッシュを回避してガードレールにヒットした際に損傷が及んだ模様だ。

 その直後に両車が接触しているのだが、この時に2台とものモノコックにダメージが及んだとみられている。なお、両車ともにギヤボックスは無事だったという。

 もてぎからのインターバルの間に2台とも交換を済ませ、鈴鹿サーキットにマシンが搬入されている。スーパーフォーミュラではエンジン交換を行った場合、10グリッド降格のペナルティが課されるのだが、2023全日本スーパーフォーミュラ選手権の統一規則 第24条2.4)によると「競技審査委員会が他車に起因する不可抗力のエンジン破損と認めた場合はこの限りではない」と記載があり、ペナルティ対象にはならない見込み。

 さらに同規則の第24条2.2)で「各競技参加者が使用できるエンジンは、年間を通じ最大2基とする」と記載があり、松下車は今回が2基目ということで、こちらも問題はなさそうだ。

 ただ、金曜日の専有走行がモノコックを変えてから初走行となるため、どのようなパフォーマンスになるのか、両陣営とも気が抜けないといいう状況のようだ。

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